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園庭ハザードマップの作成と活用方法

 数年ほど前にちどり保育園の園庭遊具の周辺において、園児の怪我が短期間のうちに多数発生したことがありました。発生した怪我はどれも大きな怪我ではありませんでしたが、短期間で、かつ同じような場所で怪我が続いたため、怪我の予防策を話し合うこととなりました。
話し合いの中で出された解決策は、、、

  • その遊具で遊ぶ際は注意する。

  • そこから跳び下りないようにする。

  • 周辺を走り回らないようにする。

 などといった対策が殆どで、明確な怪我の予防策とは言えない内容でした。また「園庭遊具で○○しないようにする」といった対策は、その園庭遊具が持っている特徴を大きく損ねてしまうことにも繋がるため、根本的に問題を洗い出すことにしました。

 そこで、この時期に多くの怪我が発生した園庭遊具だけではなく、その他の園庭遊具を含めた「園庭」にどのような危険な箇所が潜んでいるか、全職員から意見を募ることにしました。その結果、園庭遊具だけではなく、門扉周辺や非常階段近辺など、園庭の様々な箇所に危険が潜んでいることが分かりました。しかし、危険な箇所が分かったとしても、それを「分かりやすく」「見やすく」全職員へ周知する必要があります。様々な方法が職員間で話し合われ、最終的に「園庭のハザードマップ」を作成することになりました。
 作成した「園庭ハザードマップ」が以下となります。

園庭ハザードマップ初版

 実際に作成したハザードマップはこの他にもう一枚あり、2枚で一つのハザードマップとして活用しています。
 園庭の危ない箇所を①~⑳までに分け、それぞれの写真を掲載し、「何が」危ないのか、「どのようにして」子どもたちと遊んだらよいか?などを細かく記載しています。なお、初版を作成したのは2012年ですが、園庭遊具も年数を経ることで劣化してくるため、内容を少しずつ見直したり、修正したりしています。
 作成したハザードマップを活用しなければ意味がありません。そこで、職員からどのようにすれば活用してくれるか意見を募りました。

  • 職員室や事務室など、職員の目に留まる場所へ掲示する。

  • 一人ひとり職員へ印刷し渡す。

  • 各クラスに印刷したハザードマップを置いて、いつでも職員が見れるようにする

 などなど、様々な案が挙がりましたが、毎日必ず見るか?というと疑問がある活用方法でした。色々な部屋に貼っておいても職員が見ようとしなければ、単に貼ってあるだけです。また、一人ずつ、クラスずつに印刷して配布しても、いつしか見なくなってしまいます。まずは、職員一人ひとりが毎日必ず目にするようにしなければいけません。
 そこで毎日職員が目にするというヒントを元に、毎日必ずチェックしている「戸締りチェック表」にハザードマップを添付するようにしました。チェック表に添付したハザードマップのイメージ図が以下となります。

園庭ハザードマップを活用したチェック表

 右側にチェック項目を掲載し、左側にハザードマップを配置し、見開きでチェックできるようにしています。この点検表で戸締りのチェックをするたびに、左側のハザードマップを目にするようなるので、自ずと職員一人ひとりが意識するようになります。ハザードマップを作成した結果、園庭における同じような怪我が頻発することが少なくなりましたが、園庭での怪我を100%防いでいるわけではありません。その年の職員や園児の構成などに応じて、必要があればその都度修正を行い、出来る限り100%発生しないように日々努力しています。

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