＊DAY2 ガウディの足跡 / 1月15日（Wed） ---5

優しさの余韻に浸りながら歩き出す。

駅からすぐのところにある、ショッピングモールの上を360度パノラマビューで歩けるところを見つけて、チケットは1.5ユーロと高くなかったので行ってみることにした。

あとで調べてみるとアレーナス・デ・バルセロナというところで、古い闘牛場を利用した建物なんだそう。外観のデザインはムデハル様式を使用し、建物の壁面に幾何学文様の装飾を施しているのが特徴。
参考文献 >

太陽は下がって来ていたが、まだ青空が残っていて風が気持ちいい。上から見渡すとやっぱり景色が違うので、観光地に「タワー」があるのは分かる気がした。その場所の雰囲気を感じられると思った。
下にいる時は見えていなかった、素敵な建物を発見！カタルーニャ美術館だった。美術館の手前には噴水があり、その手前にすごく大きな門がある。上から見てもあれだけ大きいのだから、真下で見たらものすごい迫力だろう。

この美術館も事前にサイトを見て知っていたものの、展示品がクラシックな感じなので、モダンを好む私たちは今回の旅のリストに入れていなかった。だけど外観が素敵すぎて、これはいいなぁと思って行きたくなった。
しかし、美術館を見るには時間がかかる。今日はまだ予定もあるし、とりあえずお腹も減った。
「とりあえず何か食べよっか」と言って、展望台を360度回って私たちは下へと降りた。

ここのショッピングモールは2011年にオープンと新しく、内部は近代的でたくさんのショップが揃っている。中のお店のラインナップも見つつ、近くにあった「TAPATAPA」というタパスのお店に入ることにした。「TAPATAPA」はバルセロナ・エル・プラット空港にも入っていて、バルセロナにも他に６店舗あるみたい。

オーダーお願いします、と手をあげて呼ぶと、ウインクをして応えてくれたお兄さん。なんとフランク。
イカスミのパエリアと、タコのフリッター(イカスミソース)、ケールのサラダ(味噌っぽい味付け)、パンコントマテをシェアして食べた。食べ始めると、お腹が空いていたんだなぁと感じた。パクパクとフォークがすすむ。
どれもおいしかったけど、一番はパエリアだなぁ… …！ニンニクがきいていて、海鮮のうまみがあってとってもおいしかった！

お店の雰囲気も良く、ゆったりした気分で食べることができて大満足。お腹もいっぱい。ご飯をしているうちにすっかり日が暮れて、夜の暗さになっていた。中から見ると風が吹いていてちょっと寒そう。
でも外に出てみると、思ったより気温は下がっていなかった。風もそこまで冷たくなくて、日本の冬ってやっぱり結構寒いんだなぁと思った。

今日の目的地のラストは、サンタ・マリア・ダル・マル教会。教会まではバスで13〜14分ほど。今日は水曜日なので、学校や仕事から帰る人も多いのかな。バスは少し混んでいる。私たちが乗ったときは席も空いていたけれど、何個かバス停を経由していくうちに立つ人も増えていた。目的のバス停に到着し、そこから３分ほど歩く。

教会を目の前にして、その大きさにびっくりした。日が暮れた後なので、暗闇の中に現れたその荘厳さに思わず息を飲む。サイズの大きさというよりも、建物の存在感が凄まじい。やや怖さも感じるほどだった。

中に入ると、外から感じた以上に天井が高く、ゴシック様式の重厚さと歴史を感じさせる神聖な雰囲気。なぜだか分からないけど、今まで見た教会の中で一番好きかもしれないと思うほど、ずっとそこにいたいと感じた。特別見た目が好きだとか、何か気に入った装飾があったわけではないのに、どうしてだろうなぁ。教会の雰囲気や装飾で言えば、フィンランドで行ったヘルシンキ大聖堂やカリオ教会の方が好きである。
だけど、「一番好きかもしれない」と思ったのが正直な感想で。教会の良さはそこに行って初めて感じるものなんだろう。

左右の壁に沿って小礼拝堂があり、その前に１ユーロでキャンドルを置くことができた。今回の旅行のために、ほんの少しだけお札を外貨両替していたが、この時点では現金は未使用。学生のときに行ったパリ・ロンドン研修の際に両替して余っていたユーロのコインを使い、１つキャンドルを買った。
反時計回りに見て最後にあった、マリア様と思われる像の前でキャンドルを灯した。
そこにライターなどは置いてなく、すでに灯されているキャンドルから火をもらう。私は最初、マッチなどが置いていないのにどうやって火を灯すんだろう？と分からなかったのだけど、キャンドルから火をもらって灯している人を見て、その方法を知った。そうやって灯りを受け取り、増やしていくんだな。何もないところからではなくて、何かを灯すときはきっと誰かにもらっているんだろう、と感じたのだった。

外に出ると、さっきは感じなかった寒さ。中に居すぎたのだろうか。

昨日と同じスーパーで水を買い、部屋に戻るとどっと疲れが出て、どうにかお風呂を済ませ、眠りについたのだった。