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【取締役・深山蘭さん】創設したての大学発ベンチャーを支えた、知財・特許・バックオフィスの担い手

独自の薄型センサーをコア技術に持つ、株式会社CAST。初めての製品である配管減肉モニタリングシステムをリリースして2ヶ月が過ぎた今、さらなる事業拡大を目指して役員の変更を発表しました。


このたび取締役に就任したのは、深山蘭(ふかやま らん)さんです。2021年6月にCASTへ入社した深山さんは、フルリモートでバックオフィス業務のすべてを担ってきました。新たな役割を担う深山さんに、CASTに入社したきっかけやこれまでの歩みについて、また深山さんが思うCASTの魅力などを聞きました。



バックオフィス+対外的な業務

―まずは取締役就任、おめでとうございます。

ありがとうございます。株主総会を経て今は少しほっとしつつも、引き続きCASTのためにがんばりたいという思いです。

入社当初から私の仕事はバックオフィス業務全般で、研究開発と営業を除く、事務などの仕事をすべておこなってきました。経営管理にも携わっていたので、その部分を新たに任命いただいたイメージです。


―“バックオフィス業務全般”とは、例えばどのような仕事がありますか?

わかりやすいのは、経理や財務でしょうか。経理としては、会社のなかのお金の収支を適正にする。財務としては、資金調達など外部からいただいたお金を計画通りに回して管理する、きちんと管理していることを資料に残すなどをしています。

これからは経理や財務、人事や広報の仕事に加えて、私自身が外部の方々にCASTの話をする機会が増えると思います。


法学部に進学するも出会った、研究支援の道

―CASTの技術は専門的だと思うのですが、深山さん自身は入社前もセンサーなどの分野に携わっていたのですか?

実はそうでもないんです。もとを辿ると、私は理科のなかでも生物が好きでした。高校生のときに“メンデルの法則”を習ったとき、「生き物の遺伝子を変えることができるなんて…!そんな技術あるんだ!」と衝撃を受けたのを覚えています。幼いころからカラフルな図鑑を見るのが好きな子どもだったので、そもそも生き物が好きだったのかもしれないですね。

当時は慶応義塾女子高等学校に通っていたので内部進学を予定していて、「大学は生物を専攻しよう!」と思っていました。


ところが私、数学というか算数ができなくて……。慶応義塾大学のなかで、数字をまったく扱わなくていい学部が法学部だったので、それだけを理由に文転しました(笑)

法学部に進んでも、ライトに生物を勉強することができたんです。当時、慶応の法学部には副専攻制度があって、生物・化学・物理のどれかを勉強できたんです。認定制度なので、卒業するときには無事に生物の副専攻認定を取っていました。


―生物は好きなこととして続けることができたのですね。

そうですね。趣味の延長戦というかんじで、生物の実験に夢中になっていました。

そんなとき、法学部の授業で「知財」や「特許」を知ったんです。研究技術を守ったり、研究成果を有効にビジネスに活かしたりできる手段だと学び、「これだ!」と思いました。

「自分は研究者になれなくても、知財や特許を勉強したら研究者の近くにいられる。これからも好きなことに関わっていたい」と、修士過程に進む決断をしました。

東京大学大学院 新領域創成科学研究科に進学し、知財や経営面の勉強もしました。研究成果の活用手段の一環として、大学発ベンチャーを支援する人材を育てているコースだったんです。


CASTに出会い、やりたい仕事と子育てとの両立が叶った

―大学発ベンチャーに、修士課程で出会っているのですね。

はい。研究者を支援すること自体には楽しさを感じていました。実際の仕事でも学んだことを活かして、産学連携をやりたいと思うようになったんです。

CASTに入社する前までは、公的研究機関である産業技術総合研究所(以下、産総研)で働いていました。研究内容や技術を、企業に渡す架け橋のような役割をしていて。もちろんやりがいはあったものの、「本当に製品にして売るところまでやってみたい」と思うようになりましたね。


―それでCASTに入社されたのですね。CASTはどのような経緯で知ったのですか?

CAST代表の中妻さんと私の夫が学生時代からの友人で、「親友」と聞いている人でした。7年前くらいに夫に連れられて中妻さんの家に行っているんです。CAST創設より、中妻さんに会っていたのが先でした。

その後CASTの仕事を知ったのは、2020年末ですね。夫が中妻さんに会いに行ったとき、「CASTで事務屋さんを探しているんだよね。リモートでいいから大学発ベンチャーの知財と事務全般をやってくれる人いないかな」と話していたようで。「それってうちの奥さんじゃん」となり、話し合いの末に転職を決めましたね。


―CASTはまさに「研究成果を製品化して売る」フェーズでしたよね。

やりたいことができるなと思いました。

プラスして、子育てをしながら働き続けることのむずかしさを感じていたんです。産総研で働いていたときは片道1.5~2時間かけて通勤をしていたので、リモートで仕事ができるのはありがたいと思いました。コロナ禍で一時的にリモートワークとなり、家で仕事をすると子育てとの両立がしやすいんだ、と発見があったので。


“新しいことを始める”のが、日々のミッションである喜び

―前職と比較して、苦労したことはありましたか?

会社として創設から日が浅いので、働く環境がほとんど整っていなかったんです。何からやればいいかわからないほどで、さまざま制度が整っている産総研で働いていたときとは真逆の世界でした。

働く環境を整えようとさまざまなシステムを導入しながら、社員が安心して働けるように整えようと思っていました。ようやくスタートラインに立った気持ちで……。CASTを知ってもらうための広報にも目を向けられるようになり、こうしてnoteでも発信できるようになりました。


―「できていないことが多くて…」と話されていたのを思い出します。

本当に、会社として当たり前のものがない状態からのスタートでした。

だからなのか、「事務屋さん」というより後方支援として「バックオフィス」の方がしっくりくるんです。ベンチャーあるあるで、誰が担当とか言っていられず発生した仕事はどんどんさばいているので。


でも前職の頃から、業務の効率化とか制度を作ることとかは好きでした。「1を3にする」というか、最初の体制を作って軌道に載せていくことが得意なんです。“新しいことを始める”のが日々のミッションになったのは、CASTで働いていて楽しいなと思うところです。


―フルリモートで働く環境はいかがですか?

そうですね。おかげで子育てと両立がしやすく、とても働きやすいです。

いま私に人生3度目の着物ブームが来ていて、ときどき着物を着て仕事しているんですよ。家にずっといると変わり映えしないから、着物を着るのをイベントにしようと思って。気分転換にもなるし、在宅ワークの楽しみのひとつになっています。


純朴な社風で働きたい人は、ぜひCASTへ

―転職した深山さんが思う、CASTの魅力は何ですか?

「純朴」な社風であることですね。みんなおっとりしていて、やることをやっていれば、あとは自由度があるというか……、無理をしていない。無理をしないことをよしとする社風が、CASTらしさだと思います。

“キラキラベンチャー”の逆サイドにいるイメージですね。先日のインタビューで堤が「ゆるい社風」と言っていましたが、本当にそうだなと。熱血的に「一致団結しようぜ!」というより、必要以上に互いを干渉しておらず、コツコツとやることをやっていく会社です。

メンバー一人ひとりが自立していて、信頼関係があってこその社風でもあると思っています。


―では最後に、今後についてお聞かせください。

採用に力を入れたいです。現在とくに仲間になってほしいのは、ソフトウェアを作れる人。CASTの社風が合うような、やることを自分で決めて回してくれる、自立している人だとなお嬉しく思います。

ほかにも、職種を問わず「こんなことできるんだけどどうですか?」とCASTに興味を示してくださる人がいれば、ぜひ一度話をさせてください。



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CASTについて聞いてみたいと感じた方は、深山までお気軽にDMにてご連絡ください。

また製品及びCASTに興味をもってくださった方は、info@cast-sensing.comまでお問い合わせください。


取材・執筆:小溝朱里



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