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惰眠
2022年2月8日 03:00
私は、全て知っていたのかもしれない。北校舎、四階トイレの水道に、血の着いたコンドームが掛けてあった。誰かに見せつけるように、また見つけてくださいとでも言うかのように、蛇口に弱く掛けてある一景は、捻りの弱い水道の蛇口からしたしたと水が垂れる状況と相俟って、一周回って綺麗とすら思った。その時の私は妙に冷静で、一瞥した後に 切り過ぎた前髪を整えて、トイレを後にした。入れ違いで入ったクラスメイトの