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たぶん、わたしのはなし。 Vol.3 「社会人ってなんなのさ。就職活動と2つの会社で学んだこと〜就活編〜」

私は現在、派遣社員として働いている。仕事内容は、デザインやイラストなど、クリエイティブ系でもなんでもなく、事務職である。会社もデザイン系でもなんでもない。程遠い業界にいる。「お金を稼ぐ」ということだけを仕事の目的とするならば、事務職は私にとって天職で、正直かなり向いていると思う。派遣法で、「派遣社員は、原則同じ就労先で最長3年までしか働けない」と定められていて、私はあと3日でその満期を迎える。こう言うと感じ悪いが、「学校に通うために、条件が揃っている職場」として選ばさせていただいたので、名残惜しさとかは全く無い。ただ色々大目に見ていただいたと思っているし、学校に通い続けられたのは、仕事を続けられたからだと思っているので、感謝している。

ちなみに、最初から派遣社員だったわけじゃない。大学卒業後、1年間正社員として働いたので、社会人経験はトータル4年である。社会人の定義をググったら、あるサイトで「組織の一員として、経営や事業拡大へ関わっていることを認識している人」と表現されていた。要は、なんらかの雇用形態で雇用され、組織に属してる自覚がある人を指すのだと思う。それで言うと、私は「社会人」なのか。来月から新しい就労先で働くので、社会人としては5年目の年になる。学校も無事卒業したし、「自分史〜大人編〜」みたいな期間の、ちょうどいい区切りな気がしている。今回はいい機会なので、自分の社会人経験について、恐縮ですが振り返ってみることにする。

(先に言っておくけれど、元就業先を特別ディスるようなことはしないし、攻撃するのが目的ではない。こういう事実があって、自分はこう感じて、自分はこういう風に行動した、あるいは、こういう選択肢もあり得たかもな、みたいなことを書こうと思います。)

少し話は複雑になるが、大学について少し触れておくと、私は一応理系の学科を卒業している。専門職を育成する学科で、履修後には国家試験が待っており、「大学は人生の春休み」とは表現できないタイプの大学生だった。地方の規模の小さな大学だったので、サークルに所属する気もなく、毎日ほぼフルコマの授業後にアルバイトをして、それ以外の時間は飲み歩いていた。確かに大学は人生の春休みでもなんでもなかったけど、かなり気軽に、それなりに結構楽しんでいたと思う。大学入学直後に「あ。私、入る大学間違えたな」と確信したのが結構大きかった。高校生の時、自分のやりたいことがわからなくて(そもそもこの時点でわかる人はとても少数だと思う)、資格を持っていれば就職に有利だと思い、その進路を選んだのだけど、それがまあとても甘い考えだった。何これ全然興味ないわ、どうしよう状態。ただ大学を辞めるほどの勇気もなければ、はっきりと学びたい分野もないし、何より家族に迷惑をかけてしまうと思った。それになんか辞めるのは癪だし、とりあえず資格だけ取って、資格は保険、就職では資格を使わずに全く関係ない会社に勤めようと決心した。だからその分、私にはその大学で学ぶことに対して「焦り」や「使命感」とかを(申し訳ないけど)感じていなくて、大学生活をラフに謳歌できたのだと思っている(国試落ちたらやばいなとは流石に思っていた、無事合格している)。

興味が持てないと言った、大学の授業だったけど、唯一大きな興味を持てたのが「教育」の授業だった。座学では「教育学概論」の授業が聴いていて一番楽しかった。多分選択授業だった気がするけど、無駄に猛勉強した覚えがある。楽しかったから。あとは実習の授業で、対象者にどういう教育のアプローチが有効か、とか、どういう風にコーチングするのがいいか、とかを学んだ。自治体に出向いて、所謂「〇〇教室」の企画・運営をする機会があったのだけど、その時に「情報って一方的に、紙1枚とか講演で伝えるよりも、ロールプレイみたいな『体験型』にした方が効果的だな。具体的な量を可視化して、実生活に身につけられる形にしておいた方が、伝わりやすいし、行動変容に結びつきやすいのでは。」と気づいた。なんていうか、そういう風に頭を使って考えるのが、とても楽しかった。そして、私はこれが、PR(パブリック・リレーション)や多様化した広告と同じことだなと思った。「これだったら興味が持てるし、仕事としてやってみたいかも」そう思って、PR会社や広告代理店などクリエイティブ系の会社を志望して、就活を進めた。この頃から、少しずつ「つくる仕事をしたい」という気持ちが沸々と生まれるのだけど、美術系の大学や専門学校を出ているわけではないので、新卒でクリエイティブ職に就くのは到底無理だった。だから、「まずは総合職として働いて、その後キャリアチェンジで制作側に回ろう」、そう強く思いを持って挑んでいた。ちなみに東京の会社しか見ておらず、定期的に就活シェアハウスに泊まったりしていた。東京歴が浅いのに、変にニッチな駅に詳しかったり、各主要駅のマック事情に詳しいのは、この時のおかげだと思う。就活だけで東京に行くのは癪なので、気分転換に展示を観に行ったりしていた。表参道のアニエス・ベーで観た、チャド・ムーアの写真展が本当にすごく良くて、感動したのを覚えている。話は少し逸れたけど、志望していた所で言うと、PR会社2社、広告会社1社の最終面接まで辿り着くことができた。ライバルたちに学歴・ネームバリューではかなり劣っていたれけど、結構頑張った方なんじゃないかなとか、まあ流石にどれかは確実に受かるだろとか思っていたけれど、面白いことに見事に全部落ちた(これは私の中で、かなりネタ)。ショックだったけど、何となく妙に納得したところもあって、「ここまで縁が無いなら、しょうがない。プライベートの時間を確保できる比較的楽な仕事をして、空いている時間に絵を描こう」、そう考えを転換した。本当の意味で「楽な仕事」なんてどこにもないのに。それを、当時の甘い考えの私はまだ知らない。結局、有資格者が多く入社する会社にご縁があって、就職することになるのであった。(正社員編に続く…)



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