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【選挙ウォッチャー】 参院選2019・沖縄県選挙区レポート。

今回の参院選は、まさに「拍子抜け」という言葉がピッタリです。沖縄社会大衆党の糸数慶子さんが強制的に下ろされ、高良鉄美さんが立候補することになったのですが、あまりに知名度がなさ過ぎて、かなり厳しい戦いになることが予想されていたからです。相手は新自由主義経済を目指す実業家の安里繁信さん。経営者としての手腕は高く評価されており、名護市長選で渡具知武豊さんが勝ったのも、裏で回していた安里繁信さんの影響が大きかったと言われているのです。「これは安里繁信さんが勝っても仕方がないのではないか」という声も広がっていたのですが、蓋を開けてみたら、ビックリするほど安里繁信さんが強くなかったのです。選挙序盤から高良鉄美さんが圧倒的にリードしている状態。安里繁信さんは伸び悩んでいました。

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安里 繁信 49 新 自民党(公明・維新推薦)
高良 鉄美 65 新 沖縄社会大衆党(オール沖縄)
玉利 朝輝 60 新 無所属
磯山 秀夫 72 新 NHKから国民を守る党

沖縄は改選1です。今回は4人が立候補していますが、事実上、安里繁信さんと高良鉄美さんの一騎打ちです。安里繁信さんには選挙に強いイメージがあり、たくさんの「もあい」に入っていると言われる安里繁信さんの結束力はかなり強いだろうと見られていました。高良鉄美さんは知名度で劣ることもあって、安里繁信さんが勝ってしまうことも想定しなければならない。そんなふうに思っていたのですが、蓋を開けてビックリです。安里繁信さんがこんなに弱いと思いませんでした。まったく勝負になりません。


■ 糸数慶子さんが捨てられた

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いつも問題の現場に顔を出し、最前線で仕事をしていた参議院議員の糸数慶子さんが、今年の参院選では立候補しないことになりました。沖縄社会大衆党が糸数慶子さんに相談もなしに、オール沖縄共同代表の高良鉄美さんを擁立することを決め、糸数慶子さんは「分裂を望まない」ということで立候補を断念したのです。糸数慶子さんは71歳ですが、とにかくいろんな所に顔を出すので、かなり愛されています。2013年の参院選で勝った実力は本物で、この6年でさらに磨きがかかっています。さらに任期を終える頃には77歳ということになりますが、あと1期はできたと思いますし、確実に選挙で戦える人材だったことは間違いありません。しかし、そんな糸数慶子さんをあっさり捨ててしまうというのですから、沖縄社会大衆党は何を考えているのかが全然わかりません。いかにも沖縄社会大衆党っぽいですが、これが「社大のやり方」なのでしょう。この界隈の人たちのやることは、一般庶民の僕にはよくわからないことがあります。


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