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『おまえのせいで、うつになったんじゃ、ボケ!』第7話:心理カウンセラーに相談する

11月8日 午前10時2分
某カウンセリングセンター 相談室

 
心理士「きょうはどんなご相談でしょう?」

ボク「いろいろあって、かなりストレスがあるというか、不安と怒りが錯綜
していて……」

心理士「分かります分かります、大変でしたねえ」

ボク「え、分かってもらえますか? それで、特に寝れないのがすごく大変
なんです」

心理士「では、リラックス方法を身につけて、次回までご自宅でもやってみ
てください」

ボク「………………」

心理士「目をつむってー、腕の力、体、足の力が抜けまーす。深呼吸して
ー」

ボク「………………」

心理士「……はーい、少し顔色がよくなりましたよ。では、次回はいつにし
ま……」

ボク「あ、あの、ボクは良くなったのでしょうか?」

心理士「そうですね。で、次回の予約ですが……」

 

 
働いていて悩みがあった場合、“上司や人事にすぐ相談”なんて聞きます。

所属している組織や立場によって、一概にはもちろん言えないのですが、もし心因的な原因と感じた場合、ボクは会社関係に相談することは絶対に避けた方が良いと思います。

実は、まだここまで深く悩んでいなかった時、上司に相談したことがありました。

自分では、相談したつもりだったのですが、“不満”を持っていると、にらまれてしまいました。それが上司の都合の良いまま、他にも伝わり、非常につらい思いをしました。

そんな状況に陥り、誰にも相談できない状態となってしまい、

「どうしてこんなに悩んでいるのに、誰も気にしてくれないんだ、助けてくれないんだ!」

と思い始め、その結果、上司も人事も、敵としか考えられなくなってしまいました。

でも、一方で、なんとなく自分が危険な状態にいることが分かっており、それを誰かに伝えたい、相談したいという気持ちは日に日に大きくなります。

 
そんなある日。

加入していた保険から保険料の引き落としの案内が届いた際、“こころのお悩みサポート”という無料相談ができるサービスを知り、すぐに電話をします。

このコールセンターでは30分程度の制限時間で、一回の相談内容に対して一つの相談ごとのみのアドバイスをしてくれます。

相手の顔が分からない初対面だからこそ言えることもあり、どちらかというと、話しながら、自分の心の状況を整理するメリットがありました。


その一方でデメリットも。
担当者による受け答えのレベルにバラツキがあるのです。見習いのような担当者にあたると、相談してイライラしてしまうこともありました。

ただし、どんなベテラン担当者でも、やはり30分という限られた時間では解決できないことも多く、その場合は「次のステップとしてはどうすべきか」といったアドバイスをもらって終了となります。何度も無料電話サービスを受け、その終わり際のアドバイスは、

 1)専門医に診察してもらった方が良い
 2)電話から対面式カウンセリングに切り替える(年に数回までは無料なので)

という二つの意見に割れました。(同じコールセンターに電話して、意見が統一されていないのはどうかと思いますが。)

ほとんどの場合は2)を勧められました。1)については一人だけ勧められました。ただ、当時のボクは、専門医に診てもらうことについて、かなりの抵抗があり

「気になるのであれば、専門医に診てもらうのも選択肢の一つかと思います」

 と言わると即座に、

「いや、それって、専門医に行くほど、心の状態が悪いってことなんでしょうか? しかも、30分ぐらいの会話で、なんでそういう判断ができるか、よく分からないんですけど!

とテッペキなガードで拒絶。担当者に牙をむきました。

結局、その次のステップとしては、2)の対面カウンセリングを申し込むことにしました。(チケット制ですが無料でしたし。)

予約はすぐできると思っていたのですが、都心という場所の条件では、一ヶ月ぐらい先まで埋まっていました。

なるべく早く、対面カウンセリングを受けたかったので、遠方でも良いので再び調べてもらったら、日時は二週間先の朝一、担当は提携先のカウンセラーという条件でようやく予約ができました。

その当日、子どもの頃にカブトムシを捕りに行ったぐらいの早朝に起き、向かいました。

かなり小汚いビルの一室で、何かの間違いかなとも思ったのですが、看板があるので、間違いないようです。インターフォンを鳴らすと、かなり高齢の女性が出て来ました。

名刺をもらうと、さっそくカウンセリングが始まります。やたら時間と次回の予約を気にしており、途中で次の方が時間を間違って来るし、ハプニングだらけ。
「この時間に予約したのは間違いない」
「だから、予約はとれていないんです」
「そんなはずはない、おかしい。それはおかしい」
「おかしいのは、あなたですよ!」
といった口論を玄関先でしているのと、奥の部屋で聞いて、帰ろうかなぁと何度も思いつつも、それには玄関を通らないといけないので、まさにいてもたってもいられない状況です。


結局、開始時間10分すぎたころ、ようやく始まりました。
一つだけ「あなたは決して心の病ではなく、がんばりすぎているだけ」とアドバイスをもらえたのが唯一安心できた部分で、それ以外は、なんか、次回の予約を催促されただけで、なんだかなぁって感じでした。

ただ、このフレーズは、カウンセラーが良く使う共感の常套句なんですよね。

もちろん、次回の予約はせずに帰り、それ以来、対面カウンセリングを受けていません。







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