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カジュアル面談って何だろう⁉ポジションで見ている風景が違う3つの理由


SNSで盛り上がったテーマであり、賛否両論が入り交ざっており、トレンドになった。
スカウトメールでもカジュアル面談という言葉をよく使うようになったけど、この定義についてはどうも役職で見ている景色と思い込みと先入観からズレてしまっているのではないだろうか⁉

経営者の目線から考えると…

SNSのタイムライン上に出てきてびっくりした。
カジュアル面談とはいえ、お会いさせていただく方が弊社のことをなにも知らずに臨まれるケースが立て続けにあった!カジュアルを履き違えてるなーとおもう!こちらだってキャリア履歴なりSNSなり拝見して準備して臨んでるから、最低限ネットで拾える情報くらいさらっと見ておいてほしい今日この頃!』という内容であった。
経営者からするとすごく腹が立つのもよくわかります。
面談とはいえ、相手の会社やホームページを見てくるのは当たり前だというのはすごくよくわかります。
しかも、面談する人が経営者ということであれば、時間を割いて話をしているんだから、最低限のマナーは持っていてほしいということを言いたかったのかもしれませんね。
自分の時間を無駄にしたと感じてもしょうがないことです。
採用に本気だということを言いたかったのかも知れませんが、どのように切り取られてもいい、どう解釈してもいいということになると、バックボーンがわからないのと、前後の文脈や感情の移行がわからないと、正確なことは言えません。
当たり前のことを馬鹿にせず、ちゃんとできる人でないと応募できませんと受け取られてしまったとしてもおかしくありません。

人事も同じことをやっている

カジュアル面談ということを書いていても、履歴書、職務経歴書をお持ちくださいという企業も多い。
履歴書、職務経歴書を出すということは応募意思ありで、書類選考通過でカジュアル面談という0次選考をしている企業が8割ある。
ここにあるのは、企業が上、面談に来る人が下という構図が無意識のうちにあり、履歴書、職務経歴書をもらうことで、社内的には面接カウント1ということにされるからやっている。
社内営業的にさぼっていませんよ、頑張っていますよ!ということを示したいだけかもしれません。
採用活動をしているけど、いい人がいないということをいうための自己防衛的なところもある。
自分たちのチームの採用については権利があるけど、そのほかの採用については、現場や役員が握っている。
他のチームであれば、現場を巻き込んでのカジュアル面談であればいいのですが、人事単独のカジュアル面談というのは意味が分からない。
採用権利のない人が採用判断をする矛盾がそこには派生をしているから。

応募者側から考えてみると

応募者側から考えてみると選考ではないという認識がある。
面談ということで会社のことを知るチャンスを得たというぐらいである。
ホームページや口コミサイト、転職サイトではわからないことを聞くことができるチャンスであり、自分をアピールすることができるチャンスでもある。
しかし、選考でもないし、会社説明会ぐらいのレベルで見られていることが多い。
面談者がわかっていれば少しSNSのチェック、ホームページを見て何を扱っている会社なのかぐらい、浅い調べで面談に臨むことが多い。
なぜかというと応募するか、応募しないかは面談後に決めたいと考えているからである。
ちょっと興味はあるけど、決定打のない状態でのカジュアル面談と考えている人が8割。

理屈じゃね~んだっ~

自分が当たり前と思っていることも、他人にとっては優先順位が低いことがよくある。
自分の常識は他人の非常識であることが多い。
経営者や人事は、カジュアル面談とはいっても、会社名があるのだから、スマホでググってざっくりとどんな会社かな⁉というイメージはしてほしいという気持ちはわかります。
スカウトメールが来たからポチっと押してしまって、約束してしまったからドタキャンすることもできないし、リモートでのWEB面談となると厳しいのが現状。
対面でやると、同じ空気、同じ時間、同じ内容を共有することができるけど、WEBになると同じ時間の共有しかできないから、熱意がつたわりづらく、間抜けになってしまうのは仕方ない。
これのタイパ、コスパで考えるといい事かもしれないけど、対面で話をすることはもちろんですが、スカウトメールの内容についても会社のHPのアドレスや会社概要とポジション募集について箇条書きで書いておくと親切である。
相手の視点に立って考えることがすごく重要なんだけど、おもてなしの心がないスカウトメールが実に9割あるというのが現状である。
また、新卒が3年以内に30%以上辞めてしまうという社会問題については、長年企業が先送りにしてきた問題がそこにはあるからです。
ジョブ型への移行もあり、希望する職種や部署に配属をされることが保証をされている分、希望と違う場所への配属は退職へリーチをかけることになります。
ハズレくじを引いたということで、配属ガチャという言葉でまとめられてしまう。
本人はそこで結果を残そうとは思えないから、人間関係もこじれてしまう。
そうすると退職代行業者から『退職の意思表明と出勤しないこと』を伝えられてしまうことになる。
企業側が社員に寄り添っていく時代であり、昭和、平成のような企業がキャリア権を握る代わりに、雇用を保証するという時代ではないということ。
アップデートができない会社については、魅力が落ちるため人手不足になり、現場が疲弊していくことになって、事業が立ち回らなくなってしまうリスクがあるという危機感を持っていないといけない。

面談と面接の定義があいまい

面談というとハードルが低くなり、ざっくばらんにいろいろな話をする場であるというイメージが強い。
面接ということになるとちゃんと下調べをして、面接に受かるように深く調べて、面接トークを考えたりする人も多いと思います。
面談については、会社のことを知ってもらう、社員の人となりを知ってもらう、会社の雰囲気を感じてもらうということに重きをおいてほしい。
スカウトメールが送られてきて、いきなり面接となると転職意欲が高い人ならポチっと押すことができるけど、転職するかどうか迷っている人にとってはハードルが高い。
転職サイトには登録をしている人の8割は自分の市場価値を調べるために登録をしている。
ここでいう市場価値とは、有名企業や大手企業にチャレンジできる権利があるかどうか、スタートアップ企業で自分の実力を試せる権利があるかどうか、年収が今以上にあがるのかどうかなど、人それぞれである。
高い年収を狙うのであれば、平均年収の高い業界であったり、伸びている業界に属する企業を選択することになる。
上場企業やスタートアップ企業であれば、年収が高い傾向があり、中小企業については、後手を踏むことになってしまう。

最近増えている、ファーストアクション!

いたるところでグレーゾーンになっているのが、カジュアル面談。 面談だから気軽に何でも質問してくださいといいながら、退出するときには「後日、今日の結果についてご連絡いたします」といっている。
会わなきゃわからないのはよく分かるけど、企業のエゴじゃないかという疑問が湧いてきました。 skype、zoom、FaceTimeなど、これだけインフラが出来上がっているのに、来社して面談をする意味があるのだろうか? 時間とコストが見合っていないのかと感じたのは、転職相談に来た20代後半のエンジニアの男性がきっかけになった。
会社を理解してもらいたいからという理由で、カジュアル面談ということだったけど、実は選考要素が満載だったことに、疑問を持って彼は相談に来ました。
「面談はお互いに情報交換をして、より深く理解することだと思っていましたが、選考要素が多く、普通の面接と何も変わらなかった。これって、人事が書類で気になったけど、次点だから呼んで判断をすることなんですな?」と怒り気味に相談が始まった。

面接、面談をきちんと理解していない人事が9割

オフィスに来てもらうことは、時間もお金も候補者が使ってくるわけですから、何度も来てもらうというのは選考に対するイメージがあまり良くなくなってしまいます。
カジュアル面談ということであれば、ざっくばらんにいろいろな話をする機会であり、お互いに理解度を深めるために呼ぶことが本来ではありますが、履歴書と職務経歴書をもらわないから面談という認識の人事が多すぎます。
大抵の企業の人事採用担当者には、採用決定権がないわけですから、人事面接がOKなら、現場、現場マネージャー、役員とステップを踏むのがほとんどです。
人事マネージャーとしても、給与レンジや社内の◯◯さんレベルと判断をすることが目一杯であり、採用するかしないかは現場マネージャー次第というのが通常です。
それであれば、選考をしながらジャッジを早めて、候補者を口説く時間があってもいいのではないだろうか。
カジュアル面談という建前を使わずに、会社説明30分+面接60分ぐらいとしたりしたほうがまだ、候補者としても選考の意識が強くなるでしょう。
面談という建前で言ってみたら面接だったということは、印象を悪くしていることに全く気づいていない。
面談が終わる際に、「今日の結果については後日お知らせをいたします」というフレーズはでてきません。

カジュアル面談という言葉のマジック

「カジュアル面談」という言葉ですが、これは人事が考え抜いた言葉ではないかと感じることが多々あります。
選考という言葉を使うと身構えてしまい、お互いにいいところを見せるため、雇用のミスマッチが起きてしまう原因と言われてきました。
面接でその人のスキルや人間性を見抜けることはできませんし、優秀な人材、有能な人材、即戦力候補の人材を見分けることができるわけではありません。
現在の法律上、雇ってしまったら解雇をしづらいというのが現状です。
労働者が優位になっているので、解雇事由に該当するか、就業規則に抵触するなど、重大な過失がない限り、解雇をすることが難しいんです。
離職率の定義も曖昧ですし、採用条件も曖昧、経験と勘で採用している企業が9割以上あるので、雇用のミスマッチが起き、退職者を排出しすぎるとブラック企業とすぐにレッテルを貼られてしまう、しがないご時世です。
そこでひねり出したフレーズが「カジュアル面談」ということではないだろうか。 日本人は本音と建前を平気で使い分ける。
SNSも表ではキャラをつくり、裏では鍵垢にしていいたい放題だったりしますから。
カジュアル面談という言葉を駆使して、会ってみないとわからない。
選考という言葉を使わないのは、正規の選考ではありませんよって見せかけておいて、実は選考をしているというパターン。
これでは転職者の掲示板などで噂が立ってもしょうがありません。 炎上までは生きませんが、ブラックリストには入ってしまうでしょう。

これからの採用について

一言で言えば、試用期間でしっかり判断をするようにしたらいいだけです。 上長やチームメイトからの360度評価をした上で、正式に採用するかしないかということを判断すればいいだけではないでしょうか。
いきなり正社員として採用するのではなく、試用期間中は契約社員として、正社員同様の待遇を保証して、正社員になった際はその期間を算入することにしておけば問題はないのではないでしょうか。
もしくは正社員の採用ではなく、契約社員からスタート、人事評価において基準ラインをクリアできれば正社員として採用をする。 基準点に満たない場合は、契約社員として延長するか、雇い止めにするかという選択をすればいいだけ。
なぜ、こういうことをやりたがらないかというと、補助金や助成金の兼ね合いがあり、それをもらうためには自主的に退職をしてもらうしかありません。 そのため、追い出し部屋が作られたといっても過言ではありません。 リストラとなると解雇ですから補助金や助成金がもらえなくなるので、それを避けたいために、あえて飼い殺しにして自主的にやめてもらう。
そういうシステムがあるからこそ、企業は自主退職に追い込んでいくことになります。
パワハラ、ブラック企業と言われることも恐れていますし、カジュアル面談という選考を長期間繰り返していると応募者の中、転職市場では当たり前の事実になってしまいます。
SNSやネット掲示板への書き込みも見受けられるようになると、真偽を確かめる事なく信じる人が増えています。 それはもったいないので、正攻法で採用活動をしていくようにしてほしいものです。

これからの企業に求められるものとは⁉

まずは企業側の認識をアップデートすることが必要になります。
買い手市場だった失われた30年の採用を今も続けていることはリスクが大きい。
なぜなら、常識が変わってしまったから。
多様性、個性の尊重という言葉で表されているように、企業が上、応募者や社員が下という考え方はやめましょう。
企業も応募者も社員もフラットな関係になっているからこそ、上から目線は不要になってきています。
1つの象徴としてあるのがハラスメント関係です。
信頼関係の有無やコミュニケーションがとれていれば、個性や特徴を踏まえて伝え方を考えるのですが、同調圧力や周りの目を気にするあまりにいったことが、本人を傷つけてしまうことになり、そこから信頼関係が崩壊していく。
何が正しくて、何が間違いという形で分けられがちですが、どこまで入り込んでいいのか、ここから近づくと地雷を踏むのかということは、普段のコミュニケーションがとれていればわかることです。
新卒の会社説明会では『応募を迫りません』『面接辞退をしても構いません』『内定合意を強要しません』というのが流れになってきている。
内定を出した後に食事会や社員との懇親会などでクロージングの圧力をかければ逃げていくことはもちろんですが、情報操作をしてしまうと内定辞退のドミノが続くことになります。
人事や経営陣が求められるスキルは『離職防止の開発力』『競合他社への優位性』である。
他社競合をつぶすトークであったり、営業トークをすると、ゴリゴリきたなぁ~この会社ヤバいのかな⁉ということで逃げられる可能性が高い。
どうしても二極の対立軸で物事を考えて、白黒をつけたがるのは人間の本能ですが、その間には無数のグラデーションがあり、そのグラデーションに合わせられるかどうかが、これからの時代です。


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