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*DAY4 ダリ・トリップ / 1月17日(Fri) ---4
食べているとき、ふと思ったことがある。いまだにこっちに来て、「海外だ!」という緊張感がほとんどないな、ということ。
体感するものがあまり変わらないからだろうか。気温がそんなに変わらないし、街の音がうるさい、ということもなく、文化や方法は違っても、体で感じるものの差が少ない気がする。
あとはやっぱり、隣にmamiさんがいるという安心感が大きいんだろうな。東京で「次どこ行く?」と話しているのと同じような感覚で「次どうしよっか」と話すから、いつもの延長線上のように楽しめているんだろうな。
そんなmamiさんはお腹が空いていないようで、カフェラテだけ頼んで飲んでいた。20〜25センチくらいはありそうな、ボカディーリョを完食する私でした。
さて、列車の到着時間に近づいたのでホームで待機。来た列車はそんなに混んでいなかったので、乗った車両で席に着く。
バルセロナに戻る車中、夕焼けに照らされる空がとても綺麗だった。
日本の夕日はすぐに日が沈んで見えなくなってしまう印象だけど、この日30分くらいは夕日を見続けて電車に揺られていた。最初は何の気なしに眺めていたが、ふと、いつまでもこの空が続いていることに気づき、私はmamiさんに確認した。
「綺麗な空、ずっとあるよね?」「私も思った、ずーっと、綺麗だね」
日が沈むのが遅く感じるのは、高い建物がなくて、空と地上の距離があるということなのかな?と思っていたけど、どうやら緯度の関係もあるらしい。バルセロナの緯度は41.38で、だいたい北海道の函館くらい。太陽の沈む角度が東京よりも浅く、太陽が見えなくなっても地平線に近いところに居続けるから、この綺麗な空の色が続くんだそう。なので、より太陽の高度が低い場所、フィンランドやスウェーデンはもっとこの薄明の時間が長いんだって。
参考文献 >
日本の夕焼けは短い? - スウェーデンの今
ずっと雲がオレンジに照らされて、強く光ったり、たまに何かに隠れて弱くなる。ピンクや青とまざって、ところどころが紫になっている。やわらかくふわふわと色が動いて行き、本当に綺麗だった。
私たちの目的地は終点で、到着まで時間があったので寝ようかなとも思ったが、私たちと向かい合わせの席にも人が座っていたし、2人して寝ると色々心配な気がしたので起きていた。私は音楽を聴きながら、なんとなく外の景色を見ていた。
しばらく乗り、もう着くかな〜と思ったらまだ着かない。バルセロナまで、グーグルマップ上を動いていく点を時折見ながら、その度に「まだここか」と思った。
途中列車が遅れていて、19時前(!)にやっとバルセロナ・サンツに着いた。予定していた時間よりも大幅にずれている。2時間くらいの気持ちが、3時間くらいかかった気がする。車内にあった画面にも遅れてる情報として何かが書かれていたと思うが、ここまで遅れた理由はよく分からない。すっかり長旅をしたような気分だ。
美術館は諦めて、とにかく今日行けるところに行こう。mamiさんと話し、ガイドブックで見て気になっていたケーキ屋さん「Bubó」 に行くことにした。
電車が遅れていたからか、ホームは人でいっぱい。新宿のJRと同じとまではいかないが、流されるように上に上がり、チケットを取り出して改札へ。
しかし、ここで出られない。
今まで使ったチケットにはバーコードがあったけど、今私たちが持っているものにバーコードはなく、改札の読み取り部分に当ててみても開かなかった。フィゲラスで乗るときは機械を通していないし、おそらく列車内で見せただけかも。
バーコードがないと分かっていながら、私たちは機械に当ててトライした。やはり、無理である。日本の改札のように切符を入れるような差込口はないので、それならどうやって通ればいいのか?
改札前で立ち止まっていたら、それを見ていた通りすがりのおじさんが声をかけてくれた。あっちに行ってみな、と指差しで駅員さんがいるカウンターを教えてくれた。
本当に毎回、誰かに助けられているなと実感する。私たちは話しかけてくれたおじさんにお礼を言って、駅員さんがいるカウンターへ。
持っているチケットを見せたら、特に何も言われることはなく「出ていいよ」と合図され、私たちは無事に改札を出ることができた。
は〜、よかった。おじさん、ありがとうね!外に出れたよ〜!
振り返って見るとおじさんはまだ見える場所にいて、改札の外からおじさんに手を振った。おじさんも、手を振り返してくれた。
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