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わたしはあなたの探し物係ではない
「ママ,セロテープ知らない?」
「ママ,充電器知らない?」
「知らないよ!自分のものは自分で管理しなさい。なんでわたしがあなたの充電器のありかを知ってないといけないの?」
休みだというのに,ひっきりなしに子どもがわたしに話しかけてきて,その都度,作業が中断される。
何度も何度も聞かれると,うんざりして,ついつい声がとげとげしくなり,イライラしてくる。
家族が休みになると家で過ごす時間も長くなる。子どもが休みでも,夫が休みでも,主婦は休みではない。
わたしには子どもが3人いる。小学生低学年チームの2人は,夫にスイミングスクールに連れて行ってもらう。
ふぅ。仲良くじゃれ合っているかと思えば,すぐに小競り合いに発展する低学年チームがいなくなると,高学年の子どもとわたしだけになるので,静寂が訪れる。
その隙に,洗濯機に洗濯物をとりまとめてお湯洗いし,その間に塾に行く子どもの塾弁を2つ作る。家よりも長く過ごす塾で唯一の楽しみはご飯だろうから,昼と夜のメニューを変える。
そして,子どもを塾に送る。
家に急いで戻って,すぐにzoomをつなぐ。深夜まで入念にチェックしたPowerPointのスライドを起動する。
その間に,洗濯物を取り出して洗濯カゴに入れておく。干すのは夫の仕事だ。
すぐさま,紅茶を淹れてzoomへ戻る。さぁ,これからわたしが主催する講座90分が始まる。
今日は「ペアレント(親業)トレーニング」,略して「ペアトレ」だ。
ペアトレは,2歳から12歳までの言葉が理解できる児童期の子どもに親や教育者がどのように,望ましい行動を増やし,止めて欲しい行動を減らすかを認知行動療法という科学に基づいた心理学のトレーニングだ。
育児は,すなわち「親業務」,仕事なのだ。
親だからと言って最初から,親業務が上手ではないし,ましてや,親業なんて習ったことなんてない。
母親の場合,子どもを子宮内に宿して10か月,自らが「人間保育器」となって,子どもを育むことが始まる。
だが,父親の場合,産まれてからが親業務のスタートになるので,10か月のアドバンテージが母親にはある。
とはいえ,アドバンテージがあろうとなかろうと,親であることは変わりなく,性別によって育児や家事をしなくていいということにはならない。
今の日本では,例え,育児に得意不得意があったとしても,親が子育てはしなくてはならないものになっているから。
でもね,これって,おかしいんだよね。
だって,わたしたちヒトは,群れで暮らすことで種が保存され,食物連鎖の頂点にいる。
森にいたサルだったわたしたちのご先祖様は,木から降りて,背骨を立てて二足歩行して,開いた前足が手になって道具を使い,サバンナの弱肉強食世界を生き抜いた。
群れで暮らせば,外敵から襲われても逃げたり,闘うことができるから。
やがて,わたしたちは高度な文明をなして,発展してきて,サバンナ生活はなくなった。
もはやライオンは敵でなくなった。だけど,違うものが敵になった。
ストレスである。
そして,子育てそのものがストレスになってきた。
原因ははっきりしている。
孤独な子育てだ。
だって,群れで育てるべき生き物を単身の親や核家族で,母親や父親だけが担うんだもの。
(社会学では婚姻前の生まれた家族を「原家族」,婚姻なりなんなり新しく家族となって作ったか家族を「生殖家族」という)
そりゃ,いろいろあるよなぁ。いろいろ,めんどくさいよなぁ。
いくら教育系に明るい心理学者とて,自分の子育てはそう簡単ではない。
知識は武器になって,何にも知らない非専門の親よりはまぁマシだけれど,いかんせん,自分の子どもには感情が入る。
だから,医師やカウンセラーは自分の家族を診ないで,信頼できる他の医療者にお願いする。
平常心な公正さなんて,どっかに吹っ飛ぶのが子育てだ。
だからこそ,冷静な「子育てルール」が必要なのだ。
ということで,ペアトレを90分している間に,洗濯物は干され,子どもたちはプールから帰って来た。
そして,「ママ,お腹空いた」攻撃が始まる。
さぁ,夕ご飯のゴングが鳴った。
わたしの休憩時間はたった30分だ。
子どもたちが眠りにつくまでが,親業の就労時間だ。
なんたるブラック起業なんだろうな,親業務って。
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