マガジンのカバー画像

マハティのこの世はネタで溢れてる

14
これは日常でひろった創作のタネを書きとめたものです。
運営しているクリエイター

#エッセイ

だから母には敵わない

だから母には敵わない

夕方台所で料理を作っていたら勝手口の扉が開きました。
田舎は台所の脇に大きめの勝手口があり基本そちらから出入りします。
開けたのはとなりのおばさん。97歳。
私は絶対百越えだと思っているのですが去年も一昨年もご近所さんから96歳と言われました。
あのおばさんの周囲だけ時空がゆがんでるんだと思います。
まあうちのお隣りには、そんな時空がゆがんだ一人暮らしのおばあさんがいます。
いくつになってもご近所

もっとみる
黒アゲハの足あと

黒アゲハの足あと

台風の翌朝、風はまだ強かったが空は晴れ渡っていた。
私はつっかけを履き背伸びをしながら外へ出た。

台風の後の空気はなぜこうも清々しく感じるのだろう。

大きな台風が来るというので植木鉢やら日頃は庭に置いてある諸々を慌てて倉庫にしまったが幸いにこの辺りはそれほどでもなかった。
風は強かったが雨は伴わなかった。
倉庫にしまった植木鉢を早速庭に出して日に当ててやろう、そう思い私は倉庫の扉に手をかけた。

もっとみる
世界の中心で大福愛をさけぶ

世界の中心で大福愛をさけぶ

大福が好きなのです。
どこかに行くと、必ずその土地の大福を探してしまうほど。
コンビニやスーパーの大福を悪く言うつもりはありません。
あれはあれで、大事です。すぐ食べれて安心のおいしさ。
辛い時の心の友。
疲れた時にコンビニで大福を見つけた時の「ホッと感」も生きる糧です。
コンビニやスーパーの大福は、ケの日の大福、と言えます。

そんな私の
ハレの日の大福は。

竹隆庵岡埜のこごめ大福

です。

もっとみる
そこらへんにいる西王母

そこらへんにいる西王母

バスの乗り口付近の一人掛け席に座っていたらだんだん混んできたのです。
とあるバス停でちょっと多めの人が乗ってきて。
おばちゃんと言いたくなる元気なおばあちゃんが二人。
「あら、座るとこないわね。いっぱいやわー」
何の他意もなくおばちゃんは言いました。
下を向いて携帯をいじっていた私は思わず立ち上がりかけたのですよ。
ちょうどおばちゃんは私の横に立ってたし。

「あ、ここ」
と口を開いた瞬間、おばち

もっとみる
なんじの名はオカン1 アーカイブ

なんじの名はオカン1 アーカイブ

「あんたもアーカイブとかで身体動かしてみたらどうかねえ」

オカンの攻撃は朝イチとかおかまいなしに始まります。
思い立ったが攻撃しどきです。
ハローワークに行け、おもてに出るな、庭でゴソゴソするな、人目につくな。
思い立った時に自分の価値観で攻撃を仕掛けてくるので、無防備な私は大体被弾します。
オカンにしてみたら部屋でパソコンに向かうのはすべて遊びだし、しばらくいなかった娘が外をウロウロするとご近

もっとみる
トラウマの溶解と2019年2月ファシリテーター研修

トラウマの溶解と2019年2月ファシリテーター研修

〈40年近く抱えていたトラウマが溶解した記録〉

2019年2月
ファシリテーター研修合宿。

2日間、朝から晩まで研修。
私にとって、ものすごく大きな、人生に立ち塞がる壁、とも言えるトラウマを上書きしたと思う。

私にはトラウマがある。
小学校3-4年の2年間クラス中から無視される、というなかなか楽しくない学校生活を送った。
キッカケは女の子のリーダーの気にくわない女子を順に無視する、という遊び

もっとみる