24等分

朝が来て夜が来てまた朝が来て夜が来る
地球が生まれて46億年たっても
朝が来て夜が来る順番は変わらない
今生きている瞬間が地球の最先端の時間という事を意識する余裕なく朝が来る事になれている
夜が来るだろう事に疑わない

真ん中くらいを昼
昼と夜の真ん中を夕方

明るい時間を朝と呼んで
暗い時間を夜と呼んで
もっと細かく分けるために昼と夕方という呼び方を付けて
もっともっと細かく時間を分けるために数字で1日を24等分した

そして地球の最先端の時間を生きている僕は24等分の時間に縛られて生きている

誰に縛られているのか?
別に人間が勝手に1日を24等分して
自らを24等分に縛っている
地球にいる生物の中で唯一自分自身を縛って傷付いていると思い込んでいる不思議な動物だ

人間ほど賢くなって
人間ほど自分を時間で縛られたがる不思議な動物はいない

どの動物だって朝が来たら起きて夜が来たら寝る
46億年たっても朝と夜を循環している

人間だけが昼と夕方を増やして
もっと縛られたい欲求から自らを24等分に縛っている
46億年の時間の途中から24等分に自らを縛る生活をはじめて
今は最先端にいる
24等分に縛っている縄は
劣化することなく
10等分や20等分にすり減る事なく
丈夫な縄で24等分に縛って生きている

何も縛られる事なく自由に生きたいという願望は不可能だ
過去現在において24等分に縛っている縄を千切る事はできない

誰かが20時間1日を終えようとも
10時間で終えようとも
個人のわがままは通用せず
全ての人間が24等分を共有する限り
くつがえす事は不可能だ

24等分で縛りあって生きている
それが地球で人間としての原点であり最先端のルールだ

24という数字は中途半端だ
できれば30がいい
あと6時間くらい時間がほしい

縛る縄が増えただけで
もっと自由がなくなった気がする

時間という24等分に縛る縄がある限り
自由という言葉は願望にすぎない

動物は朝と夜の2本の縄で
いつでもほどける強さで縛って生きている
自由に近い
そのかわり天敵がいる

人間は24本の縄で
ほどくことができない縄で縛って生きている
自由がないが
天敵はいない

僕らは24本の縄で縛られるしか生きる道しかない
原点からそれはかわらないのに
受け入れられずに自由を欲しがっている

不器用なりに縄をほどこうとする不思議な生物だ

今のところ人間の絶滅は見えてないから
とりあえず地球は
地球で一番不器用な生物の人間をまだ可愛いがってくれているのだろう

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