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2023年4月1日 ⑪離婚事由 困難に立ち向かう前の心構え

子供が産まれた頃にぎっくり腰で
動けなくなった事がある。
元々、腰が弱い私は普段から用心を
するようにしていたが子育ての
真っ最中で生後半年の息子のお世話
に追われている時期はそんな心配は
常に二の次だった。人生において
母親として初めての日々は可愛い
赤子と言えども苦戦を強いられる
事もあった。それでも少しずつ成長
していく息子との日々はこの上なく
幸せなものであった。

息子のワクチン接種に行った帰り道、
歩行者用信号で立ち止まり、前抱きの
抱っこひもの中の息子の様子を
確認する。病院で泣き疲れたのか
眠っている。その柔らかな寝顔に
安堵した私は信号が青になって
歩き出した。突然、腰の周辺に
足元がもつれるくらいの激痛が
走る。呼吸すら上手く出来ず、
身体中から血の気が引いて
いくのを感じる。

ぎっくり腰の正式な名称は
「急性腰痛症」と言う。
突然身動きが取れなくなることから
別名で「魔女の一撃」とも呼ばれている。
中高年に限らず10代や20代などの
若い世代でも発症する。

声も出せないほどの耐えがたく鋭い痛みで
姿勢を保持することが困難になる。
日常生活を普通に行う事が出来なくなり、
無理をして動くと痛みをさらに悪化させて
しまう。腰の筋肉や関節周囲の組織に炎症が
起きているので痛みや熱感などの炎症症状が
治まるまで絶対安静なのだ。

家まであと5分で着く距離であったが
息絶えてしまうんじゃないかと
思うほどの痛みを引きずり帰宅
した。乳飲み子を抱えている
プレッシャーは想像以上で当時
住んでいたアパートの階段を
二階まで決死の思いで上った。

命からがら部屋に着き、
主人にすぐ連絡する。
ぎっくり腰になった為、
仕事を数日休めないか聞く。
自分の事だけで手一杯になる事が
容易く想像出来た。激痛の中、
息子の面倒を見る自信は
これっぽっちも持ち合わせて
いなかった。

主人は電話口で長いため息を付き
私にこう言った。
「ムリ、休めない。俺が休んだら
 誰が仕事の穴、埋めるの?」
「実家にお願い出来ないの?
 とにかく無理だよ」
そう言われ、電話は切られた。

トイレに行くのでさえ
ままならないのに…私は絶望的な
気分のまま、痛みで震える手で
懸命に息子のおむつ替えをする。

結局頼る所の無い私は実家に連絡
して母に来て貰えないかと頼む。
車で30分ほどの距離に住んで
いたので必要な物を明日までに
用意して行くねと即決してくれる。
電話口で話す私の弱々し過ぎる声に
ただならぬ雰囲気を感じ取って
くれたようだった。

この「ぎっくり腰」騒動で
私は両親が健在であった事と
母が仕事をしていなかった事に
救われた。父が早起きして仕事の
出勤前に私達が住んでいる
アパートまで来て母を送り届ける→
日中は母に自分と息子の面倒を
見て貰う→仕事終わりの父が
母を迎えに来て貰い自宅へ帰宅する。
母は車の免許を持っていなかった
ので父がそこをサポートしてくれた。

主人の決まっていた休みの日は
主人に身の回りの事と子供の
世話を頼んだが1週間に及ぶ
サポートの前半で母に
こう問いかけられた。
「ねぇ、仕事を休んでもらう事は
基本の休み以外、1日も出来ないの?」
母にそう聞かれた。
「仕事が物凄く忙しい時期
 だから人手も無くて無理みたい。」
そう説明する私の顔は間違いなく
ひきつっていたに違いない。
この事をきっかけに主人に
対して頼み事をするのは
無理な事なんだと私は認識する。

今、思えば主人に頼み事が
しにくくなって月日は15年も
経っていたのだ。

昨日で仕事を退職した私は
過去の主人とのやり取りで
モラハラの証拠として使える
ものが無いかと手帳やラインの
過去の記録を探していた。

探していくうちに気になった事があった。
主人の仕事内容が変わった訳では無いのに
帰宅時間が2年前より日を追う事に
遅くなっている。

時間があるので主人からの帰宅を
告げるラインの時刻を書き出してみる。

2021年の夏から現在までを調べてみると
帰宅時間の連絡が無い事が増え、
休みの前日、
有休の前日、
休日出勤した日、
仕事場での飲み会の日、
レクリエーションがあった日は
毎回帰宅時間が遅いのである。
自分の仕事が忙しかったりして
帰宅時間の変化には全く
気が付いていなかった。

仕事を辞める前に職場の人には
自分の置かれている状況を話した。
普通の夫婦関係と思えないから
別れた方がいいとの意見を
貰った。この頃になると
自分の夫婦関係が決して対等では
無かった事をやっと口に出す事が
出来るようになった。
自分の中で言えば成長出来た部分だった。

ただ、心のどこかでは息子に
迷惑を掛けたくない気持ちが
大きかったので主人との離婚は
話し合いで何とか進められないかと
考えていた。

この考えについては協力者の方に
厳重な注意を受ける。
「人の話を聞かないのがモラハラなんだよ。
 話し合いにならないケースが多いから
 協議離婚が出来なくて離婚調停に
 進むケースが大半なんだよ。離婚する
 からって性格が変わる訳では無いんだよ。
 第三者介入の必要性があると思うよ。」

心のどこかで弁護士を入れないで
何とか済ませられないかと
考えていた浅はかな考えを
呆気なく否定される。
確かにそうだ。
主人がすんなり受け入れて
くれる訳が無い。

昨日に引き続き
今日も夕飯はいらないと
主人からラインが来た。

本当に仕事なのだろうか?
そんな疑問を浮かべるようになった。

その疑問を解き明かしてくれる
命の恩人の一人に出会えるのは
まだ先の話になる。

【離婚事由⑫につづく☟

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