【劇団ドガドガプラス】 浅草でスゴいものを見た。「金色夜叉・改」は文芸アングラミュージカルか?
東京で演劇の町といえば下北沢。でも今年の夏は浅草がとんでもない事になってるんです。それは「ドガドガプラス」という名の劇団が、溜まりに溜まったエネルギーを爆発させているから。
昨年から今年にかけて、コロナの影響で、なんと二度も公演中止に追い込まれたこの劇団。それでも負けずに、さらにパワーアップして帰ってきたのです。
“復活祭”と銘打たれた連続公演の第一弾、『金色夜叉・改』を見てきました。この芝居をベースに「ドガドガプラス」の魅力について語りたいと思います。
※タイトル画像は2021年公演のメインビジュアル
※文中写真は劇団公式および出演者のツイッターより。すべて『金色夜叉・改』の劇中シーン(撮影 伊藤勇司)
1. 妖しいアングラ感
作・演出は望月六郎。ウィキペディアによると「大学在学中に演劇に目覚め、唐十郎主催の状況劇場などに足繁く通う」とあります。なるほど、この劇団のアングラ感はそこから来てるのかと妙に納得。
でも決して、おどろおどろしかったり暗かったりはしません。むしろ明るいのです。
明るさの中に、見せ物小屋のような猥雑さとエロス、狂気を秘めている。といったところでしょうか。
2. 格調の文芸浪漫
「ドガドガプラス」は日本の古典文学を下敷きにした芝居を得意としているようです。ざっと調べただけでも、『春琴抄』『肉体の門』『たけくらべ』『舞姫』『伊豆の踊り子』…。
そして尾崎紅葉の『金色夜叉』。原作のストーリーはこんな感じです。
3. 濃すぎるキャラ
『金色夜叉』を下敷きにはしているものの、ドガドガプラスの『金色夜叉・改』は大胆に脚色されています。
明治時代の男女の愛憎劇かと思えば、フランケンシュタインが登場するSFホラー的な要素も加わり、悲劇か喜劇かもわからなくなって、混沌とした世界に連れていかれるのです。
その世界観を見事に具現化してくれるのが、濃すぎるキャラの役者たち。時には超絶的なセリフ回しで、そして時には体を張った演技で、観客をこれでもかと楽しませてくれます。
一人一人の役者の個性を極限まで際立たせる衣装、ヘアーメイクも見どころと言えるでしょう。和服、洋装、謎の白衣からボンデージまで、なんでもあり。一つのステージにこれほど多彩な衣装が登場するとは!!
「ドガドガプラス」の芝居はファッションショーでもあるのです。
4. ポップな歌とダンス
シーンによっては役者自身が歌を披露します。マイクを持って歌うので、さながらポップスターのライブのよう。
集団でのダンスシーンもあります。シリアスな流れの中で、いきなりコミカルなダンスがブッ込まれることもあるから気が抜けません。
果たしてこの芝居はストレートプレイなのか、ミュージカルなのか。あー、もうそんなこと、どうでもいいや。
5. 伝説の東洋館
この劇団のホームグラウンドは浅草の東洋館。「いろもの寄席」を連日開催している演芸場で、漫才のナイツもよく出演しています。
そして何と言っても、あのビートたけしが見習いだった頃にエレベーターボーイをしていたことでも有名。東洋館はビルの4Fにあるので、たけしが“青春の昇り降り”を繰り返していた伝説のエレベーターに乗るだけでも価値ありです。
「ドガドガプラス」の芝居は、この東洋館の雰囲気も演出の一部。いや、浅草の町自体が演出の一部かもしれません。駅から劇場へ向かって歩いている時に、あなたはもうすでに芝居の中に入ってしまっているのです…。
いかがでしたか?
この『金色夜叉・改』はもう終わってしまいましたが、ご安心ください。“復活祭”第二弾として、2022年8月19日(金)からは(変更 8/23〜8/25までの超限定3日間)『春琴SHOW!!』が上演されます。題名からして、なんかこっちもスゴそうだなあ。もちろん私は見に行きます。
芝居を愛するすべての人と、そうでもない人に捧げる一大エンターテインメント。劇団「ドガドガプラス」。この夏はシモキタより断然アサクサですよ〜。
劇団の公式HPを貼っておきます。ご参考までに。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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