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「日本の歴史」/the appreciation of the drama

私の大好きな三谷幸喜先品のひとつに
「日本の歴史」というミュージカル調の舞台がある
(※ネタバレ含みます)

私が観たものは2018年に公演されたもの

〜あらすじ〜

日本の歴史という題材に対し、
19世紀のテキサスに移住したアメリカ人家族の物語りからはじまる。その背景で、卑弥呼の時代から太平洋戦争までの1700年に亘る歴史の2つの物語が、並行して進んでいくミュージカル調の作品

テキサスの物語は一般的な戯曲。
そして、日本の歴史は先生が登場し、説明を交えながら進んでいく。
歴史部分はもちろん有名な人物も出てくるが、教科書にも載らないマイナーな人物もでてくる。


最初は、関連のない2つの物語かと思うはじまりだが、三谷幸喜はこの作品を語る上でこう話している。

「家族の歴史は日本の歴史をなぞっている」

規模や時代背景、国が違えど
同じことが至る所で繰り返されているという事なのではないか

私自身、どの時代でも価値観は近いものがあるのではないかと感じるきっかけにもなった作品。

あなたが悩んでいることは
いつかだれかが悩んでいた悩み

劇中歌より

ここからは私の解釈

劇中歌で繰り返し歌われる
「アイ・エヌ・ジー・エー、INGA」
すべての事柄には因果(原因)があり結果に繋がる。


・藤原仲麻呂が権力者の位置についた(結果)のは、叔父が全員死んだから(原因)

・テキサスに来た一家の母が強くなった(結果)のは、父が死んだから(源因)

・藤原仲麻呂が処刑された(結果)のは、孝謙天皇が道教を寵愛したから(原因)

・テキサスの一家が堕落した(結果)のは、山火事があったから(原因)


言葉や文字に起こしてしまうと淡白で、
こうしておけば良かったのではないかという打開策まで話せてしまう。

だが実際はどうだろうか
歴史における結果や因果(原因)にも、解釈や考察をしていく上で、理由というものがでてくる。

個人の人間間で生まれる感情のもつれや因縁
という人間によるものから


流行病と呼ばれるものや地震に火災
と言う自然災害や目に見えないウイルスによるもの

どちらも正直予測のつかない事ばかりではないだろうか

人がぶつかる壁(結果)
悩みの種となるもの(因果)

は似たような事柄や、近い価値観になる

「あなたが悩んでいることはいつかだれかが悩んでいた悩み〜♪」に繋がる

がしかし、理由はそうはいかない

人がいたら、いただけ生まれ
自然やウイルスによるものは予測が不可能

実生活においてのまさかな事が因果の理由だと私は思う。

ここでもうひとつの劇中歌

なんとかなると思ってりゃ 
なんとかなるもんだ

なんとかならないことでも 
なんとかなるさ

なんとなく〜


なるようになるとはこの事だ。

どんなトラブルに巻き込まれても
解決策もあれば、流れに身を任せたりとなんとかなる事もある

どれだけ予防や、打開策なる逃げ道を作っておいても塞がれる時は塞がれたりする


そうとなったら、

失敗を恐れての

やらない後悔より

やって失敗

でもまた起き上がればいい

成功できたら有難い

そう思わせてくれるきっかけをくれた作品。

2つの物語もラストの太平洋戦争でしっかり伏線回収される。このラストもまた考えさせられるラストになっている。

踊ったり、聴いたりも好きだが観るのもだいぶ好きみたいだ。


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