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C11 旅は人を育てる…かも

農場の事務所に到着すると、すでに10人ほどの農夫が集まっていました。腹を決めて先に「グッドモーニング」と明るく挨拶しました。すると農夫の人たちもちゃんと答えてくれました。よし、まずはつかみはOKかも?と少し安心しました。しばらくするとボスが事務所からスケジュールが書いてあるらしい紙を脇に挟んで出てきました。皆はボスを中心になんとなく半円状に囲みました。まずはボスが挨拶をして、今日の作業予定をそれぞれの人に伝えていきます。一通り話が済むと、ボスが私に目で合図をして、ちょっと前に出るようにというジェスチャーをしました。ボスが私を紹介してくれました。私のほうを向いて自己紹介をするように言われ、「日本から来ました。夏休みの数ヶ月間ここで働きます。私のことはIKUOと呼んでください」と言いました。ヨーロッパを放浪してきて、それなりに度胸がついているので、とりあえずさらりと自分の紹介はできたかなと思いました。皆、口々に「よろしくな」などと挨拶して、各自本日の担当作業に取り掛かりました。皆真面目そうで、田舎の人間はやはり安心して付き合えるなぁと思いました。あとで大変なことになるのですが、その話はもう少し後に回して、独りぼっちになった私にボスはまた「ついて来い」と言って、ミニの運転席に座りました。私も助手席に座ると、農場の中をしばらく走りました。この農場の広さはいったいどのくらいあるのだろうと思うくらい感心してしまいます。大きなサクランボの木の林を越え、見事なリンゴの老木たちの丘を抜け、何かしらベリー系の木が連なる美しい栽培地を過ぎて、やっと車は目的地に着きました。

ボスが指示したのは、リンゴの収穫エリアでした。大きなカゴが並べられ、収穫の準備が整っていました。ボスは「今日の作業はここだ。収穫したリンゴをこのカゴに入れていく。品質を見分けるコツは後で教える」と言いました。そして、作業用の手袋とエプロンを渡してくれました。私は早速作業に取り掛かり、指示通りにリンゴを収穫していきました。最初は手探り状態でしたが、徐々にコツを掴み、リズム良く作業が進みました。周りの農夫たちも親切で、わからないことがあればすぐに教えてくれました。昼食の時間になると、皆で一緒に休憩を取りました。サンドイッチを取り出し、手作りの簡単なお弁当を食べながら、農夫たちと話しました。彼らは地元の話や農場での出来事を面白おかしく話してくれました。緊張が少しずつほぐれ、彼らとの距離が縮まっていくのを感じました。

午後の作業も順調に進み、夕方には予定の収穫量を達成しました。ボスも「よくやった」と褒めてくれました。帰り道、農夫たちと一緒に歩きながら、一日の疲れを感じつつも、充実感に満たされていました。これからの農場生活が楽しみになってきました。


イギリス人のティータイムへのこだわりについて

イギリス人がティータイムにこだわる理由は、その歴史と文化に深く根ざしています。ティータイムは17世紀に始まり、アンナ・マリア・スタンホープという貴族の女性が夕食までの空腹を紛らわすために始めたのがきっかけです。この習慣が次第に広まり、社交の場としても定着していきました。ティータイムは単なる飲食の時間ではなく、リラックスして交流を深める大切な時間として認識されています。

さらに、ティータイムはイギリス人の日常生活において重要な役割を果たしています。忙しい仕事の合間に一息つくことで、リフレッシュし、再び活力を取り戻すことができるのです。また、ティータイムには紅茶だけでなく、スコーンやサンドイッチ、ケーキなどの軽食も含まれ、食事としての役割も果たしています。これにより、心地よい満足感を得ることができるのです。

イギリス人のティータイムへのこだわりは、彼らのライフスタイルや価値観を反映しています。リラックスしながら大切な人々と過ごす時間を重視し、質の高い生活を追求する姿勢が見て取れます。このような背景から、ティータイムはイギリス文化の象徴として愛され続けているのです。

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