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*DAY3 Sagrada Família / 1月16日(Thu) ---6

マップを開くと近くに「カサ・ビセンス」があったので寄ってみることにした。カサ・ビセンスもガウディ設計で、ガウディにとっては初期の作品。しかし長年住居として使われていたため、一般公開は2017年と最近(!)。

本当は中に入って見たかったのだが、カサ・ミラ同様こちらもお休み。
今まで見たガウディ作品とは少し違いデザインも直線的で、オレンジっぽい赤と緑が使われており、インパクトのある色合い。マリーゴールドが描かれたタイルがかわいかった。

何枚か写真を撮って、ヨシ、と満足。
最初、カサ・ビセンスもカサ・ミラもどちらもお休み、とネットで知ったときは、一年に一回の休みに当たるなんてすごい確率だなぁと笑ってしまった。せっかくなのに残念だなと思ったけど、旅のスケジュール的にはお休みで良かったのかもしれない。正直今のスケジュールでいっぱいいっぱい。初めての場所への旅は、きっといつでも見るものに尽きないだろう。

チュロス以来お昼ごはんも食べず、たくさん歩き回ったのでお腹は空っぽ。気持ちも体も、おいしいごはんを食べる準備はできている。
グーグルマップにピンしていた、カタルーニャ広場近くの「Ciudad Condal」というタパス料理のお店へ向かうことにした。19時頃に到着し、スペインのディナータイムよりは手前なはず(大体夕飯の時間は20時〜23時が一般的なんだそう)。それでもお店は大繁盛で、入口から中を覗くとすでにカウンターはいっぱいだった。「もしかしたらもう空いている席がないかもしれないね」と2人で話しながら、入口にいたウエイターさんに人数を伝えると、あっさり不安は解消。すぐに2階のテーブル席へ案内してくれた。良かった〜!

2階の角の席に座り、そこからは1階の様子も見えた。入口からは分からなかったけど思った以上に中が広く、私たちのあとも次々にお客さんを案内していた。1階は明るく活気があったが、2階は照明が少し暗くなって落ち着いた雰囲気。スリなどの心配もあるので、角の席に座れて良かった。

とりあえず飲み物は2人でサングリアを頼み、英語メニューからどうにか読み取って、タパスの盛り合わせ、アリオリソースのかかったポテト、フォアグラとお肉のステーキ、シーフードサラダを注文した。
サングリアはピッチャーで持って来てくれて、2人でそれぞれグラスに注いで乾杯。フルーツの味がしっかりして、すごーくおいしい!

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ふとフィンランドで1人で飲んだワインを思い出し、それはそれで良い思い出なのだけど、今は大好きな友達と一緒に乾杯ができる喜びをぎゅっと感じた。

料理も待つことなく、ちょうどいいペースでテーブルへ運ばれた。
結果から言ってしまうと、どれも本当においしかった!まず最初に来たポテトのアリオリソース(ニンニクと卵黄、オリーブオイルやレモン汁を混ぜたソース)はニンニクがきいていてバランスが絶妙!ゆっくり食べなくちゃと思いつつ、おいしくて次々に口に運んでしまう。

そしてフォアグラとお肉のステーキ、これも最高。普段フォアグラなんて食べないし、知らない味だからかあんまり食べたいとも思わないけど、フォアグラってやわらかくておいしいんだなぁ、と思った。値段も6〜7ユーロで高くなかったので、このくらいの値段で日本でも食べられるなら、きっと食べるだろうな。

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シーフードサラダはエビもイカもぷりっぷり。味つけもさっぱりで口直しにちょうどいい。タパスの盛り合わせは、小魚を揚げたもの、クロケット(コロッケ)、ししとうの素揚げ(と思ったら青唐辛子だそう)、貝を蒸したもの。それぞれ食べやすい量で盛り付けられている。

オーダーの際、私たちはタパスの盛り合わせに加えてクロケットも頼んだのだが、店員さんが「タパスの盛り合わせの中にクロケットが入っているよ」と教えてくれた。私たちは「そうなんだ、じゃあどうしようか……」と顔を合わせて悩んでいたら、店員さんは気を利かせてクロケットはキャンセルし、タパスの盛り合わせだけにしてくれた。クロケットは盛り合わせの中に4つくらい入っていたので、その数で十分だった。曖昧な返事しかできなかったのに、気を利かせて変更してくれてありがとう、お兄さん。

タパスも全部おいしかった。味が濃かったり薄かったりすることもなく、絶妙に口に合う。おいしい!と心から感じられた。
デザートにスペインのスイーツ、カタラーナ(クリームブリュレのようなもの)も食べてお腹はパンパン。店員さんは私たちのあやふやな英語もちゃんと分かろうとしてくれて、カタラーナを頼む際も「サイズって大きいですか?」と聞くと、手でこれくらいかなぁ、と表してくれた。

サングリアはそれぞれ5杯ずつ飲んでもまだ飲み切れないくらいたっぷりの量でびっくりした。普段お酒はあまり飲まないので久しぶりにこんなに飲んで、もう眠くて眠くて仕方なかった。途中で何度かお水を頼んで飲んだものの、疲れもあるのかしばらく眠たかった。
だけどこんな眠たさも、今はなんだか気持ちいい。店員さんも優しく、お店の雰囲気も良く、隣には友達がいる。
気持ちよく食事をすることができて最高に幸せである。


隣の席にはおそらく現地の方がグループで座っていたのだが、私たちがいちいち料理を食べては「おいし〜い!」と喜んでいたのが面白かったようで、「おいしい?良かったね〜」と笑ってくれてた。観光客感が丸出しだったかな、と思ったけど、今思えば私たち、東京で食べてても同じテンションな気がするな。

テーブルを担当してくれた店員さんにGracias、と言ってお会計をし、歩いてホテルに帰る。距離的にはバスに乗っても良かったが、お腹がパンパンなので歩いて少しでもカロリー消費。寒くなく、夜風が気持ちよかった。

今日は21時を過ぎたから、いつものオーガニックスーパーは閉まっちゃったのでコンビニでお水を買う。店員のお兄さんに「Have a good night~」と言われて、思わず笑顔になった。基本的にみんなコミュニケーションが気持ちよくていいなぁ。幸せな気分のままホテルに帰る。
日本のコンビニやスーパーでは、店員さんと必要以上の会話をすることはほとんどない。でも前にスーパーでお誕生日用のチョコプレートを買ったとき、「他のものと一緒に持ち帰る際に割れないように」と、小さなビニール袋に空気を一緒に入れて渡してくれたことがあった。そのとき店員さんは、「大切なものだから」と言ってくれた。

必要以上の会話は誰かにとってはストレスになるかもしれないが、私はこのときの店員さんがしてくれた優しさをずっと覚えている。コミュニケーションの根本は相手を思いやることだ、と常々思う。
私はもうコンビニのお兄さんの顔は覚えていないが、嬉しかった思い出は忘れていない。


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