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💛諺シリーズ⑲💛 「好きこそ物の上手なれ」


●好きこそ物の上手なれ

類義語:好きは上手の元、道は好むところによって安し

対義語:下手の横好き

英訳(例):Do what you love and love what you do. / If you continue doing what you like, you will be better.

<意味>
好きだと思っていることは自然と熱が入り、努力が習慣化する。
だから上達しやすい。





私事ながら、今年は自作のアクセサリーやファブリックアイテムなどを商品化するという、長年の夢をかなえることができた。

ただし、制作は本業の仕事に響かない範囲での、趣味的・副業的な作業。
販売個数や制作個数などへのノルマは設けず、マイペースに進めている。

だから同じデザインのアイテムを大量生産することはないし、毎月少しずつ一点物を制作し、販売委託先に送るようにしている(一つのアイテムに複数オーダーが入った場合などは別途対応)。

そんな「気ままなハンドメイド生活」を趣味として、仕事として楽しんでいる私だが、じつは中学卒業までは家庭科の裁縫が不得意で、成績もまったく振るわなかった。

ただ、その理由は はっきりしていた。
それは当時まだ、ミシンが上手く扱えなかったのと、衣服の縫製作業においてうっかりミスが多かったから。

けして縫物自体を「嫌い」と思っていたわけではない。

むしろ下手で不器用ながらも、針仕事はマインドフルネス状態で嫌なことなど忘れて集中できるから、好きな部類だった。

しかしながら、(なにごとにおいてもそうかもしれないが)他者から悪い評価を付けられてしまうと、「自分は○○することが苦手な人間」というふうに、自分で自分にネガティブなレッテルを貼ってしまいがち。

さらに、そのネガティブなレッテルが貼付された「自分の殻」に鍵をかけて閉じこもってしまうと、「もう一度だけでも努力してみようか」「挑戦してみようか」という気力が殺がれ、上達の機会を失ってしまう。


そのことに気づいた私は、あえて下手でもいいからいろんなハンドメイドに「親しむ」ことにした。

そう、苦手意識を自分に刷り込む前に、裁縫・ハンドメイドに慣れ親しもうと思ったのだ。


また、高校に入学してから生活環境が一変したことも、私の中の「裁縫=苦手・不得意」という意識を薄くすることに関し、追い風となった。

高校は、実家から遠く離れた学校だったので、小さなアパートで一人暮らしを始めることになり、家事全般、自分でこなす生活が始まったからだ。

炊事・洗濯・掃除、そして細かい「名もなき家事」の数々……

どうせ毎日、なんらかの家事をしないと生活できないなら少しでも楽しめるようになりたいと思ったし、どさくさに紛れて 裁縫・ハンドメイド全般、「趣味家事」として修得したいと考えた。

さらに嬉しいことに、通っていた高校は単位制(一部の科目はレポート提出で単位取得する通信制のシステムも導入)で、制服がない自由な校風。

週4コマずつの「家庭科」は必修だったか、選択授業だったか失念したが、自分の日常家事のレベルを上げるためにも、人一倍、熱心に実習・課題に取り組んだ。

少しでも不得意(不慣れ)なことに慣れ親しみたかったから。

◆◆◆

始めは簡単なスカートの縫製から着手した。

当時、一人住まいの部屋にはミシンがなかったので手縫いだったが、細かい手作業は大好きだった。
そのせいか、本返し縫いで針目を細かく縫うことだけは得意だった。

何日もかけ、手縫いでゆっくりコツコツと縫い進めた。
自分で作り上げたお気に入りのスカートを着用し、登校することを目標に……

結果、その完成したスカートは友人たちから好評で、家庭科の先生にもチェックをお願いしたところ、「縫い目がミシン目みたいに綺麗ね」とのお言葉をいただくことができた。

そしてその瞬間、私の中の何かが音を立てて崩れ、視界が広がるような感覚がした。

ほどなくして、それは、「裁縫は不得意」というネガティブな自己イメージ(自分の殻)の崩壊だったと気づいた。


もちろん、一回周りの人たちに褒められたからといって、それで鼻高々の天狗になったわけではないし、得意意識を持てたわけではない。

しかし、自分で決めたことを根気よくやり遂げられたこと自体に爽快感があったし、「苦手意識に囚われず取り組めば、上達できることもある」ということを学ぶ、良い経験となった。

それがなにより嬉しかったのだ。

以後、他人との比較で手芸の腕前・レベルを競うのではなく、「昨日の自分より今日の自分」との思いで上達を目指し、縫物の練習をするようになった。

これまで作り上げた中で最も達成感があったのは、パッチワークのベッドカバー(キルト作品)。
完成させるのに丸一年かかった。

当時もまだミシンは所持していなかったし、学生だったから、学業の合間を縫い、ファブリック作品もちまちまと手縫いしていたのだ(寒いダジャレ💦💦)。


その後ミシンを入手し、練習するようになってからは、衣服を縫製する時のギャザー寄せや生地端の始末など、大体何でもスピーディーに、ミシンで縫えるようになった。

それでも時々、自家用アイテムなどは手縫いで作ることもある。
音楽を聴きながら くつろぎモードで縫物をする時は、手縫いが落ち着くからだ。

今現在も、自分の作品クオリティに自信を持っているわけではないし、ミスをすることも日常茶飯事。

けれど、「好きこそものの上手なれ」と思って裁縫・手芸に親しむうちに、他人様から買っていただけるぐらいのレベルまで、デザイン・縫製スキルを引き上げることができた。

また、自分の作品を公開することで、自分より上手な作家さんなどからレクチャーを受ける機会も増えた。

なにごとも高みを目指そうと思ったら、褒められる機会だけではなく、改善点や、改善の仕方を教わる機会が必要になってくる。

もの作りへの謙虚さを失わないようにするためにも、そうした他者からのアドバイスを受ける機会を失わないようにしたい。


◆◆◆◆◆

さて、近年はハンドメイド系YouTuber も激増し、懇切丁寧な作り方解説動画を上げるプロの方も大勢いる時代。
独学でミシンソーイングを始める人などにとっては、とてもありがたい時代といえる。

洋裁学校などに通わないと学べないようなハイレベルな技術を、自宅にいながら目と耳で学べるのは、私にとっても感謝の極み。

今後も「好き」という気持ちを見失わず、軽い気持ちで針仕事に親しみながら、日々、上達の階段を一歩ずつ確実に昇っていきたい。





本日の記事は以上です。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました m(__)m





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