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【古民家暮らし】 暮らしを創る

これまでこの場所では実際の暮らしについてあまり書いたことがなかったが、実は我が家は、ちょっとユニークな暮らしをしている。

今日は毎年恒例の味噌作りの日だった。家族分と親戚分、合わせて約30キロを作る。もちろん自分達だけでは無理なので、義理の両親も駆けつけて、大勢で作った。

これをやるようになって、もう6年目になる。去年からは麹も少しだけ自分で作ってみた。柔らかく煮えた大豆を手漕ぎの機械でミンチにし、麹と塩を合わせる。そしてどデカいオニギリのように丸めたそれを、樽の中に思い切りぶん投げて詰め込む。大豆の甘い香りと、麹の芳しさに包まれながらワイワイやるその作業は、肩も腰も痛くなる重労働だけど、なんとも言えない充足感を得られる時間だ。

* * *

一昨年、念願のマイホームを購入した。明治元年、築150年の茅葺き屋根の古民家だ。元値は650万で売りに出されていたのを、350万円まで値切った。当然すぐに住めるハズもなく、壁も床もすべて取り外してリフォームしている。…とは言っても、外注ではなく、自分達で。もっと正確に言えば、夫がほぼ一人で改修作業をしている。

この画像は、2019年2月現在の、家の様子。
どどーん。

家の中…というより、外??
あるのは茅葺きの屋根と、外壁と、柱のみ。10年間空き家だったらしく、近所の子ども達からは薄気味悪がられていたようだ。「おまえんち、おっばけやーしきー!」って言われたらどうしよ。

「まさかあの子が、大人になってこんな暮らしをするようになるとは夢にも思わなかった。」と、義母は言う。それもそのはずだ。夫は建築の知識があるわけでもなければ、大工の経験があるわけでもない。それどころか、結婚するまで日曜大工もしたこともない上に、ものすごく不器用な人だ。この家を購入した当初、親や親戚からは「無理だ」「大変だ」と散々言われた。それでも私たちはこの家を購入し、自分達で改修することを選んだ。(私もやる気マンマンだったのに、購入した直後に2人目の子の妊娠がわかったため今のところほとんど参加できてないのだけれど。)

「田舎で暮らすべきだ」とか「自然な暮らしが正解だ」等と言うつもりは毛頭ない。現に私はコンビニ弁当をよく買うし、市販のお菓子が大好きだ。何より私自身が都会出身で、都会的な暮らしの良さもたくさん知っている。私達はただ単純に、この自分達で創る暮らしが楽しいのだ。

義理の両親も私の親も、毎年作る味噌を「すごくおいしい」と言って楽しみにしてくれている。あれだけ反対していた古民家の改修も、今では出来上がりを楽しみにしてくれているようだ。

未来は限りなく明るい。ただ手元にあるワクワクを頼りにして、歩いていくのみだ。

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