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顧客優位を生み出すCXM(カスタマーサービスマネジメント)の解説と実践


毎日更新ということで本日はCXM(カスタマーエクスペリエンスマネジメント)について解説していこうと思います。
CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)はすでに良く知られた概念ではあると思いますが、CXMはCRMの包含される、もしくはCRMの上位概念となる考え方です。個人的にはCRM→CXMというように発展していくものと認識しています。


CXMという概念の定義

CXMは、顧客が企業やブランドとの接触を通じて経験する全体的な感情や評価、対話、感情的なつながりなどを包括的に管理し、最適化するためのアプローチです。顧客との関係を向上させ、熱量を高め、自社の競争力に磨きをかけるために、顧客が企業やブランドをどのように感じ、反応するかを理解し、その感情や反応を管理する手法までを含みます。

これには、顧客の要望やフィードバックの収集、データ分析、製品やサービスの改善、チャネル間の一貫性の維持などが含まれ、単なる取引関係からより感情的な面も含む関係構築へ続きます。
結果としてCXMを適切に行った企業は長期的な優位性を築くことができます。


CXMで大切な5大要素を解説

CXMを実践する上で不可欠な要素をまずはお伝えできればと思います。
要素を説明した後に実践のポイントを解説してきます。

まずCXMを行う上で大切な要素は下記の5つです。

①データドリブンな意思決定
②顧客の満足度向上
③独自な優位性の確立
④ファンの獲得
⑤ブランド価値の向上

CXMによる企業の成功の手順を記載すると下記の通りです。
まずはカスタマーエクスペリエンスに関するデータの収集と分析を中心にCXM体制を整えます。企業は顧客の嗜好や行動を深く理解するためにデータを収集し、データを基に意思決定を行います。

次にデータに基づく顧客体験を創造し、顧客が満足するエクスペリエンスを提供することを最優先事項として、顧客の期待を満たすだけでなく、超えることを目指します。
顧客が競合他社よりも良い体験や唯一無二の顧客体験に触れることで、顧客はよりエンゲージメントを高めることに繋がります。

最終的に顧客は良い経験を友人や家族に共有し、そのブランドを推薦する可能性が高まります。これにより、ブランドの評判が向上し、企業の価値も増加します。


CXM実践の際に気を付けるポイント

最後にCXMの実践のポイントを解説していきます。
CXMの要素を理解することは難しくないとおもいますが、実際にそれを実践運用していくと多くの落とし穴があります。

3つの大きな落とし穴を解説し、適切なCXMを実現しましょう。

【落とし穴①】一貫性維持ができない

一貫性のある顧客体験を提供することは、CXMの成功に不可欠です。
顧客は、企業やブランドとの接触を通じて一貫性のある感情やサービスを期待します。一貫性の欠如は、顧客の不満や混乱を引き起こし、ブランドに対する信頼を損なう可能性があります。
以下は、一貫性の維持に焦点を当てたポイントです。

ブランドメッセージの統一
企業は、異なるチャネルやコミュニケーション手段を通じて一貫したブランドメッセージを伝える必要があります。これにより、顧客はブランドに対する期待を一致させやすくなります。

オムニチャネル対応
顧客は様々なチャネルを通じて企業と対話します。オムニチャネル戦略を採用し、情報とエクスペリエンスを異なるチャネル間で一貫性を持たせることが重要です。顧客がウェブ、モバイルアプリ、店舗、ソーシャルメディアなどを切り替えても、同じ情報と品質を提供できるようにする必要があります。

トレーニングと教育
最後に最も大切で労力のかかる部分ではありますが、カスタマーサービス担当者や従業員に対して一貫性のあるサービス提供方法を教育し、トレーニングすることが不可欠です。顧客との接点を持つすべてのスタッフがブランド価値とエクスペリエンスの一貫性を理解し、実践できるようになるべきです。

【落とし穴②】カスタマーサポートが疎かになってしまう

サービスやプロダクトなどのフロント側の顧客体験は重視するがカスタマーサポートを疎かにして結果的に顧客からの信頼を損なうことはとても多いです。

カスタマーサポートは問題や質問が発生した際に顧客と直接接触する場所であり、その対応が顧客の感情に大きな影響を与えます。フロントと同等に扱うことが大切です。

迅速で効果的な対応
カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせや苦情に対して迅速で効果的な対応を提供する必要があります。適切なトレーニングを受けた担当者や効果的なプロセスを考えぬく必要があります。

フィードバックの活用
カスタマーサポートは、顧客からのフィードバックを収集し、その情報を製品やサービスの改善に活用する重要な役割を果たします。顧客の声(VoC)を受け止め、アクションに移すことで、顧客体験を向上させることができます。

最後に

CXM(カスタマーエクスペリエンスマネジメント)の重要性とポイントについて詳しく説明しました。顧客エクスペリエンスの向上がビジネス成功に不可欠であること、一貫性の維持、カスタマーサポートの重要性、データセキュリティとプライバシーの尊重の重要性を強調しました。

大手企業だけでなくベンチャーなどこれから市場を形成していく企業群もCXMの重要性を理解し。CXMの未来(AIやモノのコモディティ化)についての予測を行い、テクノロジーの進化や顧客の期待の変化に対応する必要がああります。CXMは、顧客との深い関係を築くための鍵であり、ビジネスの持続的な成功に向けた不可欠な要素です。
ぜひCXMを理解し、実践してみてください。

わさび
栗山

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