『おまえのせいで、うつになったんじゃ、ボケ!』第6話:胃薬が手放せない
※※※この話はかなり過激な表現が多くありますので、体調が悪い方は見ないことをお勧めします。※※※
10月30日 午後1時18分
電車内 3号車
上司「今日のプレゼンが、勝負ドコロだな。頼んだぞ」
ボク「そ、そうなんですか?」
上司「あぁ、今日がダメなら、次はない」
ボク「(ゴクリ)……分かりました」
上司「なんか、顔色悪いけど、大丈夫か?」
ボク「(胃薬飲んだから)だ、大丈夫です」
上司「プレゼンの冒頭だけはオレ。その後、最後まで任せるからな」
ボク「(胃薬飲んだから)だ、だいじょうぶ。ま、任せください」
上司「先方は少しヤッカイなヤツも出て来るかもしれないが……」
ボク「(胃薬飲んだから)き、気にしないです!」
上司「いや、そこは気にしろよ。(コイツ、大丈夫か……)」
この頃、胃薬が手放すことができなくなります。
朝、家を出る前に、胃薬
昼、食べたら、胃薬
夜、寝る前に、胃薬
ストレスで過食気味だったので、胃薬は飲んでいたのですが、それがいつかか、緊張をほぐす意味合いで飲むようになりました。
ただし、飲むのはウィークディだけで、休日は、なぜか全く必要としませんした。
そもそも人見知りで、人と接するのが嫌でIT業界に入ったのに、いつの間にか、お客様へのプレゼンテーションや、社内レビューの苦手な場面が増えていきます。
当時のボクは、苦手意識があっても、決してそこから逃げ出さない。
プレゼンが苦手なら、著明な方のビジネス書を読んだり、スティーブジョブズのプレゼンを動画で繰り返し観たり、講習会に(自腹で)行ったりして、何かしらのコツをつかんでから、実践。
ありとあらゆるものに対して、真っ正面から立ち向かっていました。
っていうか、いま思い出したのですが、けっきょく、パワハラ上司のパワハラが怖くて、ひたすらそれに怯えて脱げることができなかっただけなんですよね。
そういう姿勢だから、パワハラ上司にとってはそうとう都合が良かったようで、いろんなことを押し付けられていました。(そのときは「任せられた」と思っていたんですけど。)
でも、失敗は多いものの、やり通すことで、いつの間にか、
「自分は、ヤッパリ仕事できるなぁ」
と思うようになっていました。(受注は出来ず、実はサッパリ仕事できてないのですが。)
そんなこといっても、結局は、都合良く押しつけられていただけ。
だって、結果が悪ければ、
「おまえの最後の方、あの説明がダメだったんだって!」
と、自分のせいにされ、結果が良くても、
「今日持って来た製品のデモンストレーションに救われたな」
という感じで、デモンストレーションをした他の社員や協力会社の評価となります。
ほぼ徹夜で作った資料も、全てパワハラ上司の名前に変わって出ていく。
そんな異常な日常生活、やっぱりおかしいですよね?
だけど、やっぱり怖くてそういう思考にならないんです。
そんな状況だから、事実、ボクは自分自身、頑張っていると感じつつも、会社から評価をしてもらえませんでした。
何度もバカらしくなり、投げ捨てようと思うと、そんな時に限って、しかも、絶妙なタイミングで
「見ている人は見ているぞ」
この一言を上司から聞くことになります。それにマンマと騙され、ボクは仕事の取組み姿勢を変えませんでした。(こういう“奴隷系な意識の高い人”って、みなさんの周りにもいません?)
締切が近くて、途中経過が良くなかったら、メッチャキレるだけで、誰も見ている人はいなかったなぁ。
そもそも「見ている人は見ている」んだったら、このパワハラ上司は、管理職から降格しているし、とっくにクビになっていただろうし、あーなんで、そんとき気づかなかったんだろう。
ほんと、洗脳ですよ、あいつがやってたことって。
こういった無理がたたったのか、体に変調が出始めたのは、この頃からです。
もう、気分的ではなく、本格的に胃、特に下腹部がキリキリ痛くなって、吐き気もするようになってきました。日によっては、お腹が下ったり、吐いたり、体に変調をきたすようになります。
そんな時、ボクは胃薬を飲のですが、その途端、スーッとして、即効性もあり何もかもが治ったような気になります。
「さすが、生薬配合! 今の自分には、この生薬こそが必要だったんだ!!」
なんて自分に言い聞かせて、そのテンションで緊張する場に出ていました。
このようにサプリメント感覚で、いつの間にか胃薬はボクの常備薬になりました。
でも、うつ病で通院し、その治療を開始してからは、ストンと胃薬の出番がなくなりました。
……ということは、やはり、心因的な問題だったのでしょうね。
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