見出し画像

世界で活躍するボストン・コンサルティング・グループが開発した戦略フレームワークを有名アイドルに例えてみる。PPMについて

ホファー&シェンデルによれば、戦略の構成要素は4つあるとされています。
1.ドメイン
2.資源展開
3.競争優位性
4.シナジー

今回は戦略の構成要素の2つ目である資源展開について記載します。

総論とドメインについては以前の記事(下記URL)に記載してあるので、そちらを参照して下さい。


経営資源とは一般的に、人、物、金、情報を指します。その資源展開とは、組織トップの経営目的を達成するための領域での資源配分のパターンのことを言います。

この資源配分のパターンを考えるときに、PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)のフレームワークを使って説明します。

PPM(product portfolio management)とは、ボストン・コンサルティング・グループが開発した戦略策定支援ツールです。企業が多角化により複数の事業展開をする際に、その効果を分析し各事業への資源配分を決定する時に利用されるフレームワークです。

PPMでは、市場成長率を縦軸に、相対的市場占有率を横軸にとったチャートでバランスを視覚的に捉えます(下図参照)。

スクリーンショット 2020-04-17 0.53.39

各カテゴリーの内容は以下の通りです。

問題児(PROBLEM CHILD)

問題児は、キャッシュインが少ないため、キャッシュフロー(現預金の増減)がマイナスになります。
市場成長率が高い問題児には投資し、競争相手から占有率(シェア)を奪うことで花形に移行させます。複数の事業の全ての問題児が花形に育つわけではないため、資源配分の意思決定が重要になります。育たなかった問題児は負け犬へと移行してしまいます。
地元のローカルアイドルや有名アイドルから新しく発生する姉妹グループへの投資がまさにこの問題児だと言えます!

花形(STAR)

花形はキャッシュインとキャッシュアウトが両方とも多いため、キャッシュフローの源泉にはなりません。
花形は問題児同様に市場が成長しているため、競争相手に負けないために継続した投資が必要となりキャッシュアウトも多くなります。
問題児との違いは相対的市場占有率が高いことです。
成熟期になり市場成長率が低くなった場合に金のなる木に移行します。それまで花形に投資を継続し、相対的市場占有率を高く保つ努力が必要です。
某48系の有名アイドルへの投資がまさにこの花形だと言えます!

金のなる木(CASH COW)

金のなる木はキャッシュインが多くキャッシュアウトが少ないためキャッシュフローの源泉になります。
市場の成長率が鈍化してもなお、相対的市場占有率が高い状態であり、市場規模もそれなりにある状態と言えます。
ここで獲得した資金を、問題児や研究開発に投資し次の事業を育てます。
PPMで例えるとAKBや乃木坂が金のなる木ではないでしょうか?

負け犬(DOG)

負け犬はキャッシュインとキャッシュアウトが両方とも少ない事業です。
撤退、売却、縮小を実施し既に投資した経営資源を回収して、他の事業で有効活用する必要があります。但し、世の中で成功した事業には元々は負け犬だったものが多く存在するため、撤退の意思決定が正しかったかどうかは判断が難しいとも言えます。

PPMの問題点

PPMの考え方は完璧ではないため、以下の問題点に留意が必要です。
①PPMでは財務の観点(キャッシュフロー)のみからしか考えていないことが問題点として挙げられます。
②負け犬でも、他の事業とのシナジーがある可能性もあります。
③負け犬に配置された事業はモラール(士気)が低下する可能性があります。
④投資が行われないため、衰退が早まってしまう恐れがあります。

理想のPPMの流れ

当たり前ですが「金のなる木」を複数持っておくが理想です。その上で、将来のキャッシュフローの源泉になりえる「花形」と、将来「花形」にすべき「問題児」がバランスよく配置されていることが理想です。
48系アイドルグループは、まさにこのバランスが上手く取れているのではないでしょうか。



記事にいただいたサポートは、世界から貧困をなくすための活動に使わせて頂きます。