【詩】炭酸刺繍|盛夏編:僕らは夏の真ん中にいた
藤家さんの企画【炭酸刺繍|盛夏編】に
今回も張り切って参加します。
前回は鼻息も荒く1作目を書いて、
「次は大人なロマンス!」と意気込んだものの
気がつけば明後日方向に展開してしまったので
「今回は!」と奮起したんですが、
う〜ん、う〜ん、どうにもまとまらない。
仕方がないですね、こればっかりは。
今ある気持ちを大事にしよう……
ということで、
ちょっと苦めにシフトしてみました。
ま、苦い泡だっていいものですしね。
あの頃
僕らはずっと夏の中だった
海の色が空の色が
きみの瞳の色が
揺れて揺れて輝いていた
打ち鳴らしたグラスの向こうで
泡と一緒になってきみが笑えば
音をたてて立ち昇る僕らの時間が
どこまでも広がった
この瞬間の連続に夢中で
無数の泡は大騒ぎの仲間たち
弾けて弾けて
ただ笑いさんざめいて
だから知らなかったんだ
未来なんてものの感動を
どこまでも途切れることなく
続いていくものの価値を
僕らがいつ
あの夏に別れを告げたのか
僕らがいつ
繋いでいたはずの指を見失ったのか
もう思い出すことはできないけれど
あの夏のあの色のあの泡たちは
今日も僕の中で音をたて続ける
きっときみが知らぬ間に
僕の中に一つずつ
縫い止めていてくれたのだろう
勝手気ままで騒がしいばかりの時間
そこには意味なんて
これっぽっちもなかったはずなのに
それ以上に意味あるものを
まだ僕は見つけられないでいる
弾けて弾けて
ただ笑いさんざめいて
あの頃
僕らはずっと夏の中だった
海の色が空の色が
きみの瞳の色が
揺れて揺れて輝いていた
そしてやっぱり
ずっとずっと輝いているだろう
だからきっと
ずっとずっと輝いていくだろう
アオハルなのでここはやっぱり透明感。
いつきさんの爽やかな賑やかし帯、
使わせていただきました。
救われる思い(* > <)⁾⁾、感謝です。
真夏って、そこがピークだからかな、
どこか切ない感じがしてなりません。
苦めの選択も悪くなかったと思えたり。
藤家さん、今回もまた
素敵な企画をありがとうございました!
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