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教室のドアを開けたら乱闘事件? まずは焦らず事実確認 事件簿①

基本、授業中に事件は起きない。休み時間や清掃時間、教師の目が届かない時間に事件は起きる。
これは20××年、入学間もない1年生の教室で起きた話。

こんなことが起こっていれば大事件だ。大事件なのだから、子ども達全員が何が起きたのかを分かっていると思ってしまう。
しかし、ほとんどの子ども達は何が起きたのか分かっていない。事件の発端や経緯を知る子は数人に限られている。

だから、誤解が生じる。事実を知らないまま「○○くんが悪い」「○○くんは悪い子だ」と誤解する。下手をすれば、教師までが誤解する。

トラブルが起きた時に大切なのは、何が起きたのかを正しく理解すること、誤解を生じさせないことだ。

その有効な方法がリプレイ方式

リプレイ方式には、次のような効果がある。

①何が起きたのかという事実を目で見て確認できる。
②相当量の情報を短時間で全員が共有できる。
③違う部分があればその場で修正・確認ができる。
④「……と思ったんだけど」等の事実関係の確認を妨げる情報が入らない。
⑤経緯を追うことで子ども自身が考える時間を得る。

リプレイさせずに、子ども達の話を聞いたらどうなるか?

もちろん、同時に全員は話せない。
かと言って順番に一人ずつ聞いていては時間がかかる。特に、低学年は事実を正確に話すのは難しい。それぞれが自分の思いを話し始めて、事実がますます分からなくなることがある。

でも、再現を見れば何があったのかが分かる。

しかも、このリプレイ方式、一度行えば1年生の子ども達も直ぐに理解してくれる。合図ひとつで巻き戻しとリピートが始まるし、途中で違えば「違うよ、こうだったよ」と一緒にいた子が教えてくれる。

教師は「何やってんだ!」と言わずに「何があったのかな? ハイ!リプレイ!」と経緯を含めた事実を確認しよう。(注)

次回は、確認した後の話です。


(注)
リプレイ方式は、何が起きたのかを確認する「方法の一つ」に過ぎず、決して万能ではない。トラブルの質によっては使えない。例えば、学級内に陰湿な力関係が生じている時には絶対に使ってはいけない。

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