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ミランヨンデラ
2024年7月20日 18:36
さらっと読めてぞわっと怖い短編小説を、今回も一作紹介しようと思う。大濱普美子のデビュー作品集『たけこのぞう』(『猫の木のある庭』に改題して文庫化されている)に収められている作品だ。*****主人公は、ドイツの大学に学んでいる日本人留学生の「私」。彼女はある日、一足の靴を手に入れる。アパートの隣の部屋に住んでいたローゼンバウム夫人が亡くなったのだが、その遺言によって、なぜかその靴が彼女
2023年1月18日 16:45
インパクト大な題名とおしゃれ怖い装丁のこの一冊。12の短編を3作品ごとにまとめた4部構成になっているが、その各部には例えば次のようなタイトルがついている。・黄昏の疲れた光の中では凶事が起こる…・冷たい深夜の孤独は茴香の馥りがする…これらを読んで惹かれるものを感じる方ならば、本書を読んできっと満足できるはずだ。期待通りの不気味、暗澹を心ゆくまで堪能できること請け合いである。(同時に、
2022年3月1日 21:47
『神様ゲーム』 麻耶雄嵩「神様なんかに関わらなきゃよかった。」。。。物語は主人公の10歳の少年の目線で語られ、言葉も、文章の体裁も児童向け文学のそれである。しかし。父親や同級生との子供らしいやりとりに異物が混ざるように、所々で毒々しい描写が顔を出す。猫を狙った凶悪事件の詳細や、マガジンで連載中の、主人公が「アリを潰すように女生徒を殺しまく」るという漫画。そして、なんだか禍々しい