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誰しも明日、生きているとは限らない【第3話】

 体調を良くするために薬を服用していたものの、体調は悪化してしまい、「本来の体が持っている自然のリズムを薬で無理矢理何とかしようとするのは、根本的な解決にはならない」ということに気づきました。

 その時なぜだか、会社員時代に流行っていたクイックマッサージ(いわゆるリフレクソロジー)を勉強してみたかったことを思い出しました。「病院で処方される薬を飲むくらいだったら、そういった自然療法で体を良くしていきたい」と思ったのです。

 でも当時は専業主婦。スクールに通えば簡単に数十万という費用がかかってしまいます。余程の理由がなければ、自己投資なんてしてはいけないと思い込んでいました。なので、「リフレクソロジーを使ってボディケアを仕事にする」と決め、専業主婦が外へ出て学ぶ理由を作りました(笑)。

 これは、子育て優先で自分を見失っていた私が、「本当にしたいことを自分にやらせてあげよう」と自分に許可を出す小さなきっかけになりました。ものすごく理由付けしていますけどね(笑)。



 学んでから実際に、リフレクソロジーのお店でバイトとして働きましたが、これがまた逆に体調を崩すことに…(苦笑)。体力的にも精神的にも、私には合わなかったのです。やってみないとわからないことでしたので今では良い経験だったと思えますが、当時の私はすごく気合いを入れて学び、働いていたので、「何で他の人はできて、私はできないんだろう…私ってダメだな…」と自己嫌悪に陥り、数カ月で挫折した自分に落ち込みました。


 落ち込みはしたものの、ボディケアの勉強は諦めず、他に癒やしになるようなことを勉強しようと思い、ハーブやアロマの勉強に取り組みました。そういった学びの中でさまざまなご縁をいただき、心と体の繋がりなども勉強するようになりましたが、まだまだ暗中模索の日々でした。



 そんな中、兄が食道がんを患ったことがわかりました。独身だった兄の治療に付き添いたくても通えない。実家の母にも連絡し、母と兄には名古屋に来てもらうことにしました。二人が名古屋に来て一週間後、東日本大震災が起こりました。


 実家は消失し、親戚、知り合い、多くの方が亡くなりました。そして同じ年の秋に兄は他界。

 震災、兄の死を通して辿り着いたのは、「誰だって明日、死んじゃうかもしれないんだ」という、シンプルな事実でした。

 子どもが小さいからとか旦那さんがどうとか、文句を言ったり愚痴を言ったりしてやりたいことをやらないで先延ばしにしていたって、明日生きているとは限らない。やっぱり、自分のしたいことをしなくちゃ。

 そんな想いが、次第に強くなっていきました。


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