K. I.

地方国立大学にて光触媒の研究をしています。 光触媒,触媒,バイオマス,水熱化学

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    eco検定の問題集を読みながら,追加調査したり考えたりしたこと。

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    • カーボンナイトライドで検索

      「カーボンナイトライド」をGoogle検索すると,一番上にヒットするのがこの理化学研究所のページである。 記事のタイトルは「g-C3N4 薄膜化技術 -高機能メタルフリー光触媒の開発-」なので薄膜にすることに関する記事ですね。 ユビキタス。 ユビキタス(Ubiquitous)とは、いつでもどこでも存在するという遍在を表す言葉です。 またITの世界では、コンピューターやネットワークが遍在し、使いたいときに場所を選ばずに利用できることなどを表す用語としてユビキタスが使われて

      • アゾキシベンゼンについて調べてみた

        https://www.science.org/doi/10.1126/science.1166401 Cormaの論文。Scienceだ。Au触媒。 https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2015/GC/C4GC02123A Ag/WO3触媒 過酸化水素 アセトニトリル https://pubs.acs.org/doi/pdf/10.1021/jo00066a012 ヒドロキシルアミン,アニリンから。

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          非表示とは友達リストに表示させないようにするだけ。代わりに非表示リストに表示されるようになる。友達リストを整理するために使用する。あまり開かないファイルを整理用のフォルダに入れるようなものだな。トークが届いたときの通知は来るのだろうか? 非表示リストを閲覧する方法ホーム > 設定 > 友達 > 非表示リスト の順にタップする。

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          使用するフォントに厳密なルールはありませんが,多くの書類では日本語をMS明朝,英数字をTimes New Romanで記述する(明朝体)。PowerPointのスライドではMSゴシックとArialを使用する(ゴシック体)。これは遠くからでもはっきり見えるようにである。 明朝体 日本語:MS 明朝 英数字:Times New Roman ゴシック体 日本語:MS ゴシック 英数字:Arial 書類の場合 本文と表は明朝体,図はゴシック体 PowerPointスライドの場

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          大学で学ぶことができるかは、まず、大学教員の「お金をとってくる能力」で決まる。

          今年度は科研費に採択されなかったし、民間の研究助成金にも採択されていない。お金を持っていない初めてのとしだ。 そんなわけで、最近は研究費の申請書ばっかり書いているわけだが、一息ついたときに「お前は研究者でも教育者でもないな」と無意識が刺してくる。 研究費をとってこれないから研究が止まる。これ自体は自業自得なのだが、大学において研究が止まるということは教育が止まるということだ。大学教育で最も重要なのは「環境を整えること」だと思っている。その環境設備に必要な資金が大学教員に委

          大学で学ぶことができるかは、まず、大学教員の「お金をとってくる能力」で決まる。

          Amberlyst-15のメモ

          ここ数十年、Amberlyst-15は入手しやすく、温和で環境に優しく、高い選択性を持つことから注目されている。

          Amberlyst-15のメモ

          実験器具の洗浄

          実験が終わったら,とても面倒な洗い物が待っている。実験で使用する器具は,生活用品とは全く扱いが異なる。ちょっとした有機化合物やイオンが残っていると,次の実験で使用するときに影響が出る可能性があるので,洗剤で洗った後,イオン交換水で洗って,さらに蒸留水で洗う。 実験データを打ち込んだりしていると,器具の洗浄を忘れて帰宅してしまうことがままある。ぼくが大学生の頃,とある有機系の研究室では,洗い物が残っているから戻ってこいと先輩から電話がかかってきて,呼び戻された友人がいた。

          実験器具の洗浄

          酸触媒反応

          触媒 ロシア化学者キルヒホフは、デンプンを水に分散した液体に少量の硫酸を入れて加熱したところ、デンプンが水によく溶ける甘い物質に変化することをみつけました。これは糖の一種で、ブドウ糖と名付けられたましたが、硫酸を加えないで加熱しても生成しませんでした。 このとき硫酸自身は何の変化もしていないことも確かめられました。この硫酸が示す不思議な作用に対して、「触媒作用」という言葉を1835年に最初に用いたのは、スウェーデンの化学者ベルゼリウスだと言われていますが、ギリシャ語の「分

          酸触媒反応

          1,3-ジカルボニル化合物のアルキル化

          炭素-炭素結合の形成は,有機合成において非常に必須な反応である。例えば,1,3-ジカルボニル化合物(β-ジカルボニル化合物とも呼ばれる)のアルキル化はによるC-C結合の構築は非常に重要な反応である。 このような反応は,一般的には,化学量論量の塩基の存在下,ハロゲン化アルキルを用いて行われる。しかしながら,ハロゲン化試薬は毒性が高く,強塩基を使用するため操作に危険性が伴い,廃液の処理が必要などの課題がある。近年,アルキル化試薬として,ハロゲン化試薬の代わりに,アルコール,アル

          1,3-ジカルボニル化合物のアルキル化

          イオン交換樹脂を酸触媒として利用する利点

          酸触媒は、アルキル化、エーテル化など多くの重要な化学変換に広く使用されている。 しかし、従来の液体酸(塩酸、硫酸、フッ酸など)は、通常、機器の腐食や環境汚染の原因となる。ゼオライト、酸化物、リン酸塩、ヘテロポリ酸、有機無機複合体などの固体酸は、回収が容易で汚染が少なく、腐食性がないため、ここ数十年で液体酸の代替品として台頭してきた。 一般に、固体酸の触媒活性は水溶媒によって悪影響を受けるが、一部の有機固体酸のような例外もある。 多くの重要な化学変化において、水は加水分解

          イオン交換樹脂を酸触媒として利用する利点

          イオン交換樹脂

          画像と内容は関係ありません。気に入ったイラストを選んでいるだけ。 化学的な説明をしようとすると,相手は簡単な化学式を理解できる必要があるし,説明する側は図を使う必要がある。そうしなければ,物質の一面しか見ることができない。 イオン交換樹脂は,イオンを交換する樹脂である。水道水の中にはいろいろなイオンが入っているので,イオン交換樹脂を通すとこれを除去して綺麗な水にすることができる。 水道水の中にはナトリウムイオン,カリウムイオン,マグネシウムイオン,カルシウムイオンなどの

          イオン交換樹脂

          色素増感型光触媒によるアセトフェノンの還元反応

          クマリン色素で修飾した酸化チタン(TiO2)を用いた色素増感型光触媒を使って,アセトフェノンを1-フェニルエタノールへと還元する論文。ただ,使用しているTiO2がP 25であることが気になる。ベンジルアルコールをTiO2に吸着させて,可視光を照射すると,ベンジルアルコールが酸化されてベンズアルデヒドになる。これはベンジルアルコールで修飾したTiO2が可視光に応答した形だ。なぜかP 25でしか起こらない。この論文では還元反応だし,アセトフェノンだからわかんないけど,同じようなこ

          色素増感型光触媒によるアセトフェノンの還元反応

          Scopusにて,dye sensitized で検索。非引用数の順番に並べ変えた。1番上にくる論文。

          さすがNatureだ。高知大学はNatureと契約していないので,本文を読むことはできないが,Abstractだけ読むことができた。太陽電池の低コスト化について書かれているので,色素増感型光触媒を開発したい僕らとしてはあまり参考にはならなそうだ。 上からいくつかチェックしたけど太陽電池(Solar Cell)に関する論文ばかりだった。しかし,Chemical Reviews,Nature,Scienceなど,錚々たる雑誌ばかりだ。俺も掲載されたいぜ。 and not 検索

          Scopusにて,dye sensitized で検索。非引用数の順番に並べ変えた。1番上にくる論文。

          情報発信の多さは、発信のしやすさで決まるよね。届けたい人に届ける工夫がいるよね。という話。

          大学のような大きな組織では「セキュリティ」を重要視するあまり、便利さが犠牲になっている。 例えば、学会で研究結果を発表したり、論文が雑誌に掲載されたことを大学のツールを使って発信する場合以下の4つが必要である。 Wordファイルにまとめて部門に提出 Excelファイルにまとめて学部に提出 研究者総覧を更新(web大学のシステム) 自分の研究室のHPを更新(web大学のシステム) 学部に提出するものは教員評価に使用されるので発信とはまた別だが、まぁScopus見てほしいと

          情報発信の多さは、発信のしやすさで決まるよね。届けたい人に届ける工夫がいるよね。という話。

          バイオマスからの光触媒的水素生成

          光触媒反応は、光照射によって引き起こされる酸化還元反応である。光触媒に光を照射すると価電子帯の電子が伝導帯へと励起される。このとき、価電子帯には電子の抜け穴が生成する。これを正孔と呼ぶ。つまり、光触媒に光を当てると励起電子と正孔が生成する。励起電子は還元反応を正孔は酸化反応を引き起こす。 このように、光触媒に光を当てると酸化還元反応が進行する。これが光触媒反応である。 光触媒反応を進行させるために必要なのは光照射のみであり、圧力をかける必要も、加熱する必要もない。それゆえ

          バイオマスからの光触媒的水素生成