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空OneCUPに白ワイン注ぐバランスでのみ生活してます。

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マガジン

  • 【短編小説】東京他人物語

    短編小説です

  • 日記

    日記。

  • 【エッセイ】たぶん、わたしのはなし。

    不定期でエッセイ更新してます

最近の記事

2024年8月28日 わからなくても、想像することはできる。

通院のため、今日は会社を休んだ。本当は半休でも良かったのだけど、どうせならと思い、全休をとったのだ。その病院は上野にある。診察は予約していたこともあり、思いのほか早く終わった。病院を出た頃、まだ時計は10時半を指していた。 モーニングの時間にまだ間に合う、久しぶりにギャランに行こうと思いたち、ビルの前まで来てみたけれど、半分シャッターが閉まっており、黒い準備中の看板が立てかけられていた。同じように、ギャラン目当てで来たであろう、私と同じくらいの歳の女性がしばらく立ち止ってそ

    • たぶん、わたしのはなし。 Vol.7 「求めたいし、求めない。理解されたいし、されたくない〜私的インナーチャイルドとハイヤーセルフの話〜」

      突然だけど、私には「もう一人の私」が、あと二人いると思っている。一人は、私の中の子ども、「インナーチャイルド」。もう一人は、高次元の私、「ハイヤーセルフ」だ。インナーチャイルドは心理学的用語らしく、ハイヤーセルフについては、スピリチュアル用語なので、こういう話に抵抗がある人は、「なんかこのエッセイ、雲行き怪しいぞ?」と思うかもしれないが、多分そんなことはないので、もう少しだけ頑張って読んでほしい。 ここ一年くらいのことだけど、だいぶ自分自身をコントロールできるようになってき

      • すこし前の、遠いむかしの話

        2022年12月6日 わたしには兄がいないけど、兄がいたら、こんな感じかもしれない。 (愚かさと奔放さがとても似ている) 2022年11月7日 また一つ、歳をとりました。 お前が、お前を、必要としているんだぞ。 2022年9月15日  ひとりでも平気。愛してくれる人が、いるのを知っているから。 2022年5月13日 水を毎日、たっぷり飲んでいるから、あの人は海になった。 「気が向いたら絵も描いて」だだっぴろくて、真っ青な海だった。 あたしはその時に、泳ぐことを決め

        • 東京他人物語「練馬のミチちゃん」

          ミチちゃんと初めて会ったのは、実は最近だ。多分半年前くらいのことだ。はじめて会ったその日、さっぱりとしたグレーのセーターを着て、暗い色のジーンズを履いていた。決して派手ではなくて、シックな装い。耳下で丁寧に切り揃えた黒髪と、きれいに並んだ顔のパーツ。特にくりくりとした大きな目が目立っていた。ミチちゃんは、あまりお酒が飲めなくて、コーヒーの方がすきだと言っていた。黄色いアメスピを吸う。ミチちゃんは、猫みたいな子だ。一緒に雲に乗らなくても大丈夫な子だし、そもそも乗らない子だ。今ま

        2024年8月28日 わからなくても、想像することはできる。

        • たぶん、わたしのはなし。 Vol.7 「求めたいし、求めない。理解されたいし、されたくない〜私的インナーチャイルドとハイヤーセルフの話〜」

        • すこし前の、遠いむかしの話

        • 東京他人物語「練馬のミチちゃん」

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        • 【短編小説】東京他人物語
          7本
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          4本
        • 【エッセイ】たぶん、わたしのはなし。
          9本

        記事

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.6 「シンプルに、きもちよく、音楽を楽しみたい〜ワタシ音楽史、ドリカム、洋楽、椎名林檎、hiphopについて〜」

          音楽って、耳とか体だけじゃなくて、いろんな思い出を同時に保存してくれている。ある曲を聞けば、その頃の情景とか匂いとか、人間関係、はたまたその曲を教えてくれた人のことを思い出すし、聴けばその時の記憶を引っ張り出せる。それってすごいことだと思う。私は自分が今やっている表現が好きだし、誇りに思っているけれど、音楽にはどこまでも叶わないと思っている。ライブとかフェスに行って、直接音楽を浴びると、心の底から、うわ〜まじでやばいすばらしいすごいですほんとうにありがとうございますだいすきで

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.6 「シンプルに、きもちよく、音楽を楽しみたい〜ワタシ音楽史、ドリカム、洋楽、椎名林檎、hiphopについて〜」

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.5 「愛することは異文化交流。パートナーシップにおけるわがままさ、未来のこと」

          パートナーシップ。このトピックに関する悩みは、尽きない。しょうもない、小さなことから、どうしようもない、大きなことまで。それは、みんな同じ経験をしていると思う。私は占いが好きで割とスピっているので、事あるごとにみてもらうのだけど、どの占い師の方にも、だいたい以下のようなことを言われる。 「我慢せずに、対話すること」 「オリジナルであること」 「なるようにしかなりません」 過去に、恋愛において数多もの失敗をしてきたと思う。とても未熟者だった。二十歳なりたての頃に、「信じるだけ

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.5 「愛することは異文化交流。パートナーシップにおけるわがままさ、未来のこと」

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.4 「フェミのはじまりは、野良の偉オジ」

          セクシュアリティ診断、というものをした。診断の結果、私の心の性は「シスジェンダー女性」で、ふるまう性は「ノンバイナリー」、性的嗜好は「ヘテロセクシュアル」、恋愛思考は「ヘテロロマンティック」だった。噛み砕いていうと、私は心の性と体の性が同じ。ただ「女性らしいと思われたりしない外見や言動をしたい」と思っている。そして、性的魅力を感じる相手は異性、かつ、私は異性を好きになる、という意味だ。生まれた頃から女だと自意識があって、男の人を好きになることは知っていたけれど、「ノンバイナリ

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.4 「フェミのはじまりは、野良の偉オジ」

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.3 「社会人ってなんなのさ。就職活動と2つの会社で学んだこと〜派遣社編〜」

          正社員時代、「デザインの勉強をしたい、デザインの学校に行こう」と思い立ち、会社を辞めようと決心したのは、確か年末頃だった。ただ、イラストを学びたいのか、デザインを学びたいのか、明確にわからず、自分はどの学校の、どの学科に行けばいいのかと、迷っていた。会社を辞めて、すぐ何かしらの専門学校に入ることもできたけど、お金がかかるし、入ってから「なんだこれ!間違えた!」みたいなことは、もうしたくない。じっくり考えたいと思った。でも、何もせずに1年を無駄にしたくない。そう思って、わたしは

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.3 「社会人ってなんなのさ。就職活動と2つの会社で学んだこと〜派遣社編〜」

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.3 「社会人ってなんなのさ。就職活動と2つの会社で学んだこと〜正社員編〜」

          その会社に入社した決め手は、「ホワイトそう」「大きい会社だから」という安直な理由だった。先回の最後の方で書いたことだけど、就職活動がうまくいかなかった私は、「仕事」というものの立ち位置を一歩下げて「楽な仕事をして、空いた時間を趣味(絵など)に充てよう」と考え方を転換した。あと当時の私は、今の私とは価値観がかなり違くって、昔の自分の考え方はとても勿体無いなと思っている。なんというか、「見えている世界の範囲が狭すぎる」という感じ。正規雇用が絶対で、大企業(上場してるとかしてないと

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.3 「社会人ってなんなのさ。就職活動と2つの会社で学んだこと〜正社員編〜」

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.3 「社会人ってなんなのさ。就職活動と2つの会社で学んだこと〜就活編〜」

          私は現在、派遣社員として働いている。仕事内容は、デザインやイラストなど、クリエイティブ系でもなんでもなく、事務職である。会社もデザイン系でもなんでもない。程遠い業界にいる。「お金を稼ぐ」ということだけを仕事の目的とするならば、事務職は私にとって天職で、正直かなり向いていると思う。派遣法で、「派遣社員は、原則同じ就労先で最長3年までしか働けない」と定められていて、私はあと3日でその満期を迎える。こう言うと感じ悪いが、「学校に通うために、条件が揃っている職場」として選ばさせていた

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.3 「社会人ってなんなのさ。就職活動と2つの会社で学んだこと〜就活編〜」

          東京他人物語「Tについて」

          働き疲れて起きれなかったある土曜日。私を起こさないように、静かにシャワーを浴びて、静かに家を出ていった。昼頃起きたら、「頑張ってるよ、偉いよ。たくさん寝て、気が向いたら絵も描いて。」とLINEが来ていた。洗濯籠を覗くと、うちで一番ボロボロのタオルが、ビシャビシャに横たわっている。真夜中にママチャリで2ケツしたら、パトカーに注意された。商店街で買ったパンを、バス停のベンチで食べたりした。そういう時、私はいつもすごく恥ずかしかったけど、いつもとても楽しかった。池袋の電気屋で、彼の

          東京他人物語「Tについて」

          日記

          そちらのほうが十分変なのに、「きみ、変だよ」と言われた。「現代(いま)の人だね」、「地元に友達いないでしょ」とも。「毎日日記を書いている」とその人は言い、今日は「私のことを日記に書く」らしい。「方言はあるの?」と聞かれて、うーんあまりないなと思いながら、まあ強いて言えばこういうのはある、と伝えたら、「へ〜いいね、今度言ってもらおう〜」とか言われた。汚い街の終電間際、そんなことを言われても。

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.2 「ど感情・ど情緒人間のウチ、からだでするコミュニケーションに思いを馳せてみる。とりわけハグについて」

          少し前、とあることで落ち込んだ。「我慢すればよかったかもしれないけど、わたしはわたしだから、わたしには嘘つけないし。でも、言葉にしない、という選択肢もあったよな。はぁ、ほんと無理...。」みたいな状態に陥ったのである。でも結局、この件は嘘をつかずに、相手に伝えてよかったことだった(Vol.1 テレパシーで交信できないなら、face to faceでいくしかないのだ、を参照)。 そんな時、友人から「自分にいっぱいご褒美あげてな🫂(ハグの絵文字こんな怖いのしかない)」というdm

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.2 「ど感情・ど情緒人間のウチ、からだでするコミュニケーションに思いを馳せてみる。とりわけハグについて」

          2024/1/7 ねむりたりない

          朝起きたら、と言っても9:30頃で、なんで目覚めたかというと、クロネコヤマトが呼び鈴を鳴らしたからだ。母親が丁寧にぎっしりと詰めた、「冷凍」と「常温」の荷物。まだねむりたりなくて、「冷凍」の方だけ段ボールから食品を取り出し、せっせと冷凍庫に詰めた。頼んでいなかったのに、私の好きな冷凍のチョコレートケーキが三切れ入ってた。実家に帰った時、私は面白半分で「私は長女なのに、一番意味がわからないことをしているよね」みたいなことを言った。弟や妹たちの方が偏差値の高くていい高校や大学、ス

          2024/1/7 ねむりたりない

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.1 「テレパシーで交信できないなら、face to faceでいくしかないのだ」 

          シャワーを浴び終わり、髪を乾かそうと思ったら、「あと2分50秒で2024年だよ!」とリビングから声がして、あわてて家族のもとに向かった。濡れた髪のまま、一応手拍子しながら、カウントダウンする。特におめでたい感じでもなく、なんとなく2024年が始まった。正直日付が変わるだけじゃんとも思う。 2023年の私は多分、今まで生きてきた中で一番忙しかったと思う。仕事して、生活して、学校行って、課題して、自主制作して、イベントに参加して。特にイベントについては、自分の想像以上に機会を多

          たぶん、わたしのはなし。 Vol.1 「テレパシーで交信できないなら、face to faceでいくしかないのだ」 

          東京他人物語「梅雨。ボーイについて」

          「行き先を決めないで、テキトーにそこらへん、ドライブしよう」格別に、今日、ボーイの調子はいい。残り少ないセブンスターに火をつける。ヴィーン。窓を開ける。換気の意味がないくらい、車内は既に煙草臭い。カーブする時、ガタガタと不穏な音を立てる。決して居心地は良くない、オンボロ車。だけど隣に乗せてもらえることが、とても嬉しかった。 国道沿いのショッピングモールで、少しの買い物を済ませ、14時頃昼ご飯を食べた。わたしは、煮込みハンバーグ。ボーイは、トンカツ。「ねえ、これ美味しいよ」と

          東京他人物語「梅雨。ボーイについて」