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梅雨入りに、北八ヶ岳で白鹿の幻と苔に惑う。

 梅雨到来。せっかくなので雨でこそ輝く苔むす森、北八ヶ岳の白駒池へ。きらめく水滴と湿度感を映したくて、癖あれど唯一無二の描写力をもつfoveonセンサーのカメラが相棒です。おかげでいい苔写真がたくさん撮れたので、おすそわけ。目に優しい深緑の世界でデジタルリフレッシュしてください。

道中、白い鹿の幻を見る

 早朝、白駒池へ向かう途中、少し寄り道をして御射鹿池みしゃかいけへ。東山魁夷の「緑響く」のモチーフと呼ばれる溜池ためいけです。
 近づいていくと手前の林ごしに、ちらりと白い姿が。思わず白鹿が現れたのか、と目を凝らしました。

白い肌の幹に目を奪われます
(SIGMA dp3 quattro)
水面が鏡のようにほとりの緑を映しこみます。美しい。三脚をたてて長秒露光するカメラマンたちもちらほら。(SIGMA dp3 quattro)
恐れ多くも、東山魁夷「緑響く」に寄せて
(SIGMA dp3 quattro)

 15分ほどの滞在でしたが、じゅうぶんな満足感。今度はNDフィルターと三脚を持って、腰を据えて撮りに来たいと思います。

登山口から1歩、広がる苔の世界

 御射鹿池をあとに、メルヘン街道をぐんぐん上り、標高2100mにある白駒池駐車場へ。身支度を整え、登山口から一歩踏み込むと、突然空気が変わります。

苔むす森が迎えてくれます。
(SIGMA dp1quattro)
(SIGMA dp3quattro)
白駒池を周回する木道を歩いていると、そこかしらに美しい苔が群生していて目を奪われます。
(SIGMA dp1quattro)
(SIGMA dp3quattro)

 愛用するSIGMAのdp Quattroシリーズのカメラにはfoveonセンサーという世界でSIGMAだけが採用している特殊なセンサーを搭載しています。このカメラで撮ると、湿度たっぷりの空気感や、木や苔の手触りまで伝わる気がします。

(SIGMA dp1quattro)
(SIGMA dp3quattro)
(SIGMA dp3quattro)

 駐車場から10分かからずにこの美しい森にたどり着けるなんて奇跡的なことです。でも、せっかく八ヶ岳にきているので、池から少し登ることにします。

霧立ち込めるにゅうへ至る道

 白駒池をぐるり半周すると、八ヶ岳の一角「にゅう」(山頂の名前です)へ至る登山道にたどり着きます。池を背に、森の中へ。

登っていきます
(SIGMA dp1quattro)
(SIGMA dp1quattro)
(SIGMA dp1quattro)
湿潤な森なので、足元はぬかるんでいます。ところどころ木道や丸太を置いてくれていて、その上を渡ります。
(SIGMA dp1quattro)
(SIGMA dp1quattro)
(SIGMA dp3quattro)
しばらく歩くとたどり着く、小さな湿原。
(SIGMA dp1quattro)
(SIGMA dp1quattro)
しっとりした森の中、いよいよぬかるみを歩くことになります。長靴か防水登山靴であれば、それほど心配しなくて大丈夫です。
(SIGMA dp1quattro)
(SIGMA dp1quattro)
美しい
(SIGMA dp3quattro)
静かな森の中ですが、多様な苔に彩られ、賑やかです。
(SIGMA dp3quattro)
眠れる獅子(SIGMA dp1quattro)
にゅうへの分岐点。ここから少し傾斜がきつくなります。
(SIGMA dp1quattro)
少し標高があがったからか、霧がでてきました。
(SIGMA dp1quattro)
(SIGMA dp3quattro)
(SIGMA dp3quattro)

 最後に少し傾斜がきつくなりますが、普通に歩けば白駒池から1.5時間程で山頂にたどり着きます。この日は神秘的な森に夢中になってしまい、2時間以上かかりました。カメラを持って登るときは、コースタイムの2倍ほどかかる覚悟を。

にゅうの頂上、2353m地点に到着しました。ガスで展望がなくとも、湿潤な森を上から見られるのも嬉しいです。
(SIGMA dp1quattro)

 ところで山頂付近で女性3人組に出会いました。首から2台のカメラをぶら下げていた私の姿が目に留まったのか、「すごいカメラ!苔用ですか?」「iPhoneじゃ限界で、私もカメラがほしいんですよ」「そのカメラ、かっこよくて素敵」と口々にカメラをほめられ鼻高々でした。ありがとうございます、そうなんです、このカメラはとっても素敵なんです。

小鳥たちが高らかにさえずる奥庭

 山頂は風が強く寒いので、おにぎりを食べたらすぐに下山を開始しました。午後になって、少し暖かくなり、霧も晴れて森に光が射すように。また趣が変わって美しい。

(SIGMA dp1quattro)
(SIGMA dp1quattro)
(SIGMA dp1quattro)

 下りは写真を控えたので、あっという間に登山口に着きました。駐車場に戻る前に、最後に「白駒の奥庭」に向かいます。奥庭というからにはまた苔ガーデンか、と思いきや。森から抜けて庭園のような場所にでました。

低木に囲まれたまさに庭のような場所でした。(SIGMA dp1quattro)

 奥庭にでると、あちこちからたくさんの小鳥のさえずりのシャワー。どこにいるのかとじっと探していると、ルリビタキのメスが目の前にとまってくれました。

ルリビタキのメス(SONY alpha6400)

 長野の森に行くんだし、と実はdp Quattro以外に1kg超の望遠レンズも背負ってきていて功を奏しました。(実はこの日はカメラ3台を背負ってのハイキングでした。でも全部軽いカメラだから問題なし。)
 静岡ではルリビタキは冬鳥ですが、長野では夏鳥なんですよね。予期せぬ出会いにほくほく。遠くに青く輝くオスの姿も見られました。最後に最高のプレゼント。ありがとう八ヶ岳。

雨なら雨で楽しみ方あり

 梅雨ならではのみずみずしい美しさを味わえた最高のハイキングでした。白駒池は、国道がそばを走り、アクセス良好です。梅雨のお出かけに迷ったときは、ぜひ訪れてみてください。
 ただ、写真に夢中になって登山道を外れないようお気を付けくださいませ。貴重な苔や植物を踏みつぶさないように、そしてなにより遭難しないように…

(SIGMA dp3quattro)


白駒池へのアクセスや概要はこちら

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 先日も、foveonセンサーとdp quattroシリーズについて書いているので、合わせて是非ご覧ください。癖はあれど大好きなカメラです。


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