2024年2月の記事一覧
小説 カフェインpart23
そして一番の妄想は憧れのあの方が私を迎えに来てくれて結婚してくれるという妄想。キャー、はずい。
その一方でこういうことを医師や看護師さんたちに言ったら退院が長引くということ、冷静に判断している自分もいるわけです。
憧れのあの方と結ばれる。
私のツインレイはあの方。
妄想街道暴走中でしたが、私なんかが選ばれるわけがないともはっきりわかっている。
独房の中で冷静に考えながら妄想に耽る。
昔の文豪なら美
小説 カフェインpart24
カフェインの入院生活の日々は体験したことのないわたしには面白かった。誰に読ませるつもりとかじゃなく書いていたんだろうけど。わたしという読者が一人でもいてよかったのかね、カフェイン。
ツインレイとかあの方とかこの人は誰なの。結ばれないみたいなことも書いてあるからやんごとなきお方ってこの人のことかな。
「もう暦の上では春っすね。二月の頭に飛ぶことが多いんすわ、何でですかね、立春?冬眠から目を覚ます
小説 カフェインpart25
西門に連絡するのは夜になってからにした。私は独り暮らしで携帯電話しか持っていない。今月通話料跳ね上がるかな。
西門母からのメモには、裕電話番号と書いてある。ゆう、ひろし?ほかの読み方か。間違いのないよう慎重に電話をかけた。
西門は、木曜日の晩に電話に出られる仕事なのか。まぁいい。とにかくわたしはカフェインことが聞きたい。
「はい、どちら様ですか?」
「わたし大野と言います。今大丈夫ですか?突然電話
小説 カフェインpart26
カフェインは無職である自分のことを恥じていた。ノートにもこんなメモが残されている。
れんこんの酢醤油炒めを作るのに、どくろやリボルバーが浮かんでは消える。
バイトの面接=私にとっての体験取材と考えて楽しんだり学んだりすればよいと思った。
ハロワでは二年に一回ほど入院しちゃうようでは勤まる企業はないかもしれないと言われた。
未来のことは全く読めない。
将来の自立したちゃんとした大人の自分は想像
小説 カフェインpart27
いつも上機嫌だった、上機嫌なところしか見せないようにしていたカフェイン。
「ハローワークでお前に勤まる職業はないって言われちまいましたよ!なんだあいつら。だから決めました!わたし芸人になります!」とブチ切れていたことがあった。
はぁ?何言ってんの。施設で宣言したカフェインにみんなはいつも通りの軽口だろうと笑った。
「本気っすよ、ネタ作ってオーディション受けますよ。仕事がないなら作るしかないじゃない
小説 カフェインpart28
最初のしでかしは割と派手なものがあるよな。
なんたってパワーがあるから。
でも最大のしでかしはスタジオコーストで大声でユニゾンしちゃったんだ、あのお方が唄っている時に。本当最低だよ、ファンのみんなは演奏とか唄が聴きたくてチケット買ってライブ観に来ているわけじゃん?
私のせいで台無しだよね。ごめんなさい。
口が悪くなったりもする、普段から悪いからわかりづらいんだけど。
暴力をふるったりは…しないと思
小説 カフェインpart29
この文章はノートに比較的整った文字で書かれていた。
感想としては、しでかしって本当大変なんだなってこと。
周りの人々に迷惑をかける、でもそれはカフェインの病気がさせたことだろ?
カフェインが好きでトラブルを起こしてたわけじゃないじゃん?
そのエピソードをきちんと笑いに変えて施設の仲間に語っていたカフェイン。
原付で京葉道路逆走!伝説の女カフェインっす。
レレレのカフェインになったこともあったなぁ
小説 カフェインpart30
ミュージシャンにCD-Rを送り付けたと手記には書いてあったけど、一体誰に、どんな曲を送ったのだろう。電波ちゃんのカフェインが大好きな人に贈った音楽って。なんだろう。
ラブレターってことだよね。わたしはカフェインが聴いていた音楽に強くないから誰に送ったのか見当もつかないが、本人が聴いたりしたのか、気持ち悪いファンって認定されていたはずのカフェイン。今無性にカフェインの声が聴きたくなった。
馬場君とよ
小説 カフェインpart31
恋に命をかけて小指の先切り落としガール
ブラッドで書かれた手紙 貴方への最終メッセージ
あぁまた自分傷つけて ひとり悲恋気取ってる
あぁいろっぱやいやつだと 尻軽にみられていいの?
重い強すぎて重いと言われとぼとぼとぼ帰ってきても
変えない変えられはしない
もしも無粋でもただの負担でも仕方ないわ二人の秘密
いろに出にけり 我が恋は気持ち 偲ぶれど
煙管をのみながらあでな姿の大年増レデ
小説 カフェインpart32
あの方=ラヂヲだって裏付ける表記もたくさん出てきた。探せば探すほど痛くなってひりひりした。
ご機嫌いかがですか?
体調いかがですか?
突然CD-Rを送り付けてすみません。
プロに送っていいものではないとわかっています。
でも、送りたかったのです。
聴かなくとも構いません、自己満足です。
私はとても貴方が好きです、どうしようもなく。
頭が狂っているのか、いつも確かめて生きている私にはこ
小説 カフェインpart33
中古屋でアイシー,ユーアーソーロンリーのファーストアルバムを買ってきた。値段は定価より高くなっていたから、手に入りにくいのかもしれない。ジャケット写真ではラヂヲが横向きに椅子に座っている、黒いTシャツ、黒のパンツ、足元は黒のコンバースだった。
この声の持ち主もこの人を愛した女の子ももう世の中にいない。
ねぇ、死んだらおしまい?何になるの次には。輪廻転生とかあんのですか。わたしは死ぬのが怖いで
小説 カフェインあとがき
ここまでお読みいただきありがとうございました。
本当はまだ続くんですけど、表現の問題とかありまして、part33で未完にしておく方がよいと判断しました。
いつもは短編小説しか書いていなかった私の初の中編小説です。
なつかしく、恥ずかしく、見せられたもんじゃないのですが、それでも誰かに読んでもらいたい。
日記という形態にしましても、誰に読まれるわけじゃなしとしてもちゃんと誤字をなくし極力きれいな文字