携挙のタイミング ... Part.3
携挙はいつ起こるのか? … この質問に答えるのが一番厄介だ。何故か? 「分からない」が答えだからだ。天の御使いたちも子も知りません。天使もイエス御自身も御存じないからだ。患難時代がいつ始まるか、患難時代はいつ終わるのか、この世の次に来るメシア的王国(千年王国)はいつ始まるのか… こうした質問に対する答えはしっかり聖書に記されている。が、携挙がいつ起こるかは誰も知らない。前兆もない。それがいつかは、父なる神だけが知っておられる。
だから、牧師でも学者でも、信者であってもなくても「イエスは○年○月○日に来られる!」なんて言った日には、その人が嘘をついていることが即分かってしまう。そして、あなたはイエスよりも父なる神に近いんですか?と問い詰められる羽目に陥る。現時点で信者に許されているのは、聖書に提供されている情報を元に、ある程度の目安をつけること、ぐらいなのだ。
時代を読み解くカギ:イスラエル
イスラエルは、時代を告げる時計のようなもので、イスラエルを注意深く見ていると、自分たちが今、どの時代に生きているか理解できる。聖書には、この先、日本や米国、欧州諸国がどうなるか等の情報は記されていない。ところが、イスラエルが何らかの形で関連する事が起こると、それは途端に鮮やかな色彩を伴い、状況が事細かにあぶり出される。
1867年、後の「トム・ソーヤの冒険」「ハックルベリーフィン」著者、マークトウェインが、出版社の意向で聖地イスラエル旅行のジャーナルを書くよう依頼された。生まれて初めて訪れた聖地イスラエル、神の愛されたイスラエルの様子を以下のように表している。
紀元70年、ローマ帝国に完膚なきまでに破壊し尽くされ、離散の民となったユダヤ人。以降、祖国イスラエルは、荒れ果て、忘れられた土地となっていた。1948年、再びイスラエルとして建国されるまでは。旧約聖書のエゼキエル書には以下のような記述がある。
建国前のイスラエルはまさに、マークトウェインの記したとおり、周りの民に荒らされ、踏みつけられ、ほかの国々の所有とされた。まさにその理由で、おまえたちは人々の語りぐさとなり、そしりの的となった。「お前たちは、神に愛された民ではなかったのか?」2000年近くもの長きにわたって、国を持たず、流浪の民として世界に離散させられたユダヤ人たちは周囲の国々から小馬鹿にされ、嘲られていた。マークトウェインでさえ「パレスチナ(イスラエル)は最早この世のものではない。詩と文学の中の聖地であり、今やファンタジーの国である」と見放していたほどだ。
ところが、同じエゼキエル書の続きには以下のように記されている。
イスラエルを嘲っていた周囲の国々は、時が来ると、驚かされることになる。なぜなら神御自身が立ち上がり、イスラエルを再建されるから、と。それには段階があって、先ず①土地が準備される。続いて②人が戻ってくる。それは以前のように戻すのではなく、以前よりも栄えさせるとある。今のイスラエルが栄えているのは、ユダヤ人が優れていたわけでもなく、神がそのようにされたからだ。①②は現実的には、1948年のイスラエル建国をもって成し遂げられた。そして最後に③主に(神に)立ち返る。神に立ち返るには、前の二つとは異なり、"教育的指導"が必要となる。それが何であるかは後述する。
今現在のイスラエルは、神に立ち返った状態、信仰を持った状態とは言い難い。彼らは戦禍から逃れてきた者、金儲けを目論んで来た者、無神論者もいれば、他宗教に寄与する者もおり、世界各地からの寄せ集めに過ぎない民衆である。イスラエルの神に立ち返ったわけでもなく、ユダヤ人が他の民族と比べて優れていたわけでもない。神はそれで良しとされ、神が国を栄えさせると言っておられるだけだ。今もなお、イスラエルに帰還するユダヤ人は後を絶たない。
エゼキエル書36章はこの言葉をもって締めくくられいる。
著者は、コロナ前の2014年、2017年の二度に渡って、それぞれ10日間ずつイスラエルを訪れている。事前に、どれほど豊かであるか、美しい国かというのは話は聞いていたが、それでも驚いた。岩と砂ばかりのイメージだったがいざ降り立ってみると色彩豊かで、人も多い(観光客も多い!)。そして何より食べ物が美味しい。味付け云々の話をしているのではなく、果物、野菜など素材それぞれが持つ力というか、生命力というか、口に入れて噛むとパチンッと弾けるような弾力がある。オリーブはびっくりするほど種類があるし、トマトだって色とりどり、それぞれ味覚も歯ごたえも異なっている。普通に食事しているだけなのだが、旅行中、身体が浄化されたようになって、元気になった気がするのだ。グルメを自称される方は是非、死ぬ前に一度は行って欲しい国だ。
さて、魅力的な観光資源に食料資源、さらに先端技術やスタートアップなど、現代イスラエルが誇れるものは数多ある。しかし、ロシアがウクライナ侵攻を開始した2022年、突如としてクローズアップされ始めた資源がある。
天然ガス産出国としてのイスラエル
2000年に入って後、地中海の東岸地区で先ず、エジプトがガスを生産、輸出始めた。2009年以降、イスラエル、およびキプロスでガス田が続々発見され、新興ガス輸出国として台頭するようになった。
2020年1月にはイスラエル・Leviathanガス田から隣国のエジプトとヨルダンへの輸出が始まっている。イスラエル沖のガス田が発見されたのは、2010年頃のことで、まだまだ始まったばかりだ。これまで発見されただけでも、イスラエル国内の需要を100年間まかなうことができると言われている。イスラエルには、天然ガスを液化する設備がないため、当分は一旦エジプトに輸出して、エジプトで液化してから、ヨルダン、シリア、レバノンなど周辺国に輸出することになる。
この記事の執筆時点(2022/7/25)では、世界有数の天然ガス産出国ロシアがウクライナに侵攻、欧州への供給を制限しているため、天然ガスの市場価格が1900%に急騰している。そして何故かこのタイミングで、先に天然ガスを産出していたエジプトの輸出量が減少し始めていて、世界のエネルギー事情を鑑みるに、イスラエルの重要性が急激にクローズアップされてきた。
今までイスラエルを敵視していた周辺諸国も今や、イスラエルと手を組みたい、関係を結びたいとすり寄ってきている。トランプ政権時、矢継ぎ早に締結されたアブラハム合意も、こうした動きに一役買っている。日本同様、持たざる国であったイスラエルは、今となっては"持てる国"とみなされるようになってしまった。今後の世界の天然ガス需要を鑑みると、イスラエルはまさに、"朝起きたら大金持ちの国になっていた"のだ。
以上、イスラエルの歴史を見ていくと、聖書に預言されたことが少しずつ、パズルのピースが一つひとつ埋められていくように、成し遂げられていることが分かっていただけたと思う。
そこで話は上記の三つの段階にもどるのだが、①土地が準備される、および②人が戻ってくるは既に成就している。見渡す限り砂漠と荒れ地だった土地が今や神により以前よりも栄えている。この後の段階は、③主に(神に)立ち返るだが、未だ実現していない。今イスラエルでは、ユダヤ教とキリスト教、イスラム教徒が共存している状態だし、無神論者もかなりの数、存在する。これについては今後、神による"教育的指導"を待つことになる。
エゼキエル37章では、神がエゼキエルに対して幻でイスラエルが再び息を吹き返す様を示し、さらにその先、民の聖(きよ)めに関する内容が語られている。聖書に記された歴史を振り返ると、神がイスラエルを取り扱う際、きよめられる際に、用いられる手法は常に"物理的な苦難"なのだ。モーセが約束の地に入る前には、40年に渡る流浪生活が課せられたし、その後約1000年を経て今度は、偶像礼拝を完全に廃するため、民は70年間、バビロンに捕囚された。イスラエルはその長い歴史の中で、神御自身の手により、物理的、肉体的な苦難を経て、取り扱われてきたのだ。
バビロン捕囚から約2500年の時を超えた今、イスラエルに集められたユダヤ人は、エゼキエル書38章~39章に記されたゴグとマゴグの戦い(エゼキエル戦争)、および7年間の大患難時代(黙示録6章~19章)を経て、完全にきよめられ、神に立ち返ることになる。神による"教育的指導"がこれに当たる。
「携挙」の特徴まとめ
いつ起こるか、誰にも分からない。
これが起こると、クリスチャンはすべて天に挙げられ、地上には未信者だけが残される。起こった直後、地上の信者は0(ゼロ)になる。
「携挙」にあずかるかどうかの基準は、キリストを信じて"救い"を得ているか否か。
「携挙」が起こると、すでに死んだ信者たちが先によみがえり、地上で生きている信者たちもともに天に挙げられ、空中で主と出会う。これらのことは一瞬のうちに起こる。
"引き止める者"として信者に内住していた聖霊は、地上から取り除かれる。すると、反キリストが表舞台に登場する。つまり、"統一宗教"、"統一政府"は、この時点から何時でも登場可能になる。
"携挙"にあずかるには?="救い"を得るには?
端的に説明すると、イエス・キリストが…
① 自分(あなた)の罪を背負い、十字架に架けられ、死んだこと
② 墓に葬られたこと
③ 三日後、神の力により、復活して今も生きておられること
…以上を、心でその通り受け取った人は「救い」を得られると聖書は記している。
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