読書感想12冊目:おいしいベランダ。吾潟家のアラカルト/竹岡葉月著(富士見L文庫)
注:感想を書き連ねる間に重要なネタバレをしている可能性があります。ネタバレNGな方は読み進めることをおすすめしません。苦情については一切受け付けません。また、感想については個人的なものになります。ご理解ご了承の上、読んでいただくことをお願いいたします。
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再忠告です。この本はシリーズの番外編となるため、シリーズを読了しているものとしてネタバレもふんだんに盛り込んでおります。
個人的にはこの感想で「読んでみたいな」と思っていただければ重畳!と意気込んではおりますが、ネタバレが地雷な方は要注意です。
「おいしいベランダ。」シリーズの1冊。
本編は全部で10巻。
午前1時のお隣ごはん、2人の相性とトマトシチュー
3月の桜を待つテーブル、午後4時の留守番フルーツティー
マンション5階のお引越しディナー、スミレと6粒のチョコレート
返事は7日後のランチで聞かせて、8番線ホームのベンチとサイダー
あの家に行くまでの9か月、午前10時はあなたとブランチ
と、計10巻、すべてごはんにまつわるお話です。
本編では、大学に進学したまもりちゃんが親戚のおうち(家主は海外でお仕事中)で一人暮らしを開始。
お隣さんはイケメンで目の保養。楽しい時間の始まり……!
と意気揚々だったけれど、そうそううまくいくはずもなく。
そんなまもりちゃん、大学1年生からはじまる物語です。
完結までに4年の歳月が過ぎ、大学も卒業して就職、そしてそして、お隣の目の保養ことイケメンの吾潟葉二さんとは知り合った末に恋人同士となり、結婚とあいなっているわけです。
ざっと10巻分のお話をまとめるとこんな感じですが、お話の中ではまもりちゃんと葉二さんの食生活や大学生活、まわりのひとのあれやこれやが描かれています。
基本的に食材や料理のお話が多くて、傾向的に食べ物がたくさん出てくるお話に手を伸ばしがちな私にはとってもツボでした。
今回の読書記録はいちばん直近で読了した本の感想ということで、11巻……ではなく番外編というカテゴリに入ります。
なんせね……本編読了したの結構前で、いざ読書感想文としてしたためようとすると全10巻読み直して記事に……なんてしていると時間がかかってしまうので、ひとまず読んだものから。
今回の読了をもってあらためてシリーズを通して読み直したいなと思ったので、順番は前後しますがまた紹介もかねて記録ができあがるかもしれません。
……しれないかもしれません。積ん読が多すぎで……
さて。内容に入ります。
全部で書下ろしが4編、ショートが13編収録されているとのこと。このショート、既刊発行時のペーパーについていたSS小説とのことなので、時を経てとってもお得、というかありがたいものになっております。
合間合間に絶妙に挟まれているのでフルコース料理の合間に出てくる箸休めのようにとってもとってもおいしく読めちゃいます!
本編を読み終えて1年は経っているのですが、この一文に「あ、ほんとだ久しぶり!」って思わず手を上げたくなりました。
竹岡先生の文章の歯切れのよさが読んでる感覚としてすごく好きなので、そうそうこれこれ、と心がおどります。
1編目は新婚旅行の思い出話。シンガポールでの出来事を思い出しながら、基本的には食べたご飯のお話。
そうそう、このカップル、基本的にご飯と料理の話ばっかりだよねぇ。と思わずにまにましてしまいます。いろんな体験はダッシュで駆け抜ける。
ご飯の話で完結するのってほんとうにすごいですよね。
出てくるのは大きく2品です。そのうち1品はチキンライス。
別枠として月餅、美味しそう。いろんな月餅を食べ比べたくなりました。
2編目は年越しのお話。葉二さんの実家にて過ごす時間。
台湾では年越しそばじゃなくて水餃子を作って囲むのだそうで。作る様子や食べる様子がほっこり楽しく美味しそうで、餃子の皮のためには中力粉、覚えました(薄力粉と強力粉のブレンドでもいけるらしいですが難しそう)
このお話ではご飯と同時に、小さな小さな恋心のやりとりも。亜潟家の遺伝子おそるまじ。そしてスマートにこなすあたりさすが葉二さん。
3編目はまもりちゃんの親友、湊ちゃんのお話。
まもりちゃんが卒業から就職と同時に結婚、みたいな流れに対し、湊ちゃんは就職後に彼氏さんとの同棲生活を続けています。
そんな中でアパートの立ち退き話が降ってわいてでて、ライフステージの移り変わりの節目って、揺らぎますよねぇ。
いろいろと悩みながらもぐるっとまわって落ち着くところは本編での湊ちゃんと周くん(湊ちゃんの彼)の変わらずなところかなと。
ここで登場するのは沖縄ならではの素麺チャンプルー。中の具はちょっとだけ面白みがあって、「た、食べたい」となったのでした。
4編目はまもりちゃんの弟、ユウキくんと葉二さんの一杯のシーン。
義兄大好きユウキくん、家飲みができない葉二さんをお誘いして、がきっかけですがそんじょそこらの家飲みで済まないのが葉二さん。
スーパーで魚を調達して煮付けを作り、浅漬けも作ってしまう。スパダリ降臨!!!!
一緒にいただきたいものです……美味しそうすぎる。
今回の教訓は、酒のあてに使う素材はそのお酒の生産地とそろえた方が良い。ですね。大根と蕪の違いは細胞膜の厚さ、も加えたいところです。
最後の最後に爆弾投下で去る義兄、葉二さん。実はとっても嬉しい出来事が待っていたりするのです。
ユウキくんはちょっぴりしょっぱい状況ですが、嬉しいこともあるところですが。
二人にとっての幸せがまだまだある、そんな締めくくりでした。
ショートショートは割愛。後日談がてんこもりで書き下ろしも各巻後のあれこれそれも楽しいばかりです。
12巻となる次巻も番外編であり、第二弾。楽しみに読みたいと思っているところです。
公式紹介ページはこちら
お読みいただきありがとうございました!
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