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だまされたと思って高級食パンを食べてみた

- 明日がある保証なんてどこにもないから、私は今日をめいいっぱい味わう -


父親が会社から帰ってきた。


なにやらキッチンで忙しそうにごそごそしている。


「何してんの?」


よく見ると食パンを切っていた。


これ、と言って手渡されたのは高級食パン専門店「銀座 に志かわ」のパンフレットだった。


いわゆる「高級食パン」を初めて目にした私、


「え!なんで買ったの?」

「高級食パンって書いてあるけどいくらだったの?」

「てか銀座行ったの?」


私の質問攻めにあう父、

めんどくさそうに1つ1つ答えてくれた。


いつも並んでいるお店が、今日は珍しく並んでいなかったから寄ったらしい。


「高級食パン」


最近ブームになっていることは知っていた。

「乃が美」、「に志かわ」、「俺のBakery&Cafe」、「考えた人すごいわ」など


でも小さい頃からずっとPascoの超熟を食べていた私は、これらの高級食パンブームに全く興味がなかった。

に志かわの食パンは2斤で800円

かたやPascoの超熟は1斤だいたい150円とか

別にこれで十分おいしかった。


でも高級食パンを食べた友達の反応はかなりよかった。

「感動するよ!もう何もつけずにちぎりながら食べるのがおいしいんだよ〜」

なんて言われて

「ふ〜ん」

と興味なさそうに答えながら、頭の片隅で少しだけ気になり続けていた。


そんな私の目の前に今あるのは、


なんか後光がさしてる高級食パン!

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夜ごはん前だけど、

多分今食べるのが一番おいしいだろう、ということで父とはんぶんこしてキッチンに並んで食べる。


もふっ (食感)


ふわ〜 (風味)


衝撃を受けた

期待を超えてきた

負けた、、


まず普段食べている食パンと比べてパンの湿度(?)が違った。

普通の食パンが湿度50%くらいだとしたら、この高級食パンは80%くらいあった。

もっちりしていて、しっとりしていて飲み物がいらない感じ

たぶん噛まなくても飲み込める。

(危険です)


それにミルク感が半端なかった。

ミルクの濃厚な甘い風味が口の中に広がった。

生地に生クリームとバターを配合しているらしい。

なるほど、、、


きわめつけは耳だった。

パンの耳の好き嫌いは分かれると思うが、私は好きな方だ。

そのままでも香ばしいし、焼いたらもっと香ばしくなってこんがりする。

しかしこの高級食パンの耳は私の知っている耳じゃなかった。

このパンの耳は、耳じゃないところ(なんて言うんだろう)の延長線上にあった。

とにかくやわらかくて薄いのだ。

パンの耳というよりパンの皮といった方がうまく伝わりそう。


今まで興味なかった高級食パンだったが、一度食べてみてよかったと心から思った。


これに出会わなくてもきっと幸せに生きていけたんだろうけど

てか世の中の食べ物って大体は出会わなくても幸せに生きていけるんだろうけど、

私はこの食パンに出会えたことで、今日という1日を記憶に残る特別な日にすることができたと思う。


明日がある保証なんてどこにもない

これは紛争中の地域とかに対してよく言われる言葉だが

戦争がなくて平和な今の日本にも言えることだ。


現に、今日の朝も地震があった。

これが大地震の予兆だったとしたら、私は明日を生きられるのだろうか。

今日が人生最後になったとしても私は後悔しないだろうか。

これは私の生きていく上での軸になっている考え方だ。

だから
私は今日をめいいっぱい生きようとする。

毎日笑顔でいることを心がける。

嫌なことがあっても、まいっかとつぶやいて、頭の中でポイ捨てして終わらせる。

貯金もあんまりしない。

(好ましくはない。)

自分を好きでいる。

今日に思い出を作る。

今日好きなものを食べる。

そうすることで
私は今日という日をめいいっぱい味わおうとする。


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