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動いて覚える『なんばんめ』 1年生の算数『なんばんめ』③

以下は、【第1時】の記事の最後に、書いた文章。

《分かっている》時に、説明は不要。
まず、子どもたちに活動させよう。
活動させれば《分かっている》かどうかが、見える。
真似して活動しているうちに分かるなら、それで十分。
教師の説明は少ない方がいい。説明無しで分かれば、なおいい。
ちょっとした工夫で、ツマラナイはずの授業がおもしろくなる。

だから、【第2時】も子どもたちを活動させる。

【第2時】
・上下の起点を理解する。
・上下と前後-左右との並び方の違いを理解する。


①ゲームの方法を考えさせる

「机の上、ナンにもな~し。」
子どもたちは「先生、またやるの」と思う。これで3回目。「もう《分かっている》よ」と思う子がいる頃。余裕が出て退屈になる頃。だから、同じこと(復習)はしない。子どもたちを退屈させない。

子どもたちに頭を使わせる。新しいゲームの方法を考えさせる。
「今日は『上から』と『下から』でゲームしよう。」
「うえ、した?」「どうやって?」「重なるの?」「ムリでしょ?」

うん、キ ミたちの頭の中、見えたよ。今までの流れだと、そうなるよね。

「何かいい方法あるかしら?」
子どもたちに考えさせる。


「ランドセル?」「筆箱は?」「ノートは?」
「崩れちゃうでしょう。」「やりにくくない?」
子どもたち、何かを重ねればいいことは分かっている。
上記以外にも、名札、消しゴム、本、上履き、何なら混ぜたらどうか?と様々な候補が上がったけれど、今一つ気が乗らない様子。
「アレは?みんなで、こーするの。」
最後に、子どもたちが選んだのは、やっぱり自分の体、手のひら。数人が集まり、手を軽く浮かせた状態で重ね合わせることになった。

②起点を「上から」と「下から」にしてゲームをする

子どもたちを6~7人のグループに分け、教室の広いスペースで円陣を組ませる。
「先生が問題を言い終わったら『はいっ』って言って、手を抜いてね。」(注1)

「うーえ(上)かぁら、1人目!」
「はいっ!」
「しーた(下)かぁら、1人目!」
「はいっ !」
最初は順序数から始めて、子どもたちが指示を理解しているかを確認する。大丈夫そうだなと判断したら、集合数を入れる。

「上かぁら、4人!」
「はいっ!」
「下かぁら、4人!」
「はいっ!」
手を元に戻す時間を確保して、次を言う。遅すぎず早すぎず「間に合う」タイミングで言う。

「下かぁら、7人!」
「はいっ!」
「さすが!もう一度みんなで重ねてね。用意はいいですか?」
バタついてきたと思ったら、わざと全員を動かして組み直す時間を作る。

「上かぁら、5人目!」
「はいっ!」
「下かぁら、3人!」
「はいっ!」
答え合わせは、各グループにお任せ。大丈夫だなと思ったら、少しずつ速度を上げる。

十分に慣れてきたところで「みーぎ(右)から3人目!」
まれに引っかかってくれる子がいます。

上下の2通りしかないので起点を間違える子は少ない。順序数と集合数の違いは既に理解している。自分の手の位置を覚えていればできる。前にかがんだ状態で疲れるのが早い。集中が切れる子もいるので、10問ほどでおしまい。

③教科書で確認してから、ノートにまとめる

「席に戻って、教科書を出しましょう。」
全員で教科書を読み、確認する。

「上から」と「下から」の場合で、それぞれ集合数と順序数の違いを見開きでノートに書かせる。

ノートを提出した子から、プリントで練習問題を解かせる。
この時のプリントは、前後左右上下の6つを起点とした順序数・集合数の超混ぜ混ぜ問題。題数が多いけど、○で囲む問題ばかりなので、子どもたちは勢いよく解き始めるので心配無用。子どもたちはバンバン問題を解いて達成感アリ。これで【第2時】は終わり。



次回、【第3時】『「宝探しゲーム」で理解を深める』お楽しみに。

(注1)手を引き抜くとき、重心を後ろに下げる動きが入る。場所が狭い、転倒しやすい子がいるなど、ケガが予想される場合は、後ろに手を引き抜く動作はやめて「おせんべ焼けたかな方式」(手の平を返す方法)に変えるといい。

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