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偶然の再会が名刺作りのきっかけになった話

フリーランスとして仕事し始めた一番最初のころ、仕事内容がフルリモートということもあり、私は名刺を作ることは全く考えていなかった。

それが、仕事を始めて1ヶ月後、アクセサリーのECサイトの撮影現場の立ち会いの仕事で早速、名刺交換をする場は思いがけずやってきた。
(思いがけずというか、今普通に考えれば撮影現場って名刺交換ありそうな場面だけど)

名刺を作ることなんて微塵も考えてなかった私は、スタイリストさんやメイクさんから続々と名刺をいただく中、「ごめんなさい、私まだ名刺なくて…」
という言葉を返さなくてはいけない状況に恥ずかしくなり、そこから名刺を作った方がいいのかどうか少し考え始めた。

いくらフルリモートとはいえ、私の仕事は、対面での仕事の可能性がこれからもゼロってわけではない。
だけどまあ名刺交換するような場面は圧倒的に少なそうなんだよな…とかぐるぐる考えながら、次出張が決まったタイミングで作ればいいや、と、そこから数ヶ月は、いつかのために名刺のデザインをゆるく考えていた程度だった。


名刺作りをこれだけ後回しにした私がこんなこと言うのもなんだけれど、私は名刺のデザインって結構大事だと思っている。
フリーランスの場合は特に、その人の個性が現れるものだと思うから、いざ名刺を作る、ってなったときは、出来上がったテンプレートから選んで発注するのではなくて、自分の納得できるデザインを全力で考えて作りたい、とも思っていた。

そしていきなり、私が名刺を今すぐ作ろう、と決断する機会はやってきた。

お盆に、近所のショッピングモールをぶらぶらと歩いていて、前職でお世話になった会社の部長をたまたま見かけたときのこと。
まさか前職の会社の部長をこんなところで見かけるなんて、とびっくりして、話しかけるかどうか迷ったけれど、すごくお世話になった方だし、久しぶりに話をしたかったので、私は思いきって話しかけてみた。

「部長ですよね?」と話しかけると、とても驚いていて、そして少し照れつつ笑顔で応じてくれた部長。

そこから立ち話で少しだけ、今している仕事のことなんかを話した。
部長は、今新しく人を探しているところで、またぜひ一緒に働けることがあるといいね、と言ってくれた。

そのとき私は本当は、「フリーランスとして今後、私がまたなにかお役に立てることがあれば」ってことを言いたかったけれど、うまく伝えられなかった。
というか今私がやっている仕事の内容すら、そのときは短い時間の中で部長に伝えきれてなかった気がする。

思いがけず部長に再会できたのは嬉しかったけれど、後から、ああ言えばよかった、こんなこと伝えればよかった、なんて少し後悔しながら帰路に着く途中で、私ははっと気がついた。

こういうときに名刺が必要なんだ、ってこと。

名刺はなにも、仕事の場で名刺交換するためだけにあるわけじゃない。
日々の生活の中で突然、私のスキルを欲している人に出会う可能性はこれから先、ないとは言えない。

いつ誰とどんなふうに出会うかわからない日々の中で、フリーランスなら特に、いつだって「自分のやっていること、できること」をPRできるように、そして相手と繋がれるように、名刺はお守りみたいにして持ち歩くべきものなんだ、って気がついた。

部長に偶然会ったときに、長々と話す時間がなくても、名刺を持っていれば、さっと一枚自分の名刺を渡して、
「なにかお役に立てることがあれば連絡ください」
って言うことが出来た。
そこで、必要なら連絡がくるだろうし、もしも今すぐ必要がなくても、いつか何かのタイミングで思い出してくれて連絡がくるかもしれない。

なによりも今回はただ単に、「フリーランスとして仕事が欲しい」とかそういう感情よりも、お世話になった会社に前とは違う形で関わることができれば私自身嬉しいな、って素直に思ったからこそ、せっかくの機会を、名刺がないばっかりに逃してしまった気がして少し悔しくなった。

こんな出来事があって私は、もうこんな悔しい思いをしないようにその日早速、名刺作りに取り掛かった。

テーマ:もりのなかまたち🧸


ひさびさのゼロからのデザインは、すごく楽しかった。
私は自分の名刺を作るなら、受け取った人が少しでも癒される気持ちになるような、遊び心のあるデザインにしたい、って思っていた。

仕事って、大変だったりつらいことも多いからこそ、名刺くらい楽しくいきたいよね、っていう気持ちも込めている。

これからいろんな場面で、この名刺を渡せる機会が増えたら嬉しい。
そして、部長にまた再会することができたら、名刺を作るきっかけをくれたこと、名刺の大切さを気づかせてくれた感謝を込めて、いつかこの名刺を渡したいな、と思っている。

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