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『おまえのせいで、うつになったんじゃ、ボケ!』第46話:薬がさらにどんどん増える

3月30日午後6時14分
××クリニック診察室


 
先生「復職して、一週間。どうでしたか?」

ボク「想像以上に大変でした」

先生「現在、どういう仕事をしていますか?」

ボク「事務処理というか、誰でもできる仕事です」

先生「やってみてどうですか?」

ボク「あ、そういえば……ミス……ばかり……して……います」

先生「最初は仕方ないですよ」

ボク「いや……でも……」

先生「夜は寝れていますか?」

ボク「最初はぐっすりでした。あ、でも、ここ数日は……その……」

先生「いまの薬の量では、厳しいようですので、増やしましょう

 

 
復職して一週間。

これほどハードだとは思っていませんでした。


復帰して三日ぐらいで、既に限界に達していたのかもしれません。

寝てもなかなか疲れが取れずに、職務中、夕方になるとウトウトしていまいます。

「ずっと休んでいたんだし、働く環境に慣れるまでは仕方ないか……」

と思うようにしていたのですが、一向に慣れてきません。


いろいろと気を付けていても、ミスは減らず、これでは、うつ病で倒れる直前の状態と全く変わりません。

こんなミスばかり、いままで休んで治療してきたのはなんだったんだ!

自分への不甲斐なさと怒りで叫びそうになります。

 
何度か、先生から薬の増量の提案がありました。


しかし、増量してしまうと「うつ病に負けてしまった」ような気持ちになります。

なので、一度は増量を断り、だましだまし生活するのですが、次第に耐えられなくなし、結局、薬を増やすという選択を受入れました。


休職前後では、次のように普段の心身の状態に変化がありました。

1)休職中:体と頭を休めた状態

2)休職後:体と頭を使った状態

休職中の1)の状態でもうつ病が安定していなかったのに、復職することでいきなり2)へと突入します。この状態を乗り切る為に、薬の量が増えるのは当然かもしれません。

結果、2)の状態が続けば続くほど、薬はどんどん増えていきました。

「仕事と仕事の合間に、少し休憩を入れなさい」と先生からアドバイスをもらったものの、一度仕事をするとテンパって止まらず、昼休み以外で休憩することなんてムリでした。
 

すぐに投薬による限界を超えてしまっていたようで、この時期、薬を増量すると、いままで味わったことのない副作用も出てきました。

具体的には次のような症状です。

・手のしびれ
・眠気
・便秘

“手のしびれ”と“眠気”については、仕事に支障をきたすぐらいの副作用でした。

パソコンを使った事務処理がメインなのに、手がしびれてキーボードが打てず。

少しキーボードから手を外して、そのまま腕組みして温めてみていたら、いつの間にか居眠りをしてしまいます。(腕組みをしながら居眠りというのはかなりエラソーですよね。)

自分のイビキで起きたりするぐらいの深い眠りに陥っていました。


また、“便秘”は、いままで経験したことのない苦痛でした。

チラッと聞くこの手の女性の悩みに共感し、電車で美しい女性のお肌が荒れているのを見ると、「あの人も便秘で困っているんだなぁ」と余計な同情をしたぐらい、頭の中は便秘で一杯な日もありました。

 
薬の増量ですが、その途端に効果が出たり、副作用が出たりはしません。

うつ病の薬は効き目が遅いので、これが副作用だと把握するのもやはり遅かったです。

困ったのが、薬を減らした効果です。副作用は確かになくなるのですが、それが薬を減らした効果なのか、体がその副作用に慣れてしまったのか、分からないのです。

 
復職してからは、いままで慎重に処方されていた薬が、急激に増え、また、いままでの飲んでいた薬が突然変わるということもあったので、それほどボクの状態が悪かったようにも思います。(先生からは、再度、休職することを何度も勧められたのですが、それだけはイヤだと拒み続けた結果、加速的に薬の増量が進んでいきました。












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