『おまえのせいで、うつになったんじゃ、ボケ!』第17話:次回の予約をする
12月15日 午後6時13分
××クリニック 待合室
受付「次回の予約ですが……」
ボク「はい」
受付「薬の処方が三日後までなので、三日後の今ぐらいの時間でいかがですか?」
ボク「え? 電話で予約をお願いした時、かなり先まで埋まっていましたよね?」
受付「初診の場合は、時間がかかりますので、そうなるんですよ」
ボク「そうですか……。あ、でも、三日後に仕事休めているかどうか分からないんです」
受付「じゃあ、また後ほどお電話で予約ということになさいますか?」
ボク「はい、それでお願いします」
受付「インターネットでも予約できますので、こちらもお持ち帰りください」
ボク(だいぶ、進んでいるな)
インターネットで受付ができるなんて、驚きました。
しかし、心療内科に通院を続けると、この仕組みのありがたさが自然と分かるようになります。
こういう病気なので、人と話したくない日も多く、また、どうしても外出できない(布団から出られない)こともあります。
その時に、予約時間が迫ってキャンセルしたいから、電話できるかというとそんな状態ではないのです。
だからといって家族にそれを頼むかというと、その頼むこともできないわけでして。
そんなときに、このインターネットでの予約システムにとても助けられました。
これは心療内科ならではかもしれませんが、感心したのは他にもあります。
ボクが待合室で待っていると、かなり待たされることがあり、「初診患者かな」とも思ったのですが、診察室にはだいぶ前から誰も入っていません。
自分の順番を飛ばされているのかと思って、受付に聞いたところ、途中割り込みで、電話での診察を受けている方がいたということでした。(この“裏技”をボクも利用したことがあるのですが、その際の診察代は次回の通院時に加算されて請求されます。)
心療内科の場合、インターネットで予約・変更・キャンセルのできる病院に通っているのであれば、受付で予約しない方が良いと思います。(ボクは当初、受付で予約していたのですが、後々お話するある怖い出来事に巻き込まれてからは、予約をインターネットに変えました。)
また、受付の方も、予約システムは患者と同じものを使っていました。それが分かったのは、
「面倒なので、毎週火曜日のこの時間で、二ヶ月ぐらい一気に予約してもらえませんか?」
とお願いしたところ、未来の予約上限が患者のインターネット予約と一緒だったのです。
なので、受付予約で良い点といえば、受付の女性と会話ができることと、次回の予約用紙がもらえるぐらいかもしれません。
そういえば、受付の女性がとても美人で、その人に会うのが楽しみで通院していた時期がありました。
本当はそういう目的はいけないのでしょうが、でも、楽しみなのだから、仕方ないのです。
うつ病は外出するのがつらいことが多く、通院する日にそうなることも良くあります。そんなときは、この邪な感情により奮い立つのです。
「あの女性が待っているんだから、病院に行かないと!」
でも、正確には、待っているのは心療内科の先生です。“女性”でなくオッサンです。
男性に限って言えば、うつ病の治療で大切なのは、診察でも投薬でもなく、もしかしたら、エロパワーなのかもしれませんね。
結局、その女性は、すぐにやめてしまって、それからは、自分のお母さんぐらいの年配女性の方が受付をするようになりました。通院の何回かは、
「あの人、どうしたのかなぁ? あ、勤務シフトか?!」
と思って、いろんな時間帯に予約を入れても、一向に逢え……いや、会えません。さりげなく、年配の女性に聞いたところ、辞めたということを知りました。
さて、インターネット予約システムの話に戻ります。
このシステムには致命的なミスがあります。
予約が十日ぐらい少し先であれば、問題ないのですが、当時のボクのように数日先に通院したい場合、空きがなく次回予約が取れないのです。
どうしてもビジネスマンは、仕事帰りに通院するケースが多いようで、17時30分以降なんかはもう激混みでした。
そんなときは、受付に相談し、割り込みさせてもらったこともあります。
再診の場合は十五分での診察が原則となっているようで、それほど時間が掛からない再診の方や薬だけの方の後に入れてもらえることが多かったように思います。
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