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Slack運用で解決した3つの大きな課題と2カ月で行った5つの小さな改善

noteでSlack活用について書いたことをきっかけに、Slackの方が編集部に来てあれこれ現状をヒアリングしてくれました。ありがたや!記事を書いたのが7月でそれから2カ月が経ちます。今回は、さらに改善を重ねている和樂webのSlackの活用方法に加えて、導入したことで解決したこと、そのためにやったことを詳細にお伝えします。これからSlackを導入する(活用する)チームの、お役に立ちますように🙏

和樂webのチームの特徴

・エンジニアがいない
・メンバーのほとんどがSlackを使ったことがない
・ITリテラシーが高くない
・雇用体系や働きかたの異なる人が集まっている
・年齢や仕事の経験値に幅がある
・編集部6人に対しライター70人以上

Slackに参加しているメンバーは100名以上。そのうち70%がフリーランスのライターさんで25%が編集部や社員(雑誌担当や広告など)5%が商品開発に携わる外部企業の方です。

和樂webがSlackで解決した3つの大きな課題

1.情報格差
2.ピラミッド型組織
3.スピードと品質

1.情報格差をなくした
雇用体系やリテラシーの差、チームへの参加タイミングなどによらず、共通認識を持ち、知りたい情報に手が届く状態をつくりました。

2.ピラミッド型組織から有機的組織へ
「編集長→編集部→フリーランスライター」のような一方的なコミュニケーションでなく、場所によって役割が変わる有機的な組織をつくりました。

3.高速で品質向上
企画・原稿・数値・改修...あらゆる情報を共有しコメントしあうことでコンテンツやメディアそのもののクオリティを高速で向上させることができました。

課題解決のために行った5つの小さな改善

1.情報を8割くらいオープンにした
2.チャンネルの役割を細分化した
3.エンジニア0だけどappとbotを導入した
4.Slackの使い方を1on1でレクチャーした
5.最初の面談でSlackを使った組織方針を話すようにした

以下より5つを詳しく解説します。

1.情報を8割くらいオープンにした

和樂webでは、もともとほぼすべての情報をオープンにしていました。情報の格差をなくすことはもちろん、ライターさん同士のコミュニケーションの活性化や、タスクやチェックの抜け漏れ防止など、メリットが多いからです。最近は、コミットしたい人にはどこまでもコミットしてもらえるように、UUや外部配信、SNSの数値などメディア全体にまつわるデータもオープンにしています。また、情報のオープン化を推進するために「ダイレクトメッセージは基本的に使わない」というルールを伝えるようにしています。

情報のオープン化があたりまえになった結果、ノウハウやデータを出し惜しみすることが減り、記事ひとつひとつのクオリティはもちろん、メディア全体の品質向上とスピードアップにつながっています。


2.チャンネルの役割を細分化した

最初の頃は以下のような並びだったチャンネル。


# 雑談 :なんでも話してOKな場所
# web :ライター以外の雑誌編集や広告担当なども入っている場所
# ライター :企画案出しに使う場所
# チェック :原稿確認に使う場所
# 質問 :WordPressの操作やSlackに関する質問の集約

1カ月で以下のように整理しました。


まず主要なものが以下の9つ。基本的にほとんど全員が参加しています。

# 00_ミッション :和樂webの方針を集約
# 00_雑談 :なんでも話してOK
# 01_web :全員への告知
# 02_企画 :企画案だし
# 03_チェック :原稿チェック
# 04_プレス :プレスリリース・内覧会情報の集約
# 05_質問 :WordPressの操作やSlackに関する質問の集約
# 06_茶の間ラボ :商品開発にまつわる情報の集約
# 07_編集会議 :「こんな企画あったらいいな」の集約

そのほかに研究会という名前のチャンネルで、データとナレッジを共有。

# ec研究会 :通販に関するデータ・情報共有
# sns研究会 :SNSに関するデータ・情報共有 
# 外部配信研究会 :スマニューなどに関するデータ・情報共有
# タイトル研究会 :クリックしたくなるタイトルを研究
# 動画研究会 :動画コンテンツに関する情報共有

そして趣味チャンネルいろいろ。

# 着物 # 茶の湯 # 飯 # 漫画 # 猫 # 高校野球 # 江戸時代 # 人生相談 ...

あとはクローズドで以下のようなチャンネルも運用しています。(一部です)

# コンテンツ :編集部全員が入っている。スケジュール管理がメイン
# 経理 :お支払い周りの情報とフローを集約
# 編集長チェック :全ての企画・記事のタイトルを編集長が見る場所
# 広告 :広告案件のお話など
そのほか、外部案件プロジェクトのチャンネルなど。

共通認識やワークフローにまつわる部分のみ参加必須にすることで的確に情報伝達。チャンネルを細分化しそれぞれが知りたい情報、共有したい情報を自分の意思でインプット・アウトプット。チャンネルの整備によって、上から下へと一方的にコミュニケーションする従来のピラミッド型組織ではなく、場所ごとに役割が有機的に変化する組織を「見える化」できたように思います。


3.エンジニア0だけどappとbotを導入した

和樂webのチームにはデザイナーはもちろんエンジニアもいません。そのため初期はSlackにappやbotを入れていなかったのですが、あったら効率が上がるな...と思う場面が増えたため、Slackの管理をしている私(非エンジニア)が、ググって分かる範囲で導入してみました。

導入したappは以下のとおり。

・Google Calendar:編集部のスケジュール共有、チェック対応時間のおしらせ
・IFTTT:Twitterのエゴサーチ
・Twitter:他メディアからの情報収拾
・Incoming Webhook:記事公開のおしらせ、など週1のリスト管理、経理のおしらせなど コードなどググって簡単なやつだけ書いてみた
・SocialDog:Twitterの数値の共有
・Statsbot:Analyticsのデータ(グラフ)の共有


作ったbotは以下のとおり。

■「マニュアルください」「媒体資料ください」など→よく使う資料の置き場所を呼び出す
■「企画案のフォーマットください」「公演情報のフォーマットください」など→原稿や案だしで使う定型文を呼び出す

Slack以外のツールをあまり使わないので、ここまでに書いたような機能だけで、メディアの運用は十分にまわっています。


4.Slackの使い方を1on1でレクチャーした

ライターさんによっては全くSlackを使ったことがない人もいます。
最初の頃は、かんたんなマニュアルを渡すだけだったのですが「全ての投稿にリアクションしなくちゃいけない?」「botはどうやって呼び出すの?」など質問をいただくことも多かったため、未経験者には電話機能で使い方をレクチャーするようにしました。主に伝えるのは、以下のような内容です。

・メールやLINEとの違い
・情報をオープンにする方針(DMは使わない)
・各チャンネルの役割
・botの呼び出しかた
・絵文字のつくりかた、つかいかた など

Slackの使い方をていねいに伝えることが、結果的にメディアとチームの方向性を伝えることになっていて、情報の格差をなくすこと、有機的な組織づくりにも役立っているように思います。

5.最初の面談でSlackを使った組織方針を話すようにした

これも最初の頃はあまりしていなかったのですが、7月以降実施しています。編集部の方針のほとんど全てがSlackに集約されているので、Slackを使ったコミュニケーションや、情報をオープンにするスタンスに共感していただける方であることが、参加の大前提だからです。口頭で話すだけでなく、7月に書いたnoteの記事やSlack日記などを共有することで、雰囲気もお伝えしています。


というわけで。

ふりかえると...この 2カ月でこんなことをやってきました。

1.情報を8割くらいオープンにした
2.チャンネルの役割を細分化した
3.非エンジニアだけどappとbotをなんとか導入した
4.Slackの使い方を1on1でレクチャーした
5.最初の面談でSlackを使った組織方針を話すようにした

この5つの小さな改善によって、

1.情報格差
2.ピラミッド型組織
3.スピードと品質

のような、3つの大きな課題が解決されてきたように感じます。


まだまだ改善しがいのあるチームとWebメディアですが、Slackを使ってちょっとずつ前進しています。Webメディアとチームづくりの裏側を、今後もnoteで発信していきます。(更新頻度、あげられるようがんばります...!)では、また!

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