若者にかかわるすべての支援者へ!
お待たせしました。時代の変化にあわせてバージョンアップした新訂版の誕生です!
作り変えたわけ
10年前(2014年)に刊行した本の「新訂」版です。なぜ作り変えたかというと、10年経って若者にまつわる種々の課題がますます社会問題として顕在化しているのが一点、10年経って社会保障制度と若者の志向が着実に移り変わっているのがもう一点。大麻入りグミが店舗で買えたり、小学生が市販薬のOD(大量服薬)で救急搬送されたりなど、一昔前には考えられなかった事象です。それらに強く関与しているSNSの急速な進化はこの10年に起こりました。
一方で、現場の「若者支援」には技術的な進展がそうはみられない。だったら現代バージョンで専門スキルを改めて紹介しよう。それが「新訂」の理由です。
「若者支援」は上級編
10代20代の若者に心のケアを必要とする「何か」が起こる。それは精神科由来の病気だったり、健康な成長過程に現れる内面の揺らぎだったり、家族歴や生活環境を背景として問題化したものだったりします。
このとき登場するのが支援者です。しかし、「他の年代のような支援はなかなかできない」といわれています。理由の一つは、制度と制度の狭間に落ちて利用できる福祉サービスが少ないこと、もう一つは心身ともに成長途上にある思春期・青年期へのかかわり方が現場で十分に技術化されていないことです。
それでも取り組むのは意識の高い人
使える「サービスがない」「援助技術として確立されていない」というのは支援にとって致命的です。このとき「サービスがないから仕方ないな」「できる範囲でやろう」と考えたとしても、誰もそのことを責められないでしょう。だって、手立てが限られているんですから。
しかし、なかには兵(つわもの)がいます。最善を尽くすべく愚直に取り組み、うまくいかずに悩んで、それでもやがて立ち直って前に進んでいく人たち。実際、現場はこういう人たちに支えられています。
“専門スキル”ここにあり
そうした実情もふまえて、本書は「若者に特化した援助技術」を体系としてまとめています。若者支援でポイントになる7つのテーマについて「かかわり方の基本」を解説し、支援者がよく遭遇する場面は事例編として特設し、対応の流れを詳述しています。
内容のコア(核)はそのままに、昨今の新しい風を入れて全体構成には事例が加わりました。「かかわり方」を扱った類書はなく、本書が唯一無二の専門書です。
著者「ニシクマさん」に注目!
著者の西隈亜紀さんは、新聞記者から精神科病院のソーシャルワーカーに転身し、現在は若者専門のグループホーム施設長として、若者一人ひとりの可能性を信じ、そして見つけ、社会に送り出すべく毎日に勤しんでいます。
専門家が少ない業界だけに、知識・技術を持っている人とそれを必要としている人がつながることが重要であると、これは編集者としての認識です。
ぜひ、「ニシクマさん」に直接お声もかけていただき、日々の活動に還元していただきたいと思っています。ご本人も「どこにでも行きます」とのことですから、橋渡しもさせていただきます。
パワーアップした本書を存分にご活用ください。
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