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管理職にコーチングを身に着けてもらいたい3つの理由とは!?

命令や恫喝では人は動きません

マネージメントの質が変わるとともに、求められるスキルも変わってきました。

バブル期はメッセンジャーとして、上がいうことが絶対!ということで、管理職もメッセンジャー型のトップダウン方式でした。

失われた20年は、管理職も数字を追う時代となり、プレイングマネージャーとして現場と会社の板挟みになった時代でした。

現在では触媒の役割が必要となり、ロジカルシンキング、仮説思考、PDCAなどを回しながら、会社の意見を自分なりに解釈をして伝えることができる人へ変化をしています。

失われた20年までは命令をしていたり、恫喝をして士気を上げればよかったマネージメントですが、現在では傾聴力、伝達力など複合的な要素が必要となり、マネージメントスタイルも変化をしています。

信頼関係がなくなってしまうと、ハラスメント対象になり、泥仕合になるので注意が必要です。

最近ではスマホのアプリをうまく使って録画、録音をする社員もいますから、瞬間的に言ってしまったことが致命傷になることもありますので、注意が必要です。

そこで注目をされるようになったのがコーチング、カウンセリングの両方です。

コーチングはゼロからプラスへの作用があり、カウンセリングはマイナスからゼロに戻す作用が必要になります。

最近では、心の病気についても気を使わなければならないのが現在です。

我々にはいくつもの「思い込み(考え方のくせ)」がある。経験が重なるほどその思い込みは強化され、やがて本人にはそれが「当たり前」になってくる。

例えば「品質」を重視し、高品質の製品をつくるためにさまざまな取り組みを展開しているA社。

製造課長は品質活動が形骸化していることが気になっており、部下に当事者意識を持って、本当に品質とは何かについてチームで考えるようになって欲しいと思っている。

事実この半年は収率も横ばい状態が続いている。「品質が大事なんだ」「品質を上げるんだ」と繰り返しいったところで部下は「そんなことはわかっています」というに違いない。

部下はこれまでも品質が大事といわれてきたし、品質活動にも取り組んでいる。

昨年は全社で表彰もされた訳だから「自分が問題だ」とは思えないのである。
「このままではいけないんだ」「課長のいっているのは、こういうことだったのか」と部下に思わせるにはどうしたらよいか。

部下の思い込みを打ち破る

まず求められるのは「品質を高める」とはどういうことなのか、リーダー自身が具体的に噛み砕いて言葉にすることだ。

そのためには、リーダー自身が品質向上とは何かについて人に説明できること、そして展開アイデア(仮説)と信念を持っていることが前提となる。

その上で、部下の「私はやっています」という思い込みに対して、問いかけを行いその思い込みを打ち破るのである。

思い込みを打ち破るには『このままいくとどうなるか』ということをあらゆる角度から考えさせることである。

まずは「このままいくと目的に到達するのか」問いかける。上司から見れば「問題」なのだから、なぜ目的に到達しないのか、事実や考えを示しながら意見を問うてみるのである。

そして「今のままでいると周囲にどんな影響があるか」本人が及ぼす周囲への影響に思い至らせることである。

なぜならば、人はその個人の経験の中で「正しい」と思う行動を取っているのであり、人から見ればそれはまた違った印象や影響を受けているのである。その事実に思い至らせることが肝要だ。

このような考え方から、部下に質問を繰り出していく必要があるが、これは根気のいる仕事である。

人間自分に気づくことが一番難しい。管理職にコーチング研修をしていると、部下に気づかせるというステップが苦手な人が多い。

管理職側にこうした対話を行うための、部下の認知プロセスを分析する論理性が不足している可能性が高い。

できるだけ早く、こうした技術を管理職が習得し、日々の業務で実践していくことが求められる。

研修参加者の中にまれにとてもうまく「気づかせる質問」ができる人がいる。

こうした人の質問の出し方を参加者間で共有し、その技を展開していくことが会社全体のスキルアップの早道ではないかと考えている。 

部下の問題は何か!?

先日、ある会議でこんな光景を目にした。会議を主催する20代後半のその人物は熱意をもって積極的に議論を引っ張っていた。

しかし、そのがんばりとは裏腹に、会議の空気は沈滞ムード。

観察していると、その人物の発言にトゲがある。

「それは違うと思います」「なぜできないのですか」と発言者をとがめる口調が強い。

周囲はますます消極的になり、本人のいらいらは募るばかり・・・。

結局、その人物のいうとおりの方向性で企画が決まったが、本人は浮き上がってしまっていた。

参加者の顔に満足感がなかったのはいうまでもない。

終了後、本人にそれとなく話しかけて見ると、参加者に不満たらたらである。

「どうして、みんなやる気がないのだろう。私は私なりに成功させようと努力しているのに。」どうやら自分の態度に問題があるかもしれないということには気が付いていない様子。

後日、その人物の課長に尋ねると「そうなんだよね、一生懸命なんだけど、言い方がきついんだよね。どうしたら気づかせられるか、僕も困っているんだ」ということだった。

皆さんの周りにはこんな人物はいませんか。

上司の皆さんから見ると、「あそこが課題」と思うのだが、それとなく注意しても本人は一向に気が付かない。

あるいは、個人プレイヤーとしては優秀だが、周囲を見て若手をリードする思考がない部下。

できればそろそろ昇格させたいのに「僕はこれでいいんです」等と平気でいってくる。

しかし、そのままでは、本人はよくても会社としては問題だ。

しかも、その点をクリアすれば貴重な戦力になりうることも事実である。

こうした人たちには、できるだけ早く自分の課題を理解させ、行動を変えてもらう必要あがる。

管理職の役割と課題とは!?

こうした部下の「視点を上げる」会話こそ、最も重要な管理職の役割のひとつだと考えている。

我々人間は過去の経験や自分の知識で出来上がった認知(見方・考え方)で物事を判断しやすい。

部下も部下なりの枠組みの中にいて、その中では「自分は正しい」と思っている。

しかし、より高い視点、広い視野から見れば、それではよい結果を生まないことが多い。

人が成長するということは、知識や方法論の習得だけではなく、それを使うためにも「考える視点」を早く上げていかなければならない。それこそが、第一線の管理職に課せられた主要な「育成課題」のひとつなのではないかと思う。

視点を上げるとは、「なぜこの課題に取り組まなければならないか」ということを部下の腹に落とさせること」すなわち「自分を客観視させる」ことである。

リーダー人材が不足しているということのひとつは、この「客観視」ができない人材が多いということではないか。

部下の視点を上げて客観視させるような問いかけを日々行うことこそ、管理職の課題のひとつであるといえよう。

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