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LayerXのセールスはプロダクトの一部

初めまして。LayerXでSaaS事業部フィールドセールスのマネージャーをしています「ちゃど」と申します。

実は世の中でフィールドセールスの記事を目にすることが少ないことを言い訳に、今まであまり情報発信ができていませんでした。そのため採用面接で候補者の方から「「セールスチームって何やっているんですか?」とよく質問いただいてしまっておりました。とても反省しています。

今回はLayerXのセールスはどんなことをやっているか・どんな工夫をしているかをご紹介出来ればと思います。

最初はロボットのように真面目な内容が続きますが、途中から人間っぽいモードに変わっていきますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

【今回の記事の内容】
セールスプロセス
 - セールスの原理原則と商談で大切にする要素分解
 - 受注・失注分析
プロダクトサイクルへのフィードバック
 - 機能が足りていないYOという場合
セールスチームの雰囲気
当たり前のことをコツコツと
セールスの面白さと未来の仲間へ

セールスプロセス

まず、お客様は切実な課題を感じており、お金を払ってでもそれらの課題を解決したいと切望している事が重要です。その中で、セールスの役割は、お客様の切実な課題を言語化し、整理し、優先付けをして、最終的に課題を解決できるイメージを持ってもらえるお手伝いをすることだと考えています。

そしてLayerXではお客様に納得して導入いただき、使い続けていただくために、商談を複数回実施しています。今回はその中で初回商談と商談後のプロセスに焦点を当ててお話します。


セールスの原理原則とそこから派生する要素分解


まず、商談の中で、意識している要素をご紹介します。

これらは「お客様の立場で考える」という原理原則に沿って、適宜修正され、追加・削除されたりしています。

具体的には、

商談冒頭でお客様との期待値を擦り合わせておくこと
お客様のas isを正しく理解すること
お客様の真の課題を正しく理解できること
お客様のto beを想起でき、解決策となる機能の説明を行うこと
時間軸から逆算してお客様の導入最適時期を並走して検討すること
お客様の社内意思決定プロセスに寄り添うこと
お客様の機能に関しての質問に、利用シーンで回答すること
お客様の中に比較基準を作ってあげること
お客様の導入の確度・本気度を細かく確認すること

などがあげられます。


例えば、上記の要素の中ので「お客様の真の課題を正しく理解できること」というチェックポイントを考えてみます。これには2つのポイントがあります。①お客様が本音で課題を言ってくれるか。②お客様がいう課題は本当に課題なのか。

①お客様が本音で課題を言ってくれるか。
お客様は課題をヒアリングされた際に、本音で課題を話していない可能性があります。具体的には、お客様がヒアリング時までにセールスに対しての不信感を拭えず本音を話さないパターンや、お客様が課題を整理しきれていないパターン(情報収集の商談に多いですね)などが挙げられます。この場合は、お客様に応じて柔軟に対応する事で本音を引き出す必要があります。

②お客様がいう課題は本当に課題なのか。
また、お客様が課題と認識していることが実は真の課題ではない可能性もあります。例えば、「経費精算が辛い」という課題を聞いた時にそれを鵜呑みにすると経費精算サービスを使いましょうという提案になってしまいます。
一方で、「経費精算が辛い」 = 「経費精算とワークフローでシステムが分断されるのが辛い」 = 「経費精算とワークフロー別々のシステムを使う際にマスターメンテナンスが辛い」 = 「それぞれの社内システムでマスターがサイロ化しているのが辛い」というところまで課題把握ができれば、焦点を当てる提案は経費精算ではなく、マスターメンテナンスを楽にするソリューションになります。

お客様に誠実に寄り添うために、お客様の言葉を鵜呑みにするだけではなく、言葉の背景やお客様の状況などを1つ1つ丁寧に紐解いていくセールスを実施しております。


一方で、サービスの詳細説明や機能説明は限りなくゼロにするように心がけています。というのも、お客様から見て機能そのものは全く興味がないためです。お客様はあくまでバクラクというプロダクトを導入することが、自分達にとって有益になるか否かに興味があります。

「お客様の立場で考える」という原理原則を起点に、判断基準を柔軟に作り変えながらやる・やらないを作り変えています。


失注・失注分析

学習効率を高めようというカルチャーが細部にまで染み渡っているのもLayerXの特徴です。

現状のセールス組織では、週に1度商談のプロセスを細かく振り返る会を実施しています。振り返り会のゴールは各商談からの学びを再現性を持てる形で各セールスメンバーが習得できることです。

具体的には、受注時に以下のような情報をヒアリングし、セールス各メンバーに共有。気になるところがあれば、各メンバーが担当者に出来る限り詳細に状況を確認します。例えば、受注の際にお客様の意思決定が初回商談の終了時のタイミングでほぼ行われていた事が分かったとします。もし担当セールスが想定していたお客様の意思決定タイミングの仮説より前だった場合、次のようなことを受注分析の中で明確にします。

お客様のセグメントや背景何か
すでに社内で予算が取れていたのか
契約合意が初回商談の際に行われなかったのはなぜか
意思決定の最大のポイントは何か
など

上記をそれぞれの商談担当者が答えられる状態になり、チームメンバーに共有することで、今後同じようなお客様との商談が発生した場合に、今まで以上に建設的にお客様へ価値を届け、よりスムーズに使ってもらえるようにすることができます。

これらの中で、汎用的に使えるTIPSやパターンはあるか、抽象度を上げながら議論をして組織内にストックさせていきます。再現性の高い商談は、動画をチーム内に展開します。オンライン商談だからこそ細かなニュアンスや表情などもチームに展開できるのは本当に助かります。テクノロジーの進化に感謝。

実は、このストックオペレーションはまだまだ個人に依存している状態です。今いるメンバー、これから入ってくるメンバーにより建設的にお客様と向き合ってもらえるように急務で仕組みを作っています。これから数ヶ月かけて網羅性やパターンの細分化、インデックス化や可読性の向上などを実施し、オンボーディングやイネーブルメントコンテンツへの展開、セールスの組織を向上させていく予定です。手探りで一歩一歩進めている状態なので、もし協力してくれる方がいたらぜひお気軽にお声がけください。これからの1,2年は特に面白い領域になると思います。

プロダクトサイクルへのフィードバック

またプロダクトチームとセールスチームの距離感が近いのも特徴の1つです。

概念図として

   お客様   セールス      プロダクトチーム
課題 話す → 聞く・共有   → 理解・優先順位決め
   聞く ← 話す・仕様把握 ← 開発・仕様共有
     ↓
   検討
     ↓
   導入

セールスは、最前線でお客様と向き合うことになるので、プロダクトチームへ正確なフィードバックを出来る限り大量に・速く行うことも非常に重要です。これを日々各メンバーが意識しており、結果プロダクトの高速開発へ繋がっていると信じています。

LayerXの場合、セールスはプロダクトチームとの距離感が本当に近くて、チャットで気軽に話が出来ますし、出社タイミングが合えばランチもよく行っています。プロダクトチームは物作りが好きなだけでなく、ビジネスが好き、お客様と向き合うのが好きなメンバーが集っているというのも恵まれた要因かもしれません。

プロダクトチームから仕様共有・セールスチームの仕様把握も積極的に行われています。新しく開発された機能に関しては、エンジニアからデモを用いた直接の説明があり、セールスチームは機能を作った背景や開発チームの想いを理解することが可能です。開発の背景をより深く知ることで、お客様の課題にその機能がマッチした時により情熱を持って説明が可能となります。


LayerXのセールスチーム雰囲気

ここまで読んでくださった皆様は、セールスチームが論理的でロボット的な雰囲気と思われてしまったかもしれないですね。各メンバーの名誉のために声を大にしてそんなことは全くないと言わせてください。

最近セールスチームでプチ合宿を行って、各メンバーの大切にしている価値観を共有する会を実施しました。その際のホワイトボードの内容をこっそり共有します。

我々フィールドセールスで大切にしたいと価値観は、「チームワーク」、「オープンコミュニケーション」、「思いやり」、「誠実・徳」などほっこりした柔らかいワードが多いです。チーム内でこれらを大切にしているからこそ、メンバーの心理的安全性が担保され、よりコトに・お客様に向き合える環境が作れていると考えます。

このあたりはいくら私が力説するより、実際に各メンバーのnoteを見ていただいたり、カジュアル面談などでお話をいただくとより納得感を持って頂けると思います。


当たり前のことを当たり前にやり続ける大切さ

特に目新しいことをやっているわけではないため、LayerXのセールスはふつうじゃん!!感じた方も多いかもしれないです。

実際飛躍したことは何もなく、各社から学んだこと・書籍や論文から学んだことを、バクラクというプロダクトに最も適した内容に適応させ、日々高速で改善をしています。改善の中には商談プロセスもあれば、プロダクトや他部門へのフィードバックもあります。「お客様の立場で考える」という原理を起点に、1つ1つの施策を愚直に検討し、日々の1%の改善を積み重ねられる、出来る限り素早く実施するのがLayerXセールスチームの特徴です

セールスの面白さと未来の仲間へ

バクラクはリリースから1年で3つのプロダクトをリリースし、今後もまだまだプロダクトラインナップは増えていきます。お客様のセグメントもどんどん広がっています。

また開発チームの機能追加が驚くほど早いので、日々のインプットはものすごい量です。インプットするのが大変で日々ひいひい感じているのは内緒なのですが、そんな変化の激しい領域で挑戦をしてみたい人には心から楽しい環境を提供できると信じています。

単一のプロダクトではなくマルチプロダクトを売ってみたい人、お客様に徹底的に向き合う環境が好きな人、プロダクトやエンジニアとの距離が近い環境が好きな人、猛烈なインプットが好きな人、細かな改善が好きな人、今日の話に共感を持ってもらえた人は、ぜひ以下のMeetyでお気軽に話を聞きに来ていただければと思います。そしてLayerXに興味を持ってもらえたら、ぜひ一緒に働きましょう。最後までお付き合いいただきありがとうございました。





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