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『おまえのせいで、うつになったんじゃ、ボケ!』第50話(最終話):家族に支えられる

4月2日午後6時48分
自宅玄関


 
子ども「パパ、おかえり!」

ボク「あ、うん」

妻「おかえり!」

ボク「あ、あぁ」

子ども「ねぇねぇパパきいてきいて、きょうはね、きょうはね……」

妻「もう!テーブルの上、片付けてなさい、ご飯にするよ」

子ども「はぁーい」

子ども「あー、おなかすいたぁー。ねえ、パパは?」

ボク「うん、すいたよ」

子ども「ママ、パパもおなかすいたってー」

妻「じゃあ、ごはん、急いで並べなきゃね」

子ども「ママ-、ママもおなかすいたー?」

妻「うん、ゲキへり」

子ども「もう、ママはくいしんぼうだなぁ」

子ども「?パパ、どうしたの?」

ボク「………………」

子ども「ママー、パパがへんだよぉー」

妻「!ど、どうしたの、パパ?」

子ども「パパ-、だいじょうぶ?」

ボク「………………、………………ま」

妻「?」

子ども「?」

ボク「みんな、ただいま!」

妻「……」

子ども「……」

妻・子ども「「パパ、お・か・え・り!」」


 
 
あの日、ボクは仕事中に倒れ、そして、うつ病と診断されました。
 
病気になって、ボクは多くのものを失いました。

でも、失わなかったものも、あったようです。
 
ボクは、いまもうつ病の治療をしています。薬を飲まないといけない体です。

そんな状態なので、誰よりも劣っていて、周りに迷惑を掛けながら、働いています。

 
この先、どんな未来が待っているのでしょうか?


未来を悲観してばかりのボクでしたが、

「それは自分次第なのかな」

って、最近、少しだけ、ほんのちょっとだけですが、思えるようになってきました。
 

毎日、玄関のドアを開けると、その先、家の外で、一体、何が待ち構えているのか?

今でも分からず、それを不安に感じる一方、確実に分かっていることが一つだけあります。

それは、家に戻るときの玄関のドアの先には、家族が帰りを待っているということです。
 
だから、ボクは家族に「ただいま」を伝えに、今日も一歩前に踏み出します。

「行ってきます」

って言う言葉を添えて。












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