イラモヤる朝ドラ「ちむどんどん」考察2
「この人たち大丈夫か?」
この脚本家さんならハズレなし!みたいな王道ドラマのすじがきでも,半年間ほぼ毎日放送の朝ドラともなると,魔がさすようだ。
だから,へんてこりんな方向に暴走して,視聴者を置いてけぼりにするドラマに一定の割合で遭遇する。
その1つが今期放送中の「ちむどん」かもしれない。
「沖縄の人=なんくるないさ」のイメージなのか,「そこ,怒るところでしょ!」「そこ,追及するところでしょ」という
人生で起こる出来事から,何ひとつ学びにしない人たちのドラマに,一視聴者としてイラついている。
その鬱積を晴らしたくて,なぜ,こんなにイラつくのか,記事にした。
そして,LINE公式フォロワーさん限定プレゼントにした。
そうしたら,ありがたいことに「いやはや,もう,ドンズバの分析力,素晴らしい内容で感動しました!!」と,すぐさま反響をいただいた。
「あり得ない!何で何度も失敗するのに,その失敗から学ばない?など,モヤモヤ,イライラ」するのは,わたしだけでなかったのだ。
同様に,10年来朝ドラを観ているけども,「あまりにもイラつくので,どうしても最後まで見る気がせずに見なくなった」とのご感想もいただいた。
個別視聴が普通になった今,世帯視聴率で判断できないし,そもそも,流行をリードする若い世代は,とっくにテレビを離脱している。
だから,誰に向けての「朝ドラメッセージなのか」と言えば,歳を重ねた女性(主婦路線)に向けた脚本なのだろう。
そう言う意味では,ドンズバの世代なんだけども,実に主婦層をイラつかせるドラマなのだ。
なんとなくの習慣視聴や録画視聴の視聴者に合わせて,スピーディな展開にして,事件を多くする戦法だとしても,登場人物たちの行動がひどすぎる。
特に主人公の兄は,いつも金儲けの詐欺にひっかかる。しかも同じ詐欺師に3度目だ。
さすがに学ぼうよ。
と,思うんだけども,この兄は,もしかしたら,失敗から学ぶ力が未熟な知的能力があまり高くない人なのかもしれない。
人間の遺伝では,知的能力は母方から,容姿は父方から遺伝するとされている。
なるほど,主人公の兄の奇行を知っても,兄や主人公の母親は,「にいには,頑張っているから」と責めもせず,ただにこやかにいるだけなのは,母親も同じ知的能力だから,騙されていると理解できない,と考えれば,納得だ。
もし設定がそうならば,例えドラマでも「遺伝子の影響で学習能力がないからダマされるのは仕方ないよね」なんて帰着点だったら,残酷過ぎる。そもそも,個人の努力ではいかんともしがたい,個人の能力をあげつらうことはタブーだ。
たぶん,この兄は,最近話題の「境界知能」の人なんだろう。
知能とは,知能テストの平均知能指数は100で,その平均からどのくらい「逸脱」しているかで知能指数は表される。
平均より高く逸脱していれば,「知的に高い」。
平均より低く逸脱していれば,「知的に低い」と,医学的には判断され,その基準値ギリギリのはざまが境界知能なのだ。
だとすると,この朝ドラって,多様性(ダイバーシティ)の推進と理解がテーマなのかしら。
そうならば,この兄と母に必要なことは,然るべき社会的支援(教育や援助)の道筋がつくことじゃないかな。
支援を家族の問題としてきたのは,日本の政策だけど,昭和の教育や福祉制度の盲点を突く,社会派ドラマなのかしら。
朝ドラって,家族ドラマじゃなかったっけ?
最近の朝ドラは,起業する職業婦人の主人公が多いから,社会問題が裏テーマなのかしら。謎。
そんなことを塾弁当を作って子どもを送り届け,YouTubeの原稿を作り,動画を撮ろうとしたら,Wi-Fiが上手くいかず,時間だけがどんどん過ぎる。
お盆休み分の振り替えピアノレッスンなので,他の子をお迎えに行って,ピアノを弾かせ,その後はひたすら家庭保育しながら,つらつら思った。
ああ,家族ってめんどくさいな。
「それが醍醐味なんだよ」
今日も,イラつくドラマをみながら,わたしの心もアンビバレント(両価)に揺れ,独り言ちる。
だから,人間って面白い。
論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。