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データ×主観で見えてくる「わたし分析」!? 28歳・女性がコロナ禍で立ち止まった”そろそろ”の岐路

みなさんこんにちは。CCCマーケティングのプランニングチームです。これまでこのnoteでは、Tポイントのデータを用いて人の移動を三国志になぞらえて可視化したり、コロナ前後におけるワーキングマザーの実態を探ってきました。

今回探る対象は、チームの一員であるわたし(!)、28歳女性です。新型コロナウイルスの影響は定量的な “多数“から見えてきますが、私という”n=1“も、もちろん対象です。定量的なデータと主観的な私見の両方を行き来することで、コロナ禍における28歳・女性の変化の、体温ある有機的な分析=”私小説“ならぬ、「私分析」を試みたいと思います。

“未来の可能性”が「そろそろ…(ため息)」になる28歳

28歳とは? 分析を進める前に、まずは28歳というセンシティブでアンニュイなお年頃の女性(自分で言うのもアレですが)が、どういう年齢であるかを整理したいと思います。

ストレートでいけば、社会人歴は7年目。新卒…ほど頼りないわけではないけど、30代で活躍する先輩ほどは自信を持てないのが28歳。社会人生活にも慣れ、一人で暮らす分の生活費には困らないので、自由に飲んだり旅行したりもできる一人暮らしの居心地がよくなってくる年代です。とはいえ実家に帰れば「結婚は…」「子どもは…」という発言を全身で浴びがち。

そう、女性にとって28歳とは、仕事もプライベートも「そろそろ決めなきゃ…」の岐路に立たされる年齢です。幼児期に描いた将来の夢や就職活動時に鼻息を荒くした目標……といったキラキラした未来の可能性は、(どの未来像を選ぶのか)そろそろ決めなければならないタスクに変わります。そして何より、それを誰よりもわかっている自分自身からの圧力に焦りを感じ、仕事帰りの駅のホームでも、お風呂上がりにYouTubeをゴロゴロ眺めているときでも、その見えざるプレッシャーが重くのしかかります。

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ですが、「今年こそはちがう!もっと頑張らなきゃ!」と思って、一年の目標を掲げ、計画もしっかり立てて岐路に向き合う覚悟を持った矢先に……別の見えざるものが現れました。新型コロナウイルスです。

自分をゆっくり整える、私の「STAY HOME」

外出自粛になり、「STAY HOME LIFE」が始まると、多くの人が自宅で楽しめるものを探しはじめました。私(28歳・女性)も、家庭菜園と和菓子づくりに挑戦。毎朝起きてカーテンを開け、植物たちが少しずつ成長していることを確認するのは、毎日の変化を実感できる”いい日常”でした。日光の下での土いじりもすごく気持ちいい! 他にも、友達が手作りケーキをインスタにアップしていたのを見て、(あまのじゃくな)私は和菓子づくりに挑戦。4時間かけて練り切りをした紫陽花を完成させたときは達成感に満たされ、もれなくインスタにアップしました。

5月頃になると、イレギュラーな生活に対して疲労感がつきまとうようになり、「整えたい」と感じることが増えました。そこで、6:30頃には起きYouTubeで朝ヨガを始めました。さらに夜には、新しく購入したアロマ付き間接照明を付け、美顔スチーマーを当てる時間を取るように。友人がオススメしてくれた新しいスキンケアもお風呂上がりの小さな楽しみになっていました。こうした自分自身を満たす時間は、これまでにない充足感を私に与えてくれたのです。


28歳・女性がコロナ禍で求めた、”てしごと”と充足感

28歳女性が、コロナ禍にどういった消費生活を送っていたのか集計を取りました。昨年同時期の消費とどのような変化があったのか、またその変化が24歳〜32歳という前後の年齢と、どのような違いがあるのかという視点で、コロナ禍の28歳女性に見られる特徴を分析したところ、以下商品の購入が多いことが分かりました。
※数値が大きいほど、昨年同時期よりも購入が増えているということ

対象:24〜32歳女性・未婚(ライフスタイルアンケート回答者)のT会員
コロナ期間:2020/3/1〜2020/6/30
比較期間:2019/3/1〜2019/6/30
使用データ:日本全国のTポイント商圏内での購買データ
※年齢別に、各商品カテゴリの金額構成比を算出し、比較期間とのLIFT値(コロナ期間 の金額構成比/ 比較期間の金額構成比)を算出。
(金額構成比0.1%未満は除外)

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詳細:https://public.tableau.com/profile/cccmarketing#!/vizhome/publicWithCovid19/sheet0?publish=yes

先に書いた私の個人的な経験を踏まえ、これらから見えてくるのは、以下の2つでした。

① “てしごと”から得られる達成感
料理をつくる。植物を育てる。猫を飼う。これらはどれも、毎日、繰り返し行われる“てしごと”です。自宅にこもり人とのふれあいが極端に減った私たちは、スピードを常に求められた現代社会から、私的な小世界に放り込まれ急ブレーキを強いられました。そんななかで少しでも”達成感”や”前進している感覚”を求め、毎日の営みとして料理や飼育を行った。“そろそろ”の岐路に立ち焦りを感じていた28歳は、他の年齢に比べ、ブレーキに対する焦燥感が強く、これらの購買につながったのかもしれません。

② 内的な充足感
コーヒーを入れたり、間接照明や入浴剤を楽しんだり、といった時間は、充足感を私たちに与えてくれ、生活を豊かにしました。仕事や遊びに追われていた生活からふと立ち止まり、自分自身を見つめ直す。外的な刺激に泳がされていた28歳にとって、内的充足感を与えてくれる時間は、“人生を選択する”プレッシャーからいっとき解放してくれました。

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人生の大きな決断をするときに、私たちは“選ぶ”という行為や結果にばかり目がいってしまいがちです。仕事、結婚、子ども、自由……それらを選択することは手段でしかなく、本質的に大切なことは「それによって自己肯定や自己充足を感じることができるか」ではないでしょうか。インスタ映えよろしく結果ばかりを優先して選択しがちな現代社会において(「結婚しました!」「子どもが生まれました!」「充実した楽しい毎日!」の結果ばかりを私たちはインスタでいつも知らされます)、コロナ禍は、28歳女性に与えられた、映える決断の前にもう一度自分を振り返るためのボーナスタイムだったのかもしれません。

将来の28歳・女性のために! こんな商品・サービスがほしい

28歳でコロナ禍を迎えた私は、結果的に日々の暮らしの中で自分を満たす方法を知ることができ、じっくりと自分を振り返る時間を確保することができました。では、毎年現れる将来の28歳・女性のために、そしていっそう「丁寧な暮らし」が求められるニューノーマルな時代に、こんな商品やサービスがあったらステキではないでしょうか。

① 28歳に考える時間を提供する
多忙な日常から距離を置き、自分の将来をゆっくり考えるボーナスタイムを提供する
ex. 青春28きっぷ
28歳限定のJR乗車券サービス。「青春18きっぷ」同様、普通電車を自由に乗り降りできるのに加えて、缶チューハイやふくらはぎのリラックスシートなど、28歳・女性ならではの旅の必需品がもらえる。鈍行列車に乗って自分の人生を省みる機会を提供

② 達成感・自己肯定感につながるサービス

仕事のオンライン化によって、達成感の感じ方や評価のされ方が変わるニューノーマル。これまでとはちがうかたちでの”自分の達成感を得るため”の可視化が求められる
ex. たまごっちクラウド
twitterやメール、slackと連携した、大人のためのたまごっち。投稿(送信)した内容がポジティブなものや相手に好印象なもの(いいねの数、返信内容)だと、たまごっちが成長する。多忙かつ一喜一憂の毎日で、成長の実感を感じることができるゲーム

③ 日々の充足を感じられるサービス
コロナ禍で気づいた内的な充足感を、ニューノーマルの日々でも感じられる
ex. 28歳サブスク
28歳限定で、日々の充足感を与えてくれるグッズを自由にお試しできるサブスクリプション・サービス。 美顔スチーマー、間接照明、アロマ、ヨガ…など。マイページを登録したあとは、ほしいものを選択すれば都度自宅に届けてもらえる

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日常の歩みをゆるめ、小さな達成感や充足感を味わうことで、自分の人生を振り返る。大きな決断の焦りを感じてしまいがちだからこそ、そういった時間が大切なのではないでしょうか。少しずつではありますが、10年前・20年前と比べ女性の選択肢は広がりました。しかしだからこそ、プレッシャーに感じずに“未来の可能性”として前向きに選択するためにも、現代の新たな慣習として定着することを祈っています。