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◇多摩市・永山付近を歩く:②大橋付近を歩く

前回の投稿は、「多摩市若者会議」さんのワークショップに参加したことをきっかけに、乞田川とその流域のことを考えてみた投稿でした。その投稿がしたくて、京王永山駅を起点に街歩きを開始しています。乞田川の将来目標としては、「人ときれいな水の流れる乞田川」というキーワードでした。
(前回の投稿はこちら)

今回は、この際に歩いた模様をもう少しご紹介します。

■今昔マップで大橋付近をご案内

今昔マップで歩いた範囲を見てみましょう。乞田川が今よりも蛇行して流れており、真ん中に南北に通る道が、鎌倉街道。鎌倉街道に架かる乞田川の橋が、大橋です。南側に「瓜生」「貝取」という地名のついた谷戸があります。

大橋付近を今昔マップで。
昔ののどかな農村風景が今では一変しています。

■乞田川の支流の暗渠を歩く

永山付近の乞田川。遊歩道はありますが、
コンクリートと直線が目立ちます。
昔の地図で、「瓜生」方面に伸びていく乞田川の支流の暗渠。
一直線に伸びる、不思議な公園になっています。
京王線と小田急線と交差します。
高架橋直下の公園は、「大橋公園」という公園です。
2つの路線が平行しています。高架橋の設計は同じなのでしょうか。
左:小田急、右:京王。柱やコンクリートの形状は類似しています。
耐震補強や架線柱のデザインが違うのがそれぞれの鉄道路線オリジナルです。
暗渠に沿って続く道。奥をよく見ると登って下ってを繰り返しています。
この川も、昔は蛇行していたのでしょうかね??
暗渠の上に出現するせせらぎを模したスペース。
照明のデザインも小川をイメージしているのでしょうか。

■鎌倉街道沿いを歩く

少し西に歩いて、鎌倉街道に出てきました。

鎌倉街道に出ました。昔ながらの「鎌倉街道」という表示。
鎌倉街道の一角に、石碑などのある場所が。
「麦花塚」と書かれた石碑と、庚申塔があります。

鎌倉街道沿いにある、麦花(ばっか)塚と呼ばれる石碑。明治時代に貝取地区出身の麦花さんという歌人が自ら彫刻した歌碑だそうです。本業は鍛冶屋さんだそうです。

麦花塚と地蔵堂の説明看板。
こちらは、地蔵堂。「厄除地蔵尊」だそうです。
地蔵堂に飾られた俳句たち。麦花塚らしく、昔の風景が見えるようです。

地蔵堂に奉納された俳句、いくつかご紹介します。昭和56年に奉納されています。ニュータウン開発前の生活ぶりが想像できるような句です。

 鳩くくと 落花にまみれ 餌を拾ふ
 夏柑の 肌のあらきを 選び買ふ
 よびかけて 父母に盆の灯 たてまつる
 味噌豆を 煮る火にかがみ 長話

麦花塚は、数百メートル南にあったものを区画整理に伴い移転したものだそうです。

こちらは貝取山通り。尾根の上にある団地に向かう急坂。
尾根の上と谷底では違う街のようです。それを結ぶ道が貝取山通り。
貝取山緑地に向かう階段の歩道。
なぜか緑地の標示は一部コンクリートに埋まっています。
鎌倉街道に架かる小田急線と京王線の架道橋。やはり両社のデザインは似ています。
柱に三角形のハンチのようなものを設け、桁を乗せる構造です。
2つの違う鉄道路線が同じ形式の橋で並びます。
こちらは、旧鎌倉街道。交通量の少ない通りです。
鎌倉街道沿いに残る、古そうな家。
そして、大橋に差し掛かります。古い街道ですが、やはり風格ある橋です。
大橋を渡ると、多摩ニュータウン通りに遮られますが、
古い街道はまっすぐ続いています。

旧鎌倉街道は、今の鎌倉街道に沿って存在しています。あまり交通量は多くありません。乞田川の「大橋」という貫禄ある名前がその名残といえるでしょう。鎌倉街道のつながる先は、次回ご紹介するとして、これからしばらくは、もう少し大橋付近の乞田川周辺をご紹介します。

■大橋周辺の乞田川を歩く

大橋のすぐ脇には、水管橋があります。

大橋の脇に架かる水管橋。古びた東京都水道局の看板が素敵です。
こちらは、今の鎌倉街道の、新大橋脇の多摩ニュータウン通りとの交差点。
いつも多くの車が行き交う交差点です。
新大橋の真ん中に、バス停が(笑)。
新大橋は、上下線が別の橋で少し離れて別々になる構造になっています。
新大橋を真下から。北行き車線は、右折レーンを増設するためか、
新しい橋が増設されているようです。
オリジナル部分は、1971年の完成ですが・・
増設部分は、2008年の完成です。
川の下の遊歩道。桁下2mは、結構スリリングです。
こちらは、貝取地区に向かって流れる水路。
京王線と小田急線の下に架かる場所。何だかニュータウンっぽくない風景。
お昼ご飯は、京都・北白川の魁力屋さんへ。京都出身には嬉しいです。
なかなか美味しい細麺のラーメンでした。

今回はここまで。次回は鎌倉街道をもう少し北上し、多摩市役所方面を目指します。

■終わりに

多摩市の永山付近にある、鎌倉街道と大橋周辺を歩きました。麦花塚という、昔の歌人の石碑など、興味深い場所を見つけました。ニュータウンと言っても、こうした古いものは移築して保存することがされるのですね。暗渠の乞田川の支流や、大橋周辺の乞田川、同じ設計でディテールが違う小田急線と京王線の高架橋など、なかなか面白い観察ができる場所でした。


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