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人間(文化、産業、機械など)は進化し続けるものなのか

NHKで「ウィーン・フィル ニューイヤー・コンサート」を見ている。
とても素晴らしい演奏と演者の技量に目を見張る。
そこでふと思う。
クラシック音楽は1550年頃から現在まで続いており、
ヘンデルだと1700年初頭、モーツァルトが1780年頃、ベートーヴェンが
1800年頃、ドビュッシーだと1800年台後半とかなり長きに渡っている。
漠然と、大体同じ頃に皆存在したのだろうと考えがちだが大違い。

同様に楽器も16世紀なかば頃から今にいたるまで製造され続けている。
有名なストラディバリウスなどは、1600年台〜1700年代に作られており
現存するものもある。
人間やそれを取り巻く様々なもの、事は、なんとなく右肩上がりで
延々と発展、上昇していくように思いがちで、
確かに、電気とか機械、ITなどにはそれは顕著かもしれない。
がしかし、クラシック音楽などは、250年くらい前のものを
未だにやってる訳だし、それを超える作曲家も、僕は寡聞にして知らない。
では奏者はどうか?
250年前の演奏者と今の演奏者では、どちらが上手いのだろうか?
当然「今の方」と答えたいところだが、どうも違う気がしてならない。
だって、250年前にも、同じ譜面で演奏してたのだから。

今日の午前中にNHKで見た、えーっと何だったかな
加賀織か何か、とにかく着物や染め物の番組があったが、
その技術や図柄を考える才能なども、今より昔の方が
絶対に「高かった」と思うのだ。

僕の専門のROCKミュージックもそう。
1950年代(実際はもう少し古い)から始まり、
1960年半ばにビートルズが誕生。
こと、楽器の技術、音響面などは、今の方が高いだろうが
ビートルズの凄さはそんな事では語れない。
作曲能力、作詞能力、先進性など、かつてなかったものを
作り出し、それが60年経った現在でも色褪せない。

僕ら人間もそうなのではないだろうか。
体型(身長や体重)は、確かに大きくなってるだろう。
がしかし、普段考えることとか、人間関係とか
食べていくために働くこと等々、何ひとつ変わってない。
体力でいえば、昔の飛脚は、江戸から京の都まで
3日で駆け抜けたというから、底しれない体力だ。
(もちろん全行程を1人で、ではないだろうが)

その時代の飛脚を現在に連れてきてフルマラソンを
走らせたらどうなのだろう?
あるいは100メートル走など。
もしかしたら、昔の人の方が速いかもしれない。

なので、決して奢らず、また(必要以上の)贅沢を慎み、
謙虚に生きていきたいなと思った。
時間軸がずれ、この瞬間に江戸時代、いやもっと古い時代に
移動したとする。
いろんな不便はあるだろうが、とにもかくにも「生きて」は
いけると思うのだ。



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