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【研究開発・堤さん】“いい意味で発展途上”の企業で働くやりがい

独自の薄型センサーをコア技術に持つ、株式会社CAST。2022年1月末には、CAST初めての製品である「配管減肉モニタリングシステム」をリリースしました。

製品化に向けて、中心となって進めてきたのは研究開発を担う堤喬資(つつみ きょうすけ)さんです。今回は堤さんへ、仕事内容のほかCASTに入社したきっかけや、CASTならではの仕事のやりがいなどをインタビューしました。


【株式会社CASTとは】
・創業:2019年9月
・創業メンバー:中妻啓・田邉将之・小林牧子
・メンバー数:7名(2021年11月26日現在)
・所在地:熊本県熊本市中央区黒髪2-39-1(熊本大学内)
・事業内容:センサーおよび周辺機器・ソフトウェアの研究・開発・製造・販売
・ミッション:「あらゆる場所にセンサーを」



研究開発とお客様対応を一気通貫

―堤さんの主な仕事内容を教えてください。

研究開発業務とお客様対応が主な仕事です。

研究開発では、CASTの技術を活用した超音波センサーの開発をおこなっています。先日はCASTにとって初めての製品をリリースしましたが、製品化に向けて試行錯誤をしていました。

お客様対応も結構多いです。 お客様のところへ行き、製品紹介や製品の使い方などを直接お伝えしています。CASTの技術はうち独自のものなので、きちんと説明することを大切にしているんです。

お客様のところへ行ったときは、お困りごとの相談を聞くようにしています。お困りごとのすべてに対応できるよう、ご要望に合わせてカスタム品を作るようにしています。ヒヤリングして、製品を作って、届けて、サポートするところまで一貫しておこなっているのが、今の仕事です。

あとはどこにも分類されないような、細かい仕事もたくさんあります。会議の議事録を書いたり、見積書を作成したり、時にはオフィスの鍵を設定したり……挙げたらキリがないですね(笑)細かい仕事も多いのは、ベンチャーあるあるかもしれません。


―入社したきっかけは何でしたか?

私が前職を退社しようか悩んでいたタイミングと、代表の中妻がCASTを立ち上げたタイミングが重なったんです。それで入社を決めました。

私は大学・大学院と熊本大学に通っていて、中妻研究室に所属する学生だったんです。社会人になって、休暇を利用して熊本に同期たちと戻ってきたタイミングで中妻先生に再会しました。CASTを会社として立ち上げる話を聞いて、一緒に働きたいと思ったのが最初でした。

以前働いていた会社は、続けるか迷っていたんです。研究開発をしていたものの、配属された部署の商品は技術的に頭打ちと感じていたので……。これから発展していく分野のほうが、興味はあるなと思っていました。職場の人間関係の複雑さも相まって、「これからどうしようかな」と漠然とした悩みはありましたね。

CASTの技術については学生時代から知っていたし、メンバーはよく知る方々だったので働きやすいだろうと。最終的には中妻先生に退職する決意を伝えて、「なんとかなるっしょ。こっちにおいで」と言ってもらったので転職しました。

余談ですが、九州に戻ってきたいとは思っていたんです。就職と同時に九州を離れたのですが、家族は九州に住んでいました。何かあったとき近くにいられたらいいなと思っていたので、戻ってこられてよかったです。

休日の様子。乗馬や釣りを楽しんでいます。


物理への興味は“現象が目に見える”ことから


―大学生時代から、興味のある分野は変わっていないのですね。

そうですね。大学生になる前から、物理と数学は好きでしたね。

九州の大学で、好きなことができる大学を探していました。とくに物理は、現象が目に見えるからおもしろかったんです。教科書で見るような公式と、現象がリンクしていくから頭に入りやすくて。「問題が解けるから好きだし得意」みたいな気持ちもあったと思います。

好きなことだと機械工学科か、数理工学科か、その他か……と悩んでいて、熊本大学の機械工学科に進学しました。数理工学科などと比べたときに就職の間口が広く、物理や数学の分野を幅広く勉強できそうと思ったからです。

熊本大学では4年生のときに研究室を選ぶのですが、同じタイミングで中妻先生が熊本大学へ赴任してきました。当時の私は“C#(シーシャ―プ)などのプログラムを研究していましたね。

今思えば、学生時代にプログラムを扱っていてよかったですね。CASTのセンサーの研究開発でも、考え方として生かせることは多いと思っています。


知らない分野を勉強する楽しさを実感

―CASTに入社して、大変だったことはありますか?

入社した当初は超音波に関する知識がほぼゼロだったので、お客様からの質問への回答ができず苦労しました。

はじめは中妻に同行してお客様のところへ行っていたのですが、知識がないから質問内容自体がわからなかったんです。議事録を書くのもむずかしかったので少し焦りました。

「勉強するのみだな」と思って、限られた時間のなかで関連する本や記事をひたすら読み漁っていましたね。先ほども伝えましたが、いざ勉強してみると目に見える現象と知識がリンクしてくるのでおもしろかったです。

それに、わからないことは素直に質問していました。超音波について詳しい人に「これってどういうことですか?」と直接話をしながら、理解を深めるようにしていました。


―転職したからこその苦労を、地道に乗り越えてきたのですね。

そうですね。もちろん、やりがいがあったからここまできたのだと思っています。

そもそも、知らない分野を勉強するのが楽しかったんですよ。どんどん理解が深まって、理解したことが目に見える物理現象として起きて、それがお客さんのために役立つのが楽しくもあり、やりがいでもありました。

実は予想以上に出張があって、最初は結構戸惑ったんですけどね(笑)基本的には不具合が起きたらお客さんのところへ行くので、出張が急に決まることも多くて。頻度としては月に2回程度ではあるのですが、実際に行ってわかるお客様の声を大切にできる機会でもあります。

“メーカーでお客様対応”と聞くと営業マンのようなイメージをされるかもしれないですが、私の仕事はどちらかと言えば“保全・サービス”なのかもしれません。お客様の声を聞いて、製品を改良して、また届けて……をくり返しています。


いい意味で発展途上。会社も自分も成長を

―堤さんが思う、CASTの魅力を教えてください。

いい意味で、発展途上だと思っています。CASTのような薄型の超音波センサーを扱っている企業はほとんどありませんから。オンリーワンの特性を持っていて、今の社会はまだうちの技術を知らないことを思うと、広まっていったときに私たちが想像していないような使い方ができるようになるんじゃないかと思うんです。

どんな広がりを見せていくのか、これからが楽しみですし、同時に会社の規模も大きくなっていくんだろうなと思うとそれも楽しみです。


―今後、CASTの一員としてやってみたいことはありますか?

自社でプラント工場などを所有している企業様がいらっしゃったら、お話を伺いたいです。製品リリースをしたものの、現場への取り付けによる検証の回数がまだまだ足りないのが現状でして。とにかくいろんな場所にセンサーを取り付けて、CASTの技術でできること・できないことをより明確にしたいと思っています。

私個人としては、もっとプログラムが書けるようになりたいですね。ハードウェアの開発の経験がメインでソフトウェアエンジニアとしての技術は弱いので、勉強して得意になりたいと思っています。

うちの社風は一言でいうと、ゆるいです。そんな社風の職場で働きたいと思っているソフトウェアエンジニアさんがいたら、ぜひうちに声をかけてほしいですね。得意な方にお願いするときが来たとしても、きちんと対等に仕事ができるように、私自身勉強は続けていきたいです。


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製品及びCASTに興味をもってくださった方は、info@cast-sensing.comまで。

気軽にCASTについて聞いてみたいと感じた方は、深山まで、DMでお気軽にご連絡ください。



コンテンツ設計・取材・執筆:小溝朱里


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