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一見奇妙な行動の裏にある「子どもの論理」を理解する 事件簿④

聞く」ポイント2。「え?」「なぜ?」と思う奇妙な行動があった時は、必ず子どもの意図を確認する。その行動を導いた「子どもの論理」を確認する。

「何をしたかったの?」

それを子どもに聞く。
その例がこちら。

え? なぜ?
なぜ、バッグを捨てた?


きレンジャーの行動を知った時、私はそう思った。大勢の子ども達も、そう思ったに違いない。(事件の全容はこちら。)
だから、きレンジャーに聞いてみた。

「なんでバッグをゴミ箱に入れようと思ったの?」

答えは「ケンカを止めたかった」
きレンジャーは、「バッグがケンカの原因だから、バックを無くせばいい」と思った。だから、バッグを取り上げてゴミ箱に捨てた。

これは、考えが足りなかっただけの「子どもの論理」による行為。底が浅い行為。底が深いイジメとは違う。

きレンジャーの話を聞いて「なるほど」と きレンジャーの考えを理解した。大勢の子ども達も理解しただろう。「聞いてよかった」と思った。

え? そんなこと本当にあるの?
イジメじゃないの?

そう思われた方は、次をご覧ください。

泣き声や怒声などの大きな声がとても苦手な子がいる。感情が高ぶった大きな声を聞くと、とても緊張する。すごく不安になる。
だから、「泣かないで欲しい」と思う。そして、不安でパニック状態になった子が、それを言葉で伝えられずに行動する時がある。

この子の言葉を想像して先のマンガに書き入れると、こんな感じだと思う。

つまり、これは「泣き声がコワイから泣かないで欲しい」というだけの行為。その子が好きとか嫌いとか、そういう感情は無い。深い意味は無い。

先の「ケンカを止めたかった」は、これと同じだ。きレンジャーは大きな声に耐えられなかった。あかレンジャーに対する悪意は全く無かった。本当に「ケンカを止めたかった」だけだ。そして、失敗した。

事件対応には、このような「子どもの論理」の理解が必要だ。

だからこそ、「え?」と思う一見奇妙な行動があった時は、何を考えて行動したのかを聞く。穏やかな声で聞く。
「何をしたかったの?」

このような「子どもの論理」で行動する子は、周囲から誤解されやすい。意地悪なヤツと誤解されやすい。
でも、考えが足りない行為と意地悪は違う。全く違う。
だから、誤解を防ぐ教師の配慮が必要だ。

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