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【ちょこっとジェンダー講座①】   女性活躍とアンコンシャス・バイアス

こんにちは。ひとケアワークLab.の巽 真理子(たつみ まりこ)です。
ひとケアワークLab.が開催している「きちんと伝えて組織と地域を変える!ジェンダー講座」。
今回は、1月20日に開催した第1回「女性活躍とアンコンシャス・バイアス」の大切な部分を、ちょこっとだけお届けします。


ジェンダーとは?

「ジェンダー」という言葉は、元は女名詞・男名詞などを指す文法用語でした。それが、現在のような意味で使われ出したのは1960年代ごろから。その後、1970年代の女性運動を契機に、女性学・ジェンダー研究者によって広く採用され定着しました。

「ジェンダー」は研究者によって様々に定義されていますが、私はこのように説明しています。

性別を「子どもを産むかもしれない身体」をもつ女と、そうではない男の2つに分け、それぞれの性に社会的・文化的な役割や責任を割り当てることによって、つくられる性差

この「ジェンダー」という定義は、2つの矛盾をはらんでいます。
・性別を男女の2つしかないと考えていること。
 :LGBTQの人たちの存在を見えなくする考え方です。
・その人がもつ能力や個性、希望などを無視して、男女という性別によって、その社会の中での社会的・文化的な役割や責任を決めつけられること。

性別によって決められる「当たり前」を疑う
:ジェンダーの仕組み

社会の中にあるジェンダーという仕組みは、かつてはずっと変わらない社会構造だと考えられていました。でも現在では、ジェンダーは歴史的・社会的・政治的に変わっていくものだと考えられています。

たとえば、戦後日本の男女の生き方を考えてみましょう。
1970年代の高度経済成長期には、男性は一家の大黒柱として企業戦士になって外で働き、女性はそんな男性を支えて家の家事・育児などを一手に引き受ける専業主婦になることが理想だと考えられていました。
それが、1985年に男女雇用機会均等法が施行されて、女性も「男並み」に働けば男性と同様に出世できると言われるようになり、2016年に女性活躍推進法が施行された現在は、女性も出産しても辞めずにバリバリ働くことが期待されています。一方で男性は、パパ育休が注目されているように、外で働くだけでなく、かつては専業主婦が引き受けていた子育てにも関わることが求められています。

たった三世代を経ただけでも、こんなに理想の女性像・男性像(女らしさ・男らしさ)は変わってきているのです。

日本の現状と女性活躍推進、ダイバーシティ推進の必要性

日本は少子化社会であることは、ご存じかと思います。
少子化がものすごい勢いで進んでいるので、労働人口が減っていて、いろんな職種で人手不足が問題になっています。
同様に、家庭のケアの担い手も減ってきています。特に介護。

このように今の日本は、性別に関わらず、ケア(子育てや介護など)を抱える時代になっています。そして、ケアを抱えていない人も、自分のための時間は大切。だからこそ働く人みんなにとって、ワーク・ライフ・バランスが大切なのです。

ダイバーシティを阻むもの:アンコンシャス・バイアス(無意識のバイアス)

同じ職場で働いていても、同じ家で暮らしていても、考え方が同じとは限りません。みんなお互いに「違う存在」だと認識して、その多様性を尊重し合うことが大切です。それが、ダイバーシティ&インクルージョンです。

そんなダイバーシティ推進を阻むものの一つに、最近話題になっているキーワード「アンコンシャス・バイアス」があります。

「アンコンシャス・バイアス(無意識のバイアス)」
誰もが潜在的に持っているバイアスのこと。育つ環境や所属する集団のなかで知らず知らずのうちに内面化する、既成概念や固定観念。

アンコンシャス・バイアスは、誰もが持ってしまっています。
私も、ジェンダーを学び始めて20年以上が経ちますが、それまでに30年以上、家庭でも学校でもジェンダーに縛られて生きてきました。なので、ジェンダーは社会に必要ないと確信しながらも、私の中のジェンダー・バイアスを完全に拭うことはできていません。
しかし、自分がどんなバイアスを持っているのか、知ること・気づくことができれば、そのバイアスを行動に繋げない・避けることができるようになります。個人だけでなく、組織的にも「誰もがバイアスを持っている」ことを前提にして、制度設計やチェック機能の強化をすることが重要です。

ジェンダー視点をもつと、それまで見えていなかった、自分が暮らしている社会の中にあるジェンダーに気づくことができます。
組織や地域を変えていくために、まずは自分がジェンダー視点をもつところから、一緒に始めてみませんか?

ひとケア・ワークLab.企画
「きちんと伝えて組織や社会を変える!ジェンダー講座」

オンラインなのでどこからでも、1回だけでも、参加OKです。
各回(土)10:00~11:30 ※お申込は各リンク(Peatix)から
第1回 1月20日「女性活躍とアンコンシャス・バイアス」 終了
第2回 2月17日「働き方とジェンダー(男らしさ)」
第3回 
3月16日「子育てとジェンダー(女らしさ)」
【参加方法】オンライン(ZOOM)※グループワークを実施します。
※カメラとマイクが使える静かな環境からの参加をお願いします。
【参加費】3,300円 / 回(税込)

受講者だけが参加できる、一緒にジェンダーについて学ぶコミュニティ「おとなゼミ」も計画中です。お楽しみに!

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