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「食べてすぐ寝ると牛になる」は、本当に悪いことなのか?
みなさん、こんにちは。牛ラボマガジンです。牛ラボマガジンでは「牛」を中心としながらも、食や社会、それに環境など、様々な領域を横断して、たくさんのことを考えていきたいと思っています。
今回は、子どもの頃に親から言われた人も多いであろう言葉「食べてすぐ寝ると牛になる」がテーマ。ことわざとしての意味・由来から「食べてすぐ寝る」行為、そして「牛になる」ということまで、おそらくどこよりも広く考察していこうと思います。
「食べてすぐ寝ると牛になる」の意味・由来
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食後すぐにゴロゴロと寝転がることを表し、行儀の悪い子どもを諫めることわざである「食べてすぐ寝ると牛になる」。健康への影響も含めて語られがちですが、実はこの言葉の語源は健康とは関係ありません。
ことわざで例えられているのが犬や猫ではなく牛なのは、彼らが食後すぐ横になる習性があるからです。このことわざには、人間界のマナーが守れないようでは、まるで本能のまま生きる牛のようだという意味も含まれています。
「食べてすぐ寝ると牛になる」の怖い都市伝説
この言葉について調べていると、こんな都市伝説を見つけました。
その村は牛を飼っていて牛を食べて、その牛の頭の骨を祠に祭る風習があった。 しかしその肉は牛の皮をかぶせた村の人間の肉だったのだ。 夜、一番最初に寝た人が犠牲になり食べられてたのだという…。
この話を信じるか信じないかはあなた次第…ですが、もしかしたらこの都市伝説も、行儀の悪い子どもへの戒めとして語られるようになったものかもしれません。
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牛が食べてすぐ寝るのはなぜ?
都市伝説として語られるほど、人にとっては行儀が悪いとされる「食後すぐ横になる」という行為。その一方で、牛が食べたあと横になるのは怠けているわけではなく、れっきとした理由があります。
牛が4つの胃を持っているのは有名な話ですが、その理由は、消化しづらい牧草や藁を食料としているからです。口の中と胃を往復させて食物を噛み砕く反芻(はんすう)に多くのエネルギーを使うため、横になって体を休めているのです。
人間の場合は反芻を行わずとも、全身の血液が消火器に集まって消化活動を促してくれるので、横になって休む必要がありません。
食べてすぐ寝ると逆流性食道炎になる?
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食後すぐ寝るのが牛にとっては必要で、人間には必要でないことは分かりましたが、実際すぐに寝た場合には人体にどのような影響があるのでしょうか?実は、「逆流性食道炎」の原因になり得る生活習慣のひとつとして、食べてすぐ寝ることが挙げられています。
食後はもっとも胃酸逆流がおこる時間帯です。食べてすぐに寝ると、胃酸が重力で食道から胃にいかないため、胃酸が逆流してしまうと長時間食道内にとどまる恐れがあり、逆流性食道炎が発生しやすくなります。
しかし、ひとくちに「寝る」といってもその内容はさまざまです。熟睡するのではなく15〜20分ほど横になる程度であれば、消化が促進されたり、脳がリフレッシュしたりする効果があるという話もあります。
もともと身体に備わっている眠気のリズムと合わせて適度な仮眠にはメリットがあります。
●脳がリフレッシュする
●消化が促進される
健康の観点からは、食べてすぐ寝ることの善悪を断定することはできず、やはり「食べてすぐ寝ると牛になる」の例えは、マナーの話の側面が大きいと言えそうです。
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食後すぐに横になるのが健康に良いかどうかはさておき、行儀の悪い行為を牛に例えられるのは、牛にとっては迷惑な話です。人から見ると怠けているように映る牛が、消化のためにあえて横になっているということは、先に説明した通りです。
では、人の場合はどうでしょう。牛が食後、消化することだけに全身を使うのと同じように、人からどう見られても、ときには自分にとって大切なことを優先する時間があっても良いのではないでしょうか。
それは、他人からは怠けているように見えるかもしれません。それでも、自分には必要なことなのだと胸を張れたら、なんでもない毎日が少し生きやすくなるかもしれません。悪い例えとして牛を使うばかりではなく、堂々と生きる牛を参考にする生き方がありそうです。
牛と人が違うように、人もさまざまです。あなたと私は違う人間です。それぞれの生き方があるはずで、他人の人生に合わせる必要はありません。(もちろん、マナーを無視しろと言っているわけではありません)
牛ラボマガジンでは、夏目漱石の言葉から「牛のように生きる」ことを考察したnoteもあります。もう少し深く考えたくなったら、こちらも読んでみてください。
最後に
今回の記事では、幼い頃から聞き慣れた「食べてすぐ寝ると牛になる」という言葉から、マナー、健康、そして生き方を見直すことまで考えてみました。言葉の意味を正しく理解したうえで自分なりの解釈をしてみたり、自分以外の誰かの視点で考えたりすることで、新しい発見が得られます。
牛ラボマガジンを運営している「千葉ウシノヒロバ」では、キャンプや乳牛の育成などを通じて、一人ひとりの生活が少しでも前に進むような場所づくりを目指しています。
今度の休みは自然に囲まれてリフレッシュしながら、自分にとって必要なことや大切なことを思い出し、これまで見過ごしてきてしまったかもしれないことを新しい視点でゆっくり考え直す時間を設けてみてはいかがでしょうか。
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(執筆:tama、編集:山本 文弥)